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【写真展】漫画脳展の作り方。【主催の反省と感想】


明けましておめでとうございます。あるいは、良いお年を。あるいは、いらっしゃいませ。

ハローハローハロー!2023年です。実は昨年のクリスマスに新婚になりました。2回目の結婚です。ありがとうございます。ケンタソーヤングです。再婚についての話はまた次のNOTEあたりにて。ご祝儀はいつでも待ってます(はあと)

2022年は漫画脳展に始まり漫画脳展に終わりました。本当、この展示のおかげで2022年は秒でした。一年が走馬灯の様に駆け巡った感覚です。いやなんかこう書くとチープやねんけど、ホンマやねん!信じや!って感じ。

って書きたいことがめちゃくちゃにあるんだけど、あえて書き殴ります。整理もしません。読みにくいけど覚悟してこの後にGO!まぁ読んでくれた人にだけわかる「写真展の作り方がわかるのかも知れない」です(当社比)

とりま、最初から言うけど、「読む」って覚悟を決めたあなたは偉い!!!マジで偉い!

って感じですが、年末から書き始めたNOTE。何やかんやで忙しくて、年明けになってしまったい。箱根駅伝を見ながらこのNOTEを仕上げています。



⬛︎漫画脳展とはなんぞ。

漫画脳展年末拡大号のDM画像。年末に42人の猛者が集結!毎日23:00まで開催!ってアホか!!!!この情報だけでお腹いっぱいになるって!!!w


漫画脳展とは端的に言って、「自分の人生において影響をうけたセリフや人生観の骨組みになったセリフ」を元に写真を展示する!というテーマ。

「漫画」と「セリフ」
二つの大好きがクロスした展示。

それぞれの作家のブースには「影響を受けた漫画のセリフ」が吹き出しに印刷され、そのセリフがその作家の心情、育ち、拘りを表すキャプションになり、展示を引き立てます。そしてその漫画のコミックスが展示され、対象となったページには付箋が貼られて、その漫画を手にとって読むことも出来ます。要は推し漫画のプレゼンに落とし込めるという内容なのです。

着想はソーヤングとモーリーとのLINEのやり取り、ただのジャンプ系漫画のスタンプの撃ち合いから始まりました。(アイディアは日常に溢れている)

展示へと構想を発展させて、そこからみぞみぞという高学歴フォトグラファーを片腕に迎えて、相談役に佐野小波を迎え、無敵の四人体制で作っていきました。(ソーヤング的には後任を育てる意味合いもある)モデルもできてデザインも完璧なブンちゃんにデザイナーとし協力してもらい、お誘いと公募いう形をとって開催した漫画脳展(一回目)。デザインフェスタギャラリーで行った創刊号ですが、これ、2022年の1月なのよね。みんな2021年のことだと思ってるっぽいけど笑


漫画脳展創刊号の画像。めっちゃ昔のジャンプの表紙を意識した。

創刊号は、出展者もお客様にもとても共感を得て、とても楽しいものになりました。正月早々にも関わらずお客様の入りも上々!ありがたやで同年の年末も開催することに勢いで決めました。

運営陣、2022年の年始にやることで2021年のプライベートが半分ぐらいぶっつぶれてるのに、2022年の年末もやるとか、正直アホしかいない。だってだって、やったらみんなが楽しいかと思って、、って全員が出たての天然系芸人かっ!



⬛︎出展者のスカウトと公募について

年末拡大号の搬入中の写真。出展者から拝借。

アイドンノー展など、僕が大型の合同展を主催するときはスカウトで出展者を集めることが多いです。理由は「気心が知れているから」。
HUNTER×HUNTERのゴンさん(この場合ミトさん)も言ってるけど、「その人を知りたければその人がどんなことに怒りを感じるのか知れ」ってやつで、合同写真展の主催としてそれぞれの性格と相性の把握は結構重要な項目なんです。

とまぁ考えてましたが、「漫画好きに知り合いもクソもない」「同じ釜の飯(漫画)を食って育った仲じゃないか」ってことで運営で話して今回は「公募もする」という形を取りました。

アンケート形式で行った公募で、写真を見るよりも「その漫画愛について」語ってもらう形式にしました。写真展の公募なのに写真を見ずに漫画愛を語ってくれ、なんてなかなかなくて面白い試みだと我ながら思いました笑

私たち運営が欲しかったのは「写真に対する思い」よりも、どれだけ漫画を愛してるのか、それを知りたかったのです。写真展に出す以上、写真が好きなのは当たり前のことです。「写真展に出してみたい」と思った以上、写真の腕前が一定以上であることは当然のことでしょう?ってことで、漫画脳展の公募はまさかの文字だけのアンケート形式にしてました☻(もちろんアカウントを見せてもらって写真も見てるけどね)


⬛︎レギュレーションがある

漫画脳展年末拡大号、説明会資料より、出展のイメージ。
漫画脳展拡大号ブース割。ここまで丁寧にやらないと合同展の運営はできません。

漫画脳展にはレギュレーション(禁止事項)があります。これを捻り出すのが一番苦労したかも。しかし統一したレギュレーションがあることで展示の質が高まるとともに質が上がります。

①拝借するのはセリフのみ。絵柄やストーリー性は漫画そのものから使ってはいけません。

→漫画には版権があって、それはコマ割り、ストーリー、キャラデザインに付与されているものというのは周知の事実だと思います。しかし、「セリフ」には版権が存在しません。この件については弁護士など法に詳しい方に何度も相談して確認済みです。日本国憲法において、個人の尊重よりも表現の自由が上位概念であることに起因しておりますが、セリフ(キャラの名前を含む)は日本国憲法上、版権はなく扱えるのが判例で出ています。(ただし、一部のみ。セリフが多数だとストーリーの開示に抵触してしまう)

②展示に使ったセリフやオノマトペは二次利用できない。

年末拡大号の壁に飾っていたオノマトペは自分達で切りました。


セリフやオノマトペは版権をクリアーしたフリーサイトから購入して使っておりますが、それそのものの二次利用をする権利はなく、展示とともには廃墟することにしております。


③漫画の各シーンの再現を主とするのではなく、あくまで「自分にとって影響を受けたセリフ」がテーマであること。


この件については例外もありますが、基本的にはその形で計画しました。シーンの再現になってしまうと、コスプレだらけの写真展になってしまうしね。あくまでキャプションが「影響を受けた漫画のセリフ」であること。これが当写真展の肝なのです。

ハセオさんのカッパ、実は僕なんです。こんな風にフレームつけてくれるなんて!嬉しすぎる!

ハセオさんの写真は、コスプレという概念を超えていて、そして、ソーヤングへの思いをふんだんに込めてくれた写真でした。本当に感謝しています!

④SNSの投稿、リプライに、漫画のコマの流用した発信はNG。


これは見落としがち。自分も調子に乗って、ついつい拾ってきた漫画のコマの画像でリプライしてしまうことが多かったです。漫画脳展の主催として、「版権」について不勉強だった自分自身を反省し、勉強し直して、再認識することができました。本当に漫画はいろんなことを教えてくれます。


⑤作品性やアイディアなどの盗用は控えること!


 これは当たり前のことですが、漫画に限らず、音楽、写真など他アーティストの表現の盗用、無断のオマージュはトラブルの元となりますし、自分の愛する漫画やその作家様に迷惑をかけてしまうことが懸念されます。ここは口を酸っぱくして出展者には伝えてきました。


って感じですが、基本的にそれぞれの作家様には自由に写真を展示してほしい気持ちも大切にしつつも、レギュレーションを設けることで、写真展の意識と品質を向上することを狙いでやっています。



■縛りがあることで写真と向き合える。

可愛いお客様にも恵まれました。

前述した通り、漫画脳展にはレギュレーションがあります。これはある意味、ハードルと言い換えてもいいでしょう。
漫画脳展は自分にとって影響を受けたセリフをもとに写真展を作るものです。自分の骨組み、自分の成り立ち、生い立ち、育ち、それら全てが曝け出せれる展示です。
そう、自分と向き合わないと作れない写真展示なのです。

全てのアートにとって一番大切なのは、「ステートメント」であると僕は考えています。

なぜ、この写真を撮ったのか、なぜこの写真をそのプリントにしたのか、なせこの写真を壁にデザインして飾ったのか。
それらを明確に「言語化すること」をルールにしていました。

写真の本質は自分の心の中にあると思うのです。
それは写真があくまで記録装置値であることに起因しますが、「写真表現」を深めるヒントも自分の心のうちにあると僕は信じて疑わないのです。
自分を見つめることで、見えてくる、今の自分と写真との向き合い方について。


アイドンノー展でもお馴染みの原田くんにサインボードへの装飾を描いてもらいました。

展示期間中にギャラリーコンシールに来場されたお客様から「自分の写真に行き詰まってしまっていて、どうしたいいですか?」という質問をいただきました。

僕は答えました。「ぜひ、写真展をやってみてください」と。写真展をすることで、自分がどんな写真をプリントしたいのか、鬼のようにセレクトを繰り返すはずです。SNSは自由に写真を投稿できますが、写真展は違います。限られた空間、期間の中で写真を見せなくてはならない。そのために、出展者は何度でも何十階でもセレクトを繰り返す。セレクトを繰り返す中で、自分がなぜその写真を選んだのか、それを明確化できるようになってくるはずです、とお伝えしました。その方はとても感銘を受けたような表情で帰っていかれました。

これは出展者も同じだったと思います。自分と向き合い、自分について知る行為は、とても辛いものです。だって、人は、常に何かから逃げているものだし、自分と向き合えないからこそ、写真をやっている人もいる。そんなこともわかっていながら、あえて自分と向き合いなさいと、漫画脳展は提示しているのです。こんなに辛い展示もなかなかにないものです。

僕も現に逃げるように写真を始めたものの一人ですし、でもそれで写真を続けるには限界があって、写真展を経験することで乗り越えていった写真人生でした。



■主催ソーヤングは出展者に厳しい。


出展者にはキビしいけど、受付モデルには優しいんだ!(言い訳)


漫画脳展には年始にも年末にも初出展の人が大勢いました。それに際して、ソーヤングから写真展の講座を行ってきました。どのように写真をプリントしていいのか、どのような写真の飾る方法があるのか?などなど。

僕は過去に来場者2万人を超える展示主催したり、企業さん主催の写真展も手伝っています。主催した合同展は20を超えていますし、多分日本でもここまで(プロカメラマンでもないのに)行っているのは僕だけだと自負します。

ソーヤング写真展講座の資料の一部より。シートは300枚を超えています。

僕の経験から、写真を壁に飾るためにはどんな道具、小物があるのか?など具体的に紹介して、各々のアイディアを聞き取り、それに見合った道具や飾る方法をレクチャーしていきます。もちろんこれらは無料で行っています。(流行のオンラインサロンの講座にしたら一回15000円ぐらいの価値はありそう・当社比)


僕自身は僕が主催する合同展の全てを利益度外視で行っています。展示の講座も出展者には追加料金もなしです。(時折、企画外で行う時はもちろん有料)基本的に無料で行っているのには理由があります。これは自分自身が写真に救われているから、というのが大きな理由です。

普段から写真に携わっている立場ではなく、一般の趣味の延長で写真を楽しんでいるものの一人です。こんな僕でもたくさんの人たちが僕に関わってくれている。こんな僕にだ。だから、僕は写真展をすることで、僕に携わる全て人たちに感謝の気持ちをお返ししなかればならないと考えているのです。

感謝をお返しする以上、生半可なことはできません。(だからと言って出展者に厳しくるのはどうなの苦笑)出展の相談にあたり、各ブースのデザインをテコ入れしています。(もちろん相談があったものに限るけど)

相談された以上、本人が閃き、納得するまで徹底的に付き合います。年始、年末合わせて、20名の出展者の出展相談に乗りました。中でもタシロツカサに限っては4回以上のブースデザインの再提出。他の方も平均2回ですが、ここまで付き合ってくれるやついる〜〜?いねえよな!?って自分でも思います。

何度も相談しする中で改良していったタシロツカサのブース。良いものができて良かったね!

でも、自分の心を鬼にして、何度でも付き合っていいものを作っていくとスタンスは、展示プロデューサーとしての最低限の仕事だと思ってます(何度でもいうけどこれ無料ね)人に言うことで、僕自身の展示の見直しができたり、ハードルを上げる効果もあります。

■でも乗り越えた先に見えてくるものがある。


仲良し出展者たち。

(僕に相談していない人も含む)出展者の中には、この漫画脳展の出展が「実は辛かった」と言う声もありました。先述した通り、自分の心の内側が映る写真展です。そりゃ辛くて厳しいテーマだと思います(何度でも言うけど)でも、その人たちは口を揃えて、「漫画脳展の展示を考えるのはとても辛かったけど、一番楽しい展示になりました!」と、会期の最終日に僕に伝えにきてくれました。「漫画脳展に出ることで前に進めた」という声もありました。参加することで、厳しい条件を乗り越えていくことで、何かを得られる。そんな思いを少しでも感じてくれたら、主催として、こんなに嬉しいことはありません。それだけ、いい展示だったと思います。


■拡大号におけるソーヤングのブース

僕はこの期間、展示を同時に3つも抱えていました。特に年末拡大号の搬入もあった12月19日は、漫画脳展に加えて東北展の搬入を担当するという、タイムスケジュール的にはかなり過密な日になりました。

そこで運営に、もうひとり搬入担当としてはるきを迎えて搬入に臨み、東北展の搬入には急遽ヒロさんにお願いしつつ、進行しました。と言う条件があるので、僕の漫画脳展拡大号のブースについては、「搬入を短時間で済ませられること」が絶対条件になりました。ただでさえ、漫画脳展はオノマトペやセリフなど全体で作る、貼るものが多いです。全体を見ながら自分のブースも作ると言うのが、運営の辛いところだな。覚悟はいいか?俺は出来てる!と言わんばかりの気持ちで臨んでます。

ソーヤングブースは柱!4面で表情が変わる演出ができます。
裏側。メインの写真はミカ製版さん依頼しました。

僕の写真はメインに妻となるたぬきちゃんの写真をミカ製版さんでA2サイズにプリントして、シャドウギャップフレームに入れたものにしました。写真自体はGRⅢで撮ったもの。妻と付き合う直前の、とてもよく撮れた写真です(端的に言って、めちゃくちゃ盛れた)この写真が撮れたら、妻と付き合うことにしたと言っても過言ではなく、それだけの自信作でした。

モノクロのプリントにしたいと思ったのは、「家に飾りたいから」。印画紙は一昔前に流行ったピクトラン社の「局紙」というものを選択しています。ハイライトよりもシャドウ部にキラキラした光沢が載る特殊な和紙の一種です。バライタ系の良さとセミグロス系の良さを併せ持った紙だと持っています。解像度も高く、とてもお気に入り。ローラーから滑りやすく失敗プリントも多くなるので、今回は時短の意味でもプロであるミカ製版さんに依頼。めっちゃ綺麗に、そして理想通りのプリントをしてもらえて、大正解でした!

※ミカ製版はこちら。

この写真を中心に、6点のモノクロの写真をダイソーで買ってきた額に入れて、おまけとして追加して飾りました。このおまけがあることで、ブックに手を取ってもらいやすい流れを作る。ブックの内容は公開しませんが、妻になっていく女性との生活の中で(たった半年だけど)積み欠かせた文字通りのプライベートをカラーで。生活感のある写真を展示に出すことは僕は初めてですし、肌色の強い写真を出すことも初めてです。もちろん人に見せるのも。裏テーマに「意外性を提示する」と言うのが自分にありましたが、僕のテーマは「写真機のあるべき姿」なんです。

写真機、つまりはカメラの歴史はまだ150年ほどですが、元々は肖像画よりも綿密な情報の記録媒体として生まれたものです。つまり、カメラそのものは「人物の情報を記録をすること」がその存在意義の一つなのです。そこに回帰してみて、今回の展示の骨組みにしていきました。(展示見た人にもここまで考えているってことが伝わってないかもだけども)僕として今後のカメラ、写真のあり方に対しても思いがあって、ステートメントにもそのことは書いています。

余談が過ぎますが、撮影はGRⅢだったのだけども換算28mmの良さとコンデジなので気軽に寄りを取れる特性で、この日以来、彼女(を撮る)専用機になりました。


■漫画脳展拡大号のステートメント。


漫画脳展拡大号ステートメント。入り口に貼ってあったの気がつきました?


このステートメント書くのにマジで丸々24時間かかってます。

漫画脳展の創刊号については、
①作家の心の内を魅せる
②お客様へわかりやすいテーマ性の提示
③見せ方にこだわる
の3点がテーマでした

漫画脳展年末拡大号に関しては、
①パーティーチューンであること 
②作家が自身の心理をより深い視点で考察して見せていく 
③展示空間をうまく使った展示を制作すること
の3点がテーマです。

クリスマスだし、年末だし、みんなでワイキャイしようぜ!ってことで、もっと砕けたステートメントにするつもりだったのですが、描き始めたらとても真面目なものになってしまいました。

あとがきに書いたのですが、自分としての漫画脳展の大きなテーマの一つに、「印刷してこそ、写真である」があります。近年のスマホとSNSの発展によって、時代は写真からもはや動画へと移り変わっています。その中で、僕ら写真クラスタが生き残っていくためにはどうしたらいいのか?動画にはできなくて、写真にしかできないことはなにか?と言うことを考えていく、そのきっかけに漫画脳展が慣れたらと考えていました。

漫画脳天拡大号あとがき。めちゃくちゃに真面目になってしまった。

写真にしかできないこと、「印刷」。動画は印刷することができない。当たり前のことですが、動画は発光物で、写真は反射物です。

反射光と透過光と言い換えてもいいですが、
透過光で情報を得ると感情的になったりくつろぎの脳波が、
反射光で情報を得ると分析的、批評的な脳波が出る。
それが近年の研究でもわかってきている
のだそうです。

僕はこの理論を割と信頼していて、写真をより客観的に見るためには印刷することが必要だと思っています。さらに言うと、ほとんどの人がスマートフォンで写真をみる行為をしていますが、スマートフォンのディスプレイは各社で発色も光量も色温度も違います。だから、人によっては違う写真に見えているはずなのです。

反して印刷物は誰でも同じ条件下でフラットに写真をみることができます。ここに写真を印刷することの意義を一つ感じています。

これに関してはRICOHさんのコラムを参照↓


ひとえに印刷する、と言っても、印刷はその言葉のとおり、「印画紙」に影響されます。印画紙の持ってる特性によって、その写真の印象が全く変わります。出展者には、空間をうまく使ってほしい旨を伝えつつも、印画紙にもこだわるように伝えてきました。

先に書いた通り、僕のメインの写真は写真に合わせて印画紙にこだわっています。それは、僕が印刷レクチャーした皆さんも含めて、他の方々も同様です。空間だけこだわってもダメ出し、印刷だけこだわっても、面白くない。全てがバランスよく作れるようにしていく。それを全員にやってもらう。その意思を統一すること、ここに写真展プロデューサーであるケンタソーヤングの手腕の見せ所だと思っています。


■まとまる個性的な出展者たち

かなり和気藹々とした雰囲気でした!

来場された方々には体験してもらえたと思いますが、漫画脳展の出展者は多種多様で、本当にバラティに富んでいますと思います。オーディションをやったこともそうですが、裏テーマの一つに、「細分化するコミュニティの中で、それぞれの垣根を越えたメンバーを集める」というのはありました。ここは運営にスーパーフランクな佐野小波がいたこともあり、モデルちゃんたちも、参加しやすかったと思います(笑)

さっきから裏テーマ裏テーマと言ってますが、漫画脳展拡大号には本当にたくさんの思いを込めました。
一番、僕の中で、思いを込めたのが、昨今の写真展示事情について、です。

ステートメントにも描きましたが、全ての写真展において、主催者の努力と工夫によって、写真展に参加する、足を運ぶことが文化として広がっていると思っています。その全ての皆さんが、写真について深めたいと思っている人たちです。出展者にも、来場されたお客様にも、漫画脳展、いや、僕の主催する全ての写真展に一瞬でも興味を向けた全ての人に「何かいい影響を残したい」。これはもう十年以上思っていることです。

そこで、ソーヤングのブースのセリフ。



漫画はヴィンランド・サガの主人公、トルフィンのセリフです。
暴力を使いながら世界を救おうとする王様に対して、非暴力を訴え武器も持たずに対峙する話の中で、主人公も王様も双方同じ方向を向いていることに気付く。そんな話ですが、これって写真展でも同じだった思ったんですね。

「僕の写真を見てほしい」も、
「写真を学びたい」も、
「写真を楽しみたい」も、
「写真の面白さを伝えていきたい」も、
実は全て同じこと。

なのに、なぜ「あの展示はクソだ」「あっちの展示はすごかったのに」とか、比べたり陰口を言っている人たちを見受けるのか?
比べることは、かまわない。
それがモチベーションにつながればいいけど、
写真展の実質は勝ち負けじゃない。
みんなが思ってることは「写真業界を盛り上げたい」ということなのではないか?

やり方が違うだけで、見ている方向は一緒。僕らは敵同士ではない。少なくても、僕には敵はいない。

僕の写真人生を物語っているセリフだったので、今展示はこのセリフにしました。僕の写真のキャプションというより、漫画脳展拡大号のキャプションだったのです(わかりにくっ!)


東北展のDMも漫画脳展受付で配り切りました!

とにかく僕が言いたいのは、漫画脳展拡大号は、写真業界を盛り上げたいと思いを含んでいるということです。だから、僕は同時期に渋谷にやっていた「カメコ展」にも参加していましたし「東北展」にも全面的に協力していたわけです。(漫画脳展出展者には搬入とか迷惑掛けて、ごめんね)


年末拡大号のステートメントの開示にあたって、出展者には、あるお願いを一つしていました。


「自分のブースだけじゃなくて、在廊できない人のブースをお客様に紹介してほしい」
この考えに、出展者は賛同してくれていました。
年末に展示ですもの、全員が全員フルで在廊できるわけではありません。

「協力してみんなでいい雰囲気を作って、お客様をお迎えすること」
複数人で開催する合同写真展の良さはそこにあります。

僕の写真展は「〇〇賞」を決めたり、人気投票なんかはぜっっっっったいにやりません。
合同展の出展者はライバル同士ではなく、「仲間同士」なのです。協力しあって良い展示にするべきなのに、なぜ競争にするのか?
全員が本気で写真展に臨んているはずなのに、なぜ人ぞれぞれの「本気度」に順位をつけるのか?
スポンサーがいるからなのかな・・・って思ったりしますが、僕は商売で写真展をやっていませんし、出展料もほとんど利益を出さず、運営費に使い切ることがほとんどです。

漫画脳展の在廊は正直辛いです。拡大号は23時まで毎日やってました。23時まで???アホかって自分でも思います。でも、だから、こそ、出展者同士が連携するのだと信じたい(笑)

■ウルトラスーパーな運営。


最強すぎる4人。ここにスーパーデザイナーのブンちゃんを加えて、漫画で言うと黒子のバスケの奇跡の世代(年齢違うけど)


漫画脳展は四人で動かしています。私、ケンタソーヤングをリーダー・ケツ拭き係に据えてもらい、事務作業の大半をみぞみぞに、事務サポートと金銭関係をモーリーに、広報と相談役に佐野小波を置いています。無論全員漫画で育った人たちです。僕がこのメンツを選んだのには理由があって、ひとえに「後任を育てていきたい」というのがあります。(僕のできないところをやってもらっているのが本音でもあるけど)

主催の子たちは僕とは10歳ぐらい歳が離れているんですが、めちゃくちゃ仲良しで。何度も飲みに行ったりして、関係もとてもあったかいもの。僕としては、近くで僕のやり方を見てもらって、それぞれを育てたいと思っていて。育てるも何も、全員元々すごい才能と才覚のある子たちなので、僕が逆に学ばせてもらってたところもあります。めっちゃ感謝してます。

打ち合わせは池の上のジョジョ居酒屋「晴」さんが多かったね。

この四人にスーパーデザイナー・ブンちゃんを加えて、最強の布陣でした。このメンツはここで解散ではなく、またこれからも展示を一緒に作っていきたいと思っていて。次回漫画脳展は2024年にやります。必ず。その時だけではなく、まだまだいろんなことを企画していけると思っています。これからもよろしくね!


■展示プロデューサーとしての個人的な反省


今展示の関しては、それぞれの出展者にこの展示に参加してどう思ったのか、NOTEやブログにまとめてもらいました。

・各出展者のURL漫画脳展に参加した感想を、(拡大号に限り)各出展者に書いてもらったNOTEをここで紹介しておきます。


それぞれ、お暇な時に読んでもらえたら、僕も嬉しいです。

それぞれを読んでもらってわかると思いますが、この展示の参加して、自分の写真人生にそれぞれでいい影響を残してくれていたみたいで、主催者としてはこんなに冥利に切ることはありません!って感じでマジで感涙で干からびそうですわヒャッホーイ

本当にいい展示になったのだなあと、しみじみ思っています。


クリパの様子。おっさん同時でめっちゃ楽しそうw

・反省としては2つ。


展示期間がクリスマスにモロ被りにしてしまったので、新婚のみぞみぞの家庭に多大な影響を残してしまった・・来場が思ったより少なかったこと、です。
SNSでの評判はかなり上々で、来場された皆様の感想には僕も感激を覚えるもので、本当にありがたく思ってました。
評判に反して、意外と来場者が伸びない??やはり日程が難しかったのかもしれない、なんて思いました。

クリスマスは家庭を持っている人や仕事の人も多忙すぎるし、この前の週に大型の写真展もあって、日程はもしかしたら1週間前倒しにしていた方が、来場の伸びにはつながったのかもしれない。せっかく評判が良かったのだから、来場がもっと伸びて欲しかったなーって搬出時の車の中で出展者と話していました。今後の参考にします!

コンシールに知名度が写真界隈には低いのかも??
渋谷には超有名なギャラリールデコという場所があって、そこに比べたらちょっと足を運びにくかったのかもしれません。廃ビルみたいなところになるし、バリアフリーでもないし。でも、僕はコンシールの自由さが大好きなので、今後もコンシールを拠点にして活動していきたいと思っています。


■今後のこと


最高のメンツに恵まれました!


ここまで読んでるあなたは本当に偉い!!!
今後も、写真展とはどうあれば良いのか??と考察しつつ、参加したもみんなも、来場されたお客様にも、良い影響を残せるような写真展をやっていきたいと思います。
ぜひ!僕から写真展について、学びたい人がいたら、僕が、僕らがこれから主催する展示に参加して見てください。少なくとも、出展する方にとって、写真人生が良い方向に向いてくれるように、僕も努力します!!!!

本当みんな!ここまで読んでくれて、ありがとう!!!!!!!!
お疲れ様でした〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!


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