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失望のどん底から救われた話。

自分という人間はこんな事も出来ないのか、、仕事を辞めて自分に対して失望しきっていた25歳くらいの頃。

ちょうど世間ではシングルオリジンのスペシャルティーコーヒーが話題になり始めてBRUTUSなどの雑誌で【サードウェーブ系コーヒーショップ特集】なるものが組まれていた。
そこに載っていた気になるコーヒーショップを駆け足で巡って、なんとなくフィーリングで気に入ったお店に速達で履歴書を送った。

「コーヒーのある風景に戻りたい」
当時勤めていた会社を退職した直後の自分の中の闇にある少しの光がまたコーヒーショップで働く事で、そこで出逢った2人の先輩にまさに、漂流した筏から助けてもらったような感じだった。
1人は職人気質でお客様商売とはなんたるか、を徹底的に教えて下さった元和菓子職人の梶原さん。
もう1人は未熟な自分に沢山のチャンスを与えてくれて、信じて任せてくれた上司の新貝さん。この2人が居なかったら今も路頭に迷っていたかもしれない、、と本当に思います。

【美味しいコーヒーを出しているだけではお店は続けられない】

「中村君はオペレーションはすごい良いんだけどお客様と喋れないからな〜」
そんな風に会話についてダメ出しをされたり、
「将来的にどういうビジョンを持ってるの?目標に対して逆算して考えないといけないよ」

時にはそういう厳しい目線でアドバイスを頂いたお陰で、自分のぼんやりとしていた将来設計を本気で取り組まないと、と考えるきっかけを与えて下さったのが梶原さんだ。
梶原さんとお店の営業をこなした後に、その的確な指摘に少し落ち込んで将来の事をぼんやりと考えながら明治通りを原宿から渋谷までトボトボと歩いて帰ったのを今も覚えている。

お客様とお店のスタッフ、という垣根を越えて人として信頼関係を作る。お客様が支払っている対価以上のモノを出し続ける

そんな事を背中で見せ続けてくれた大先輩が明日は最終出勤だそう。
きっと沢山の方がお店に足を運ぶに違いない。
もちろん寂しさを感じるけれど、退職しようと思うという話を聞いて僕はきっと誰よりもワクワクした。

明日の営業が終わった時にはきっと静岡に来たらここに行け、と誰もが口にするようなお店になるだろうなと多くの方が確信しているに違いない。

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