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I hope you don't mind〜ロケットマンを観て

町山さんが解説するエルトン・ジョンの歌詞の世界

4ヶ月ほど前にいつも聴いているアトロクに映画評論家の町山さんが出演した回でエルトン・ジョンの歌詞特集をやっていた。もちろんロケットマンの公開に向けて。

正直どんな人かもすっごい薄い知識しかなかったけど、エルトンの苦悩、そして天才である作詞家であり相方バーニーとの距離感について知り、マイノリティだからこその苦悩や苦悩から絞り出る曲について興味をもった。

※詳しくは以下のリンクからその時の内容を聴いてください。各曲における背景や意味がわかると思います。


相棒バーニーとの映画でもある

そのラジオを聴いてからムビチケを買って、公開から少したった9月に鑑賞。去年大ヒットしたボヘミアン・ラプソディーと同じ監督(デクスター・フレッチャー)ということもあり、同じミュージシャンの自伝映画ということで比べてしまう気持ちもあったけどまるで違う映画のように感じた。(僕はロケットマンのほうが好き)

ボヘミアン・ラプソディーは曲の誕生とフレディの感情の変化をミックスしながら観客が体験する映画であったが、ロケットマンはまさにミュージカルであり場面場面での背景はあまり語られないが音楽と目で見る映画ならではの演出(主にエルトンの心の描写)でのミュージカルであり、背景に興味を持ちたくなるような映画であった。

特にやっぱり何度聴いてもメロディーがとても心地いい「Your song」について僕は興味を持った。冒頭はエルトンの幼年期の回想からスタートするのだが、両親からの愛があまりなく育ったことが描かれている。加えてその時代の生まれ故郷イギリスでは同性愛はタブーであり、彼は同性愛者だった。

後に相棒となる作詞家のバーニーから朝渡された歌詞を見て、即座にピアノの前に座り作曲するエルトン。「Your song」の誕生シーンだけど、バーニーと気持ちを通わせながら自分の気持ちを歌詞にして出すことのできないエルトンがバーニーの歌詞を通して曲にしていくシーンは記憶に残るシーンだった。

歌詞を読むと手紙を読んでいるようでとても切ないし、いろんな意味にも取れる。このシーンに限って言うと、バーニーがエルトンにできるできる限りのプレゼントとも取れる。

心のつながりがもたらす科学反応というかとても素敵で人間らしいシーンだなと思った。

このシーン以後もエルトンのジェットコースターのようなキャリアと離れるバーニーという展開になるのだが、その時の気持ちや背景が曲とその歌詞に乗せて心に響いてくる。

幼少のころからキャリアの半ばまで愛されたかったエルトンの心の動きが反映された映画であってなんだかとても何故か共感してしまった。

曲と歌詞が彩っているこの映画はエルトン・ジョンだけの物語でなくて、エルトン・ジョンの人生から生涯の相方であるバーニー・トーピンの物語でもあった。

映画のサントラの2曲目のI want Loveは冒頭の幼少期場面に登場している曲だが、後々すごいこの歌詞が響いてくる。

もちろんこの映画に出演するタロン・エガートンの歌唱力もものすごい。プロなんじゃないかと思うし演技もできて歌もできるなんてずるい。もちろんキングスマンでのアクションも拝見済みだから、なんでもできるのではと思ってしまう。

とにかく曲とその映像が素晴らしく鑑賞し終わったあとは余韻が残るような気持ちのいい映画だった。

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