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狂言『二人袴』の六 ようやく三人対面でござる

和ろうてござるか~

これまでのお話は狂言『二人袴』としてまとめてござるによって
そちらをご覧くだされますよう願いまする

聟(弟)と兄の入れ替わりも三度をすぎるとそろそろ次の展開でござる
舅から二人一緒に出ないと盃事(聟入りの儀式)ができぬによって
二人一緒に出るよう云われた二人は・・・

このブログでは狂言好きのわたくしけんすけ福のかみが
もっとも狂言らしい登場人物“太郎冠者”となって
狂言へとご案内するべく描いてござる
なにとぞ和らいだお心もちにて読うでくださりませ〜

袴が一つしかないため、弟も兄も自分が履くと云って引き合いまするところへ、舅に云われ太郎冠者が急かしにやってきて
「早う出させられいと申しまする!」
の声に驚く兄弟は互いに袴を自身の方へ強く引っ張り、結果

袴がキレイに二つに裂けまする

ここが演目名となってござる

兄が後ろ側、弟は前側を持ったまま
前後に引き裂いてござる

この袴はこの二人袴専用の袴として誂えられてござる
前と後ろを中ほどより下にかけて、細い仕付け糸で毎回縫い合わせて出るのでござる
何度も脱ぎ履きするによって、うっかり途中で引き切らぬよう注意が必要なのでござる

ここで兄はこの半分の袴をお互い前に当てて紐で縛り
後ろを見られぬように、と弟に注意して
ようやく二人揃って舅の前へでられたのでござる

前だけ袴で揃い踏み

みな揃うたことで三人で盃を酌み交わし
盃事もどうにかこうにか終わったところで、
舅は聟になにやらしてもらおうといたしまするが

今回はこの辺りにいたしとうござる
いよいよ次回は二人袴も最終回となる見込みでござる
またお目にかかれましたら嬉しゅうござる

この狂言noteはけんすけ福のかみが
大蔵流茂山千五郎家 島田洋海社中にて
狂言を学んだことをモトに
実際に狂言を(できれば生で)観て
和らいでもらいたいと願うて描いてござる🖋


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