「夢」分析入門-序

 「夢」は人間にとって以外にも非常に貴重なものであるらしい。というのは、第一に「夢」人間の心(感情)だけが見るもの、人間以外の他のあらゆる動物には夢というものは存在しないはずだから。あらゆる動物には幻想、想像力という心、感情の働きは持ち合わせていない。だから夢は人間(ヒューマニズム)の発達した心なのである。確かに動物にも、怒り、喜び、苦、悲しみの感情は持ち合わせるが、しかし動物の感情(心)は単純な、アナログ的なものでしかない。これに対し人間の心(感情)は複合、デジタル的である。
たとえば動物にも意識(心)はあるが,それは単意識のみであり、人間は二重意識(動物と同じ単意識と人間だけが持つ幻想意識)をもつ。
動物も道具(生産手段)を作る。アリや蜂、鳥などは巣(住居】を作り、蜘蛛は住居兼食用の網を作り、チンパンジーは小枝を釣り道具に仕立て、アリなどを生け捕りたべる。
 後のは幻想の心が主体となって可能なもののようである。 
 

  第二に本来の夢は、無意識の、かつ本質の欲望が成就されたものらしい。
本来の夢は夜寝ているときに見るものであり、それは人間の心の本心で見る。
一方日中目が覚めているときの夢(医者、政治家などになりたい)は本来ではなく手段としてあるらしい。しかしもちろん充足されたものではない。
夜寝ているとき、完全な無意識ではあるが感情(感性)は活動している。
たとえばある日、夜いつものように私は寝床へ、そして意識は全くなくなりいびきをかいて寝た時、そばを通った妻が言うには「その時あなたのいびきはいつも止まるのよ、お気をつけて」だった。
私はその時自分がいびきをかいていることも、妻がそこを通ったことも、そしてその時自分のいびきが止むことも知らないのであった。たぶん私の動物的かつ人間的感性力(大きな音のするいびきをかいていては敵に狙われやすいことを察知する働き)によるものかもしれない。この時見た夢は、私たち人間にとつてこの上ない貴重なもの、不安(夢)のこころだったにちがいな
 ということで夢は人間の心だけが見るものであり、かつ動物の心より超 高度なものであるらしい。
また夢には二種類があり、一つは日中,未来に投企(サルトルの言う)する手段的欲望として、二つ目は、夜寝ているとき意識活動の全くない無意識(フロイドの言う)活動、本来の目的的欲望としてあるらしい。ーフロイドは、動物も人間と同じく夢を見るかどうかについては知らないと言う-。
 


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