漱石の夢「第一夜]-②

 「解説」 夢の中の自分とはもちろん作者漱石であるが、「あおむけに寝た女」とはいったい、誰のことか、中心となるテーマを含んでいるよぅな、ここが問題である。
 夢は人間だけが見るもの、人間以外の他のあらゆる動物には夢というものは存在しない、だから夢はあまりに人間的な心が見るものである。さらに言うと日中起きているときに見る夢より、夜寝ているとき見る夢が本来の姿、本物の心(本心)である。
人間の本質の心ー類心がある。
 吉本(隆明)ー『夢十夜』は宿命の物語である。「宿命」とは第一に母の胎内か、一歳未満の乳児の時決まり、無意識の基底にある。しかしそれは生涯の決定因ではなく、それを克服超越変化せしむることも可能かとおもわれる。


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