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【映画感想】『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』ネタバレあり

遅くなりましたが、今回も見てきました!劇場版名探偵コナン!

初の映画感想だから若干力んでいるため、公開が遅くなってしまいましたが、
思ったことを思うがままに書いて行こうかなと思います。

なお今回はネタバレありにしようかな。

そんな訳で行ってみよう。

全体感想

細かいところはたくさんあるが、全体で言えば「とても楽しかった」
王道やらコナンあるあるは薄れてしまった気がしなくもない。殺人事件はあっさりしてるし、ジンとウォッカはポンコツ全開だ。だけど、今回は「登場キャラクターが揃う」とは銘打っていたが「集合」ではなく、全世界で同時多発的に事件が起きるため、そこは上手に作り込んだなと思った。2時間の映画であれだけの人気キャラを出し、そこそこ見せ場を作ったのは良いが、「少年探偵団、園子、小五郎、他の刑事」などの非戦闘員が見れなかったのは少し寂しかった。

完全に「大人向き」に仕上がっているが、シリアス過ぎてちょっと引いてしまうところがあったかな。
小ネタやツッコミどころなど要素は多いので「誰かとお話ししたくなるコナン映画」が適切な気がする。興行収入100億いくのかな・・・

演出めちゃくちゃ良くない?

”黒の過去作品”のオマージュ祭り

Hulu公式HPより

1997年第1作『〜時計仕掛けの摩天楼』から26作品目の『〜黒鉄の魚影(サブマリン)』。コナン映画って、ドラえもんやクレヨンしんちゃん、ワンピースとか他のシリーズアニメ映画と同じで、「時系列があんまり関係ない」ってのが大きな特徴な気がする。

核となるキャラクターやアイテムは登場させて、事件や時間軸はガン無視。
そういう細かいところはあくまで「フィクション」だからこそ、長く愛されてるのかもね。

だけど今回テンションが上がった最初のポイントは、過去の「黒の組織関連の映画」が絡んでくるところ!!

というのも、今までに公開された黒の組織が前面に出てきた関連映画は

  • 第5作  『〜天国へのカウントダウン』

  • 第13作『〜漆黒の追跡者(チェイサー)』

  • 第20作『〜純黒の悪夢(ナイトメア)』

の3作。

これが今作ではウォッカの口から「アイリッシュ」「キュラソー」のことをしっかり説明してくれたこと。これは本当に嬉しかった。今までの映画がパラレルではなく、しっかりと歴史の一部になってくれていたことに。

もちろん中には原作での「ピスコ」や「テキーラ」なんかも出てくるので、ニヤニヤポイントの一つ。

もう一つは、今作のメインアイテム『老若認証』(これめっちゃ言いづらい)。

パシフィック・ブイに内蔵されたシステムで要は「人の顔を認証+若い顔、老いた顔を自動で生成してくれる超便利な機械」。
これどっかで見たことあるなって思ったけど、あれだよね。

『〜天国へのカウントダウン』の序盤に登場したこいつの作った機械。

「コナンラヴァー」より

この人、黒の組織に加担したエンジニアで、作った機械が、「人間の顔をスキャンして10年後の顔を計算して印刷する技術」。
実際にこれを試した、コナン御一行。
作中では明言されなかったけど、このシステムの応用で「老若認証」ができたとおもったらちょっと興奮するよね。

「一元様お断り」状態

今回、「コナンは映画を何となく見ている」程度の友人と一緒に行ったのだけど、終わってから帰りまでは各回想シーンの答え合わせ状態。

私も原作を全部追ってる訳ではないし、今回の映画に向けて「黒の組織関連エピソード」「灰原哀関連エピソード」をHukuに紹介されて追っかけました。

でも、そんな私でも、「?」となるシーンがいくつか。

誰が「悪者」で誰が「良い者」かなどの察しはある程度着くが、スパイが多いのと、みんな複雑な過去を背負い過ぎてるので、解説がないとしんどいかもしれない・・・
あとは、まだ原作でも明らかになっていない謎キャラもパラパラ出てくる上に顔が怖いので余計にわからなくなる・・・

昔みたいに、

殺人事件→爆破→爆破→推理→らぁぁぁぁん!!

で片付かなくなってきたので、これからも春先から予習、復習が必要だね。


下げてから上げる『君がいれば』

去年の『〜ハロウィンの花嫁』で久しぶりに流れた挿入歌「君がいれば」。しかも歌詞つき。その前の『〜緋色の弾丸』では歌詞ナシすら流れず肩透かしを喰らったのは今でも忘れない・・・

要は終盤の”トドメ”で流れる最大の見せ場。正直コナン映画はどんだけ内容が雑だろうと、この数分がきちんとしていれば大体許せる。

今回は終盤のアクションの見せ場ではテーマのみで、「去年が良過ぎたからね、今回はナシか」と気を抜いた瞬間。コナンを助けにきた哀ちゃん、二人は手を取り合い、ゆっくりと浮上。そこで流れる「君がいれば〜しっとりver歌詞あり〜」。

しかも最後には爆音でいつものver。

これはもう「やられた!」としか言えなかった。
ただ盛り上げるだけではなく、メリハリ、緩急のあるシーンで、コナンくん、哀ちゃんの心情をしっかり表現された気がする。一曲で。いや〜恐ろしい・・・

パシフィックブイってすごいね

今更ですが、コナン映画に何を求めますか?
はっきり言います。私はズバリ”爆破される建造物””被害総額”です。

これは正直予告のときから明らかにされるけど、なんだよ「パシフィック・ブイ」とかいうふざけた大バカ巨大要塞。(褒めてる)大好物だよ。

MARVELの「ラフト刑務所」にしか見えなくて、「あぁ、ここまで来てしまったか」と安心のため息が出てしまった。

今回の「パシフィック・ブイ」に関して言えば、「あんなにでかくする必要もなかったし、そんなすごいもの八丈島近海に作んなよ」とか、正直言いたいことは山ほどある。まあフィクションだし、なんかワクワクしたから良いよねってことで済ませましょう。

MARVEL公式ツイッター より

登場キャラクターを掘り下げよう

26年間、戦い続けた「灰原哀」

今回のメインキャラ「灰原哀/シェリー/宮野志保」こと、哀ちゃん。
ずっとそうなんだけど、この子はいろいろ背負い過ぎてる。

初めのうちは無茶をするコナンくんに「逃げて」「関わらないで」と言い続けるが、コナンへの信頼と推理能力の高さ、その他諸々を理解するようになってきて、少しずつ変化する。時期に「逃げるだけではダメだ」「罪を犯した過去を背負いつつも、未来を見据える」という組織と戦う覚悟を持つようになる哀ちゃん。

今までの映画では「調べ物担当」に成り下がりつつあったが、そんな哀ちゃんが感情剥き出しで戦う姿は珍しくもあり、ワクワクもした。

今回のキーセリフ「子供の言動で人生が大きく変わることもある」(うろ覚え)
これを「見た目は子供、頭脳は大人」を経験している人間の口から言われると説得力が倍増する。

最強の二人の保護者

今回のキーキャラは哀ちゃんなのは、もう去年の時点で想像ついてました。でもそこに続くサブはどうせ、赤井さん安室さんなんでしょ。と見るまでは思っていました。でもそれをこのレギュラー二人に綺麗に裏切られました。

そうだよね、哀ちゃんがピンチのときに一番心配するのは「近くにいる大人=保護者」だもんね

霊長類最強ツノ出し遠距離ヒロイン:蘭姉ちゃん

公式サイトより

今回の蘭姉ちゃん、とにかく脳筋。いつもそうなんだけど、「犯人(悪者)だから倒す」の真理はなく、「〇〇を助けるために倒す」の精神。後半は事件の概要を掴み始めるから良いけど、哀ちゃんが拉致されるまでは概要を全然理解できていないはず。

それでも「頭で考えるより先に体が動いていた」という、ヒロ○カみたいな高潔な精神を持っていたのでそこはとにかくカッコよかった。

収入源不明引率担当:阿笠博士

公式サイトより

こちらもレギュラー阿笠博士。言ってしまえば、組織から逃げ姉を殺された哀ちゃんにとって唯一の”家族”に近い存在。それは哀ちゃんだけではなく博士もそれを認識していたことがしっかりと確認できた。誰よりも哀ちゃんを心配し、助けに行きたい。でも自分にその能力はないから、コナンを信じ全力でサポートに徹する。

この今まで当たり前だった3人の関係を改めて見せつけられて気がする。
ビートルとスケボーの並走チェイスは今までありそうでなかったかもしれない。
今回はそこまでの”本気”が見れた。

例のシーンはありですか?ナシですか?

これどうしても聞きたいんだけど、最後の2つのキスシーン。どうですか?
ちなみに見に行った時、横のお姉様は泣いてたし、後ろからはおじさまの咽び泣く声が聞こえたんです。ツイッター見てても、みんな褒めてるし・・・

正直、なんだろう、自分はナシかなぁと思っちゃうんです

流れとしては自然なんです。
息ができないコナンを哀ちゃんが人工呼吸。
それを後ろめたい哀ちゃんが「返すために」蘭にキス。
ドギマギするコナン。

この流れに文句が言いたいのではなく、絵的に生々しいというか、妙にリアルな感じがちょっとないなと・・・

あくまでもコナン×哀ちゃんって、「ホームズandワトソン」「杉下さん×亀山くん」のような相棒であり戦友であり、男女であっても友人でいてほしい訳ですよ。

哀ちゃん的には、新一ではなくコナンくんが好きなのかもしれないが、彼女も大人ならそっと胸にしまって誰も邪魔できない蘭×新一を応援する立場であって欲しかった。

そんな3人がねぇ。

だから人工呼吸=キスと捉えるのは観客だけにして二人の間では、「救助措置」の一環で済ませて欲しかったなぁと思う訳です。
あくまで個人の感想なので、、、

良くも悪くも

そんな訳でダラダラ話してしまいましたが、前26作品で比べたら中の上くらいなのかなと・・・

年一で見れるエンタメ作品としては相変わらず完成度を維持してきているので、このまま最終章まで突っ走ってほしいし、それを見るまで死ねないなと言ったところですね・・・



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