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ブライアン・ウィルソンの映画を見ました

映画「ブライアン・ウィルソン 約束の旅路」を劇場で見てきました。
1960年代から60年以上、現在も活躍するレジェンド、かつてビーチボーイズのリーダーでほとんどの代表曲を作っていたブライアン・ウィルソンのドキュメントです。

シンプルに感想を言うと、ちょっと短かった。もっと説明シーンを多くしてくれても、とは思いました。ぼくはそんなに詳しくないので!
ある程度、最初からビーチボーイズに知識のある人が見るのを想定してるのかな? て感じだった。

基本が、ブライアンとも旧知の音楽ライターとの、ドライブしながら、ほのぼのインタビューというのは、まあ面白いと思いました。ロードムーヴィー的味わいがある。途中、ドラマ仕立てになってるのでは? と錯覚させるような、セリフっぽいやり取りもある。

途中、カフェに入って飯食ったりするシーンもある。他の場面ではダイエットに成功した自慢とか出てくるけど、やっぱり、太ってるし、めちゃ食ってる。でっかいアイスとか。(アメリカでは普通?

そこにビーチボーイズの歴史を追っていく過去の映像がカットバックしていく。
年代とか、アルバムのデータなどが細かくテロップで出てくるワケではないので、資料的ドキュメントではなく、ブライアン個人の詩情を見せる作品、という感じですね。
MVとか、TVショー出演の映像とか、もっとたくさんあるだろうにな〜。

近年のソロ・ライブのリハ風景などもあって、いまだに歌のうまさ、サウンドに関するこだわり、スタッフや他のミュージシャンに細かい注文をつけるとこなど、健在ぶりを感じさせる。

さらに様々なアーティストの、ブライアン賛辞や、サウンド分析コメントがはさまります。ドン・ウォズとか、最近の若手代表でジョナス・ブラザーズの人とか。しかしメインは、エルトン・ジョン(75歳)ブルース・スプリングスティーン(72歳)ふたりの大御所が、ブライアン(80歳)を大先輩として、リスペクトする発言がいっぱいフィーチャーされてるので、やっぱ芸能の道は上下関係だなあ〜と痛感させられます。


ハイライトとしては、うつ状態やパニック障害などになりやすく、ドラッグにも溺れていたブライアンを治療するために雇った精神科医ユージン・ランディというのが怪しい人物で、洗脳支配されたまま何年も暮らしていた、というエピソードが最高に怖い。金も取るし医者のくせに作品作りにまで口出しをする。

ランディは写真を見ると、すべてニタニタ不気味に笑っていて、見るからに悪人なんだけど、なんでこんな人に簡単にだまされるんだろうなあ〜というのが、最近の日本の世相とも重なる部分が興味深かったです! wikiとか読んでると、この人がいなければ、ビーチボーイズをやめなくてもよかったのでは? とも思う。

しかしドラッグについても、普通に赤裸々に何も隠さず普通に語っているので、やっぱアメリカの昭和世代はすごいな〜と思った。昔、矢沢永吉さんが「ビーチボーイズとか、あっちのミュージシャンは、ドラッグで鼻の骨が溶けてるから、あんな高い声が出るんだよ!」とか適当な発言されてたのを思い出しますw


以前、1970年代のブライアンがうつ状態の自分をセルフパロディのように演じている映像を見た覚えがあったんだけど、それもチラっと映るんですが、それはサタディナイトライブの企画だったと知った。あれもフルで同時上映すればよかったのに、と思った!


で、まあビーチボーイズの映画、ではないために、マイク・ラヴやブルース・ジョンストンといった、ブライアンと仲違いして、ビーチボーイズの名義を引き継いだメンバーの名前は一切語られません。
1988年の、ブライアン抜きの「ココモ」が大ヒットしたときの話とかも見たかったの。

だから2012年の劇的な仲直り再結成ツアーの話とか出てこないのだ。
1985年のライブエイドの再結成の話とかも聞きたかったの。
ちょっと根深いものを感じさせる。

オリジナルメンバーの中で、今でもブライアンと仲良くしてるアル・ジャーディンのコメントも一言しか使われていない。う〜ん。

オリジナルメンバーで、無くなった二人の兄弟、デニス・ウィルソンとカール・ウィルソンについては繰り返し語られる。感動の場面。


そういえば、10年前にもビーチボーイズと、ブライアンについて語られたドキュメント映画はあったんだった。ちょうど再結成する直前くらいの時期か?

「ブライアン・ウィルソン ソングライター ~ザ・ビーチ・ボーイズの光と影~」
あれ? これ見た気がするんだけど、あんまし覚えてないな。長かった。インタビューメインで、曲もそんなに流れない感じ? こっちのが資料的には詳しい内容だったか。これも他のメンバーはあんま出てこなかったね。


あとは、よけいな注文ですが!

まあ、今回のドキュメントはこれはこれでよかったんだけど、やっぱ今の若手イケメン俳優を使った再現ドラマ式のビーチボーイズ物語を作ってもイイと思った。

それは〜、年取ってからは複雑だから、やっぱ結成から、ブライアンの落ち込み期を経て、デニスが亡くなり、悲しみを超えてライブエイドで再結成をするとこをクライマックスにするのが一番収まりがいいと思う! 1962〜1985で。精神科医は登場させないで終わる!

前から提案してるように「ボヘミアン・ラプソディ」に次ぐ、ライブエイド・サーガの連作にするんや!(結局そこ


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