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松田山みどりの風自然遊歩道さんぽ

案に相違して松田は曇天だった。昨日の天気予報では〈快晴〉だったのに悔しい。西平畑公園の河津桜は、見事に満開、菜の花に映えて圧巻である。朝から花見客が長蛇の列をなしていた。雲に覆われて、「関東の富士見百景」はお預けである。

お花見を愉しんだ後、みどりの風自然遊歩道をゆっくり歩いた。最明寺史跡公園まで1時間余り、ただひたすら舗装された坂道を上るのも、案外シンドイものだ。史跡公園は入り口に「からさわ古窯跡」が設置され、なかの池の周りの散策路は桜の樹に囲まれ、春になれば訪れる人々の心を和ませてくれるのだろう。

この二つの公園の晴れやかさに、松田山の山頂は霞んでしまったのか、山頂への道標はどこにも見当たらない。低山とはいっても、やはり山頂には立ちたい。あちこち、うろうろして目にした歌碑に刻まれた二首。
 願わくは 花のもとにて 春しなむ そのきさらぎの 望月のころ 西行
 久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花のちるらん 紀友則

ようやく辿り着いた〈山頂〉の標識はゴルフ場のフェンス脇にひっそり立っていた。

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