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上手くいかないことの方が多い、人材紹介事業への向き合い方

私は「スタートアップ×人材紹介」の仕事に従事しており、早いもので10年以上が経ちました。今も変わらずやり甲斐を感じており、一生この仕事を続けていきたいと考えています。

何年経っても、人材紹介事業は「上手くいかないことが日々繰り返される仕事」だと感じており、これは避けられないと確信しています。
一度も失敗をしたことがないエージェントの方などいるでしょうか。絶対にいません。エージェントとして活躍している人々は、才能だけではなく、失敗と対峙する力があるのだと思います。それであれば向き合っていくしかないのですが、とはいえ効果的に成果も残していきたい。その上で現段階での自分なり考え(対峙の仕方)をまとめました。

結論としては、トップの画像にもあるように「理想と現実のギャップ」をしっかりと把握・言語化し、最適な改善を繰り返す。というものなのですが、細かく言い出したらキリがないので今回はその前提となる考え方をまとめました。


安易に「量」へ逃げない

人材紹介事業では、どんなに優秀なエージェントでも必ず候補者の方がお見送りになるケースを経験しています。月毎に売上の変動もありますし、月の成約件数が0件だったということもあります。成約が0件だったということは(当月内においては)成約に繋がる面接は無かったに等しい、ということになります。
勿論こういった状況は無いに越したことはないですが、日常的に起こり得るものではあります。(苦しいですよね)

ただしその成約0件の月に、何もしていなかったのかというとそうではなく、アクションは沢山していたけれどスムーズな進捗に繋がらなかった、最後の最後で内定が出なかった or 内定は出ていたけれど承諾はいただけなかった、という話が殆どです。
ここで大事なのは、この事業はそもそも私たちの力だけではどうにもならない要因(以下、A)が無数にあるが、その中でも自分の力で可変な要素(以下、B)を見極めるスタンスでいることです。

では上記の上手くいかなかったエピソードの中の(A)(B)を全てクリアにして次に臨めているのか?きっと曖昧な部分も少なくないのではないでしょうか。そして大事なのは「とにかく自責で考える」ということです。どれだけ自責で考え抜いても限界があったな、というものが(A)と判断できます。この点がこの事業の面白味をを感じる部分であると思いますし、効果的に改善していく工夫ができる部分であるのかなと思っています。
それをやり切らずに、安易に行動量を増やしたりするのは改善を敬遠する(再現性を生み出さない)だけになってしまうので注意が必要です。

前提となるメンタルは仕組みで整える

とはいえ、失敗続きは非常に辛く苦しい、私もそのような経験ばかりなのでこの状況は理解ができます。
そうなると誰しも「焦り」が生じます。焦ると表情や行動が本質的な支援スタイルから離れてしまうケースも往々にしてあるため、感情のコントロールが大事です。個人的にはこの事業は「なんだかんだテンションが大事」と考えているタイプなので、やはり焦らずドシッと構えたいところです。

結果が出るまで当然時間もかかるので、そこをグッと堪えられる大事なの要素の一つが「折れない心、メンタル」です。
そしてメンタルは強化ではなく、スキルと仕組みでカバーだと考えています。

(例えば、こちらの動画。4:55辺りでメンタルの話が出てきますが、非常に共感できます。)

健全な精神は健全な肉体に宿るのは間違いないので、まずは身体を良い状態に保つための運動・食事・睡眠は意識してハードを良好に保ってください。
同じ失敗でも経験数が少なかったりすると、失敗をしてしまったという事実だけに捉われがちですが、その失敗に対して何がいけなかったのか、何が必要だったのかなど、どのように失敗に向き合うかということが重要です。

周りも色々とアドバイスをくれることでしょう。その時の意見は人によって違うのです。そして結構ざっくりしてます。(これも人材紹介あるあるです笑)
有り難いのではあるのですがだからといって、上手くいってない時に「こうした方が良いのではないか」「あれはどうなってる?」とできていない事に注目したものを全て取り入れ、何もかも新しく変えようとするのは本末転倒です。
やはり、【しっかりと正しくやれていること・やり続けていること=やるべきこと】に目を向けることが最適です。この本質的な行動を継続していくことがメンタル的に安定して取り組むことができるスキルと仕組みです。
とにかく(B)の解像度を高め、改善のアクションに落とし込むです。

アクションの複利を意識する

では、若干抽象度の高い「やるべきこと」の効果は何を指標にしたら意味を成していると判断をしたら良いのでしょうか。
それはやはり獲得内定数ですが、最初はもっと手前の面接進捗率に注目すると楽しく改善に取り組めます。

ここでちょっとした例えになるのですが、私は人材紹介の進捗プロセスというものを「横枠が無く何となくしか見えない上にあるゴールラインへ、ブロックを縦に積んでいくような感覚」で考えており、失敗が続くとどうしても縦にではなく、手法をあの手この手で変えるというような横にブロックを積んでしまいがちなのをよく見かけます。
横枠にブロックを積むことに集中してしまうとゴールに至るまでは膨大な時間がかかり、1ヵ月があっという間に過ぎ去ってしまいます。そのため、焦らず落ち着いて自分が正しいアクションが出来ていることを認識し、しっかりと縦(正しく求められている方向)にブロックを積むという視点は常にもっていなければいけないのかなと思います。

人材紹介の「成功」と「失敗」のイメージ図
こんなイメージ

ではその【やるべきこと】【縦にブロックを積むこと】とは何か?(これは、Bを突き詰めた具体的なアクションを指します)
私は、『企業と候補者の最適な「場づくり」に繋げる打ち手』だと考えています。それを生み出すには、紹介可能な企業の数や理解、候補者の理解、双方の課題の把握、マッチング等々、案件毎にパターンが異なってきます。類似のケースは多く存在しますが、全く一緒のケースはあまり存在しません。
そして、ここを細かくやり込み理解をすることが醍醐味でもあります!(※細かい話はまた別の機会にてnoteにまとめます!)
そして理解の正しい打ち手は、次のアクションを更に効果的に作用させ、場の活性化に繋がります。私はこれを勝手に「アクションの複利」と呼んでいます笑 この複利が効いている時の感覚は仲介役としては喜ばしい瞬間です。

フィードバックに向き合う重要性

ただし、何が正しくて何が間違っているのかという判断は初期はやはりとても難しいと思います。
ただやみくもに行動するというループに陥ってしまうと危険なので、常にその本質に対して試行錯誤、トライアンドエラーを続けることが必要です。そしてその答えは自身の感覚ではなく、場の当事者である企業と候補者が持ち合わせています。とにかくしっかりとフィードバックを回収し、改善のアクションへ繋げていくこと。これがまた難しく日々研鑽なのですが成長を早めてくれる大きな要素です。
少し話は逸れてしまいますが、採用が強い企業と転職が上手くいく候補者はとにかくフィードバックがクリア且つ詳細です。やはりここにも共通項があります。

そして、これはもちろん1人だけではできないので、チームや組織でコミュニケーションをとり、進めていくことが大切です。S hireでいうと組織として、全面接のフィードバックや、失敗や成功の情報をストックすることに重きをおいており、他のメンバーの情報も自分の行動に活かせるように日々のやりとりも大切にしております。
この事業は基本的には、正しい行動の継続/積み重ねがこの事業の実績づくりの基本であるため、飛び道具はありません。その正しい行動を生み出すことが、組織としての役割であり、日々の改善とコミュニケーションで醸成をしていくことは常に念頭に置いておく必要があります。その繰り返しが、改善スピードを向上させ事業の再現性を高めます。チームとして最適な支援体制を構築していく感覚です。
目の前の課題に対し、何をするべきなのか。「場づくり」の精度・練度を高めるためにも、他者の思考や経験に触れ学ぶ機会は重要です。S hireではそれを互いに提供しあい、組織で最高の採用/転職体験を生み出します。

そして、こういった一つ一つの改善の積み重ねが「模範となるエージェント組織」への一歩になることだと信じていますし、今後もしっかりと続けていきたいです。

最後に

今後もこの様な議論や組織づくりを、新たなメンバーの方と一緒に進めていきたいと考えております!🙌🏻
弊社に少しでもご興味がある方は、私との雑談からでも全く問題ありません!勿論、中長期的なお話でも大歓迎です!

是非是非エントリー or ご連絡をいただければ幸いです🙏🏻



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