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BUMP OF CHICKENの話

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BUMP OF CHICKENのリスナーとして感じたことや考えたこと。
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【ライブレポ】「BUMP OF CHICKEN TOUR ホームシック衛星2024」初日2.11@Kアリーナ横浜

※5000字超あります。ネタバレを含みますのでご注意下さい。 2024年2月11日、「BUMP OF CHICKEN TOUR ホームシック衛星2024」初日。横浜Kアリーナで開催された結成28周年記念日となるライブは、2008年「ホームシック衛星」のリバイバル公演。 まさしく時を超えて開催されたorbital period(公転周期)であり、ホームシック衛星であり、星の鳥だった。 総評今回の印象を一言でいうならば、とにかく演奏が素晴らしく見事だった。 4ピースのバンドが

”be there”の全容が明かされたBUMP OF CHICKENツアーファイナルとオリジナルアプリのリリース

「明日の君の日常に僕は付いていくことができない。でも僕にできないことが、僕の音楽にはできる。君が望んでくれさえすれば。」 バンドのフロントマン、藤原基央氏(以下「藤くん」)は最後のMCでこう言った。 「BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 be there」、2023年2月11日に有明アリーナで始まったツアーは、同年5月28日にさいたまスーパーアリーナで幕を閉じた。 この最終公演は、メンバーと観客が信頼の絆で繋がり、安堵の空気で満たされたライブだった。すべて

BUMP OF CHICKEN「be there」長野2日目(4/2)出がらしになった藤くんレポ

「出がらしです。俺がお茶っ葉だったならば水に入れても色も出ません。」 すべての曲目を終えたあと、両手を広げながら藤くんは満身創痍の姿を披露した。 ここまで出しつくしてふらふらになった姿を見たのは初めてのこと。 2023年2月11日の有明から始まった「BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 be there」ツアーは、4月1日〜2日の2日間のライブで折り返しとなる。 4月2日に参戦した長野ビッグハットでのライブは、演奏がとにかく熱くエネルギッシュで、観客の熱とぶつ

BUMP OF CHICKEN 18祭の収録日変更に伴う運営面の影響を勝手に考える

2023年、BUMP OF CHICKEN「be there」ツアー折り返しとなる4月の長野でのライブ。 「ずっとやりたかった曲をやります」 ボーカルの藤くんがそう言って始まったのは、「BUMP OF CHICKEN 18祭(フェス)」で放映・公開されたばかりの楽曲、「窓の中から」。 18祭はNHKの企画で、アーティストが1000人の18歳世代と一緒にパフォーマンスする一度きりのステージ。2016年からほぼ毎年開催されており、過去にはRADWIMPSやあいみょんなどのアーティ

BUMP OF CHICKENツアー「be there」有明アリーナ初日(2/11)感想&レポ

BUMP OF CHICKENライブツアー「be there」。 バンド結成27周年にあたる2月11日が有明アリーナで開幕。 最高でした。2019年11月の「Aurora Ark」以来で観る単独ライブ。 ライブが素晴らしいのは、遠慮なく感情解放できるところ。 普段抑制されている日常を解き放ち、心のままに身体を揺らし、歌い、叫び、涙を流す。それがどれだけ自分に必要なことだったのかと、その場で体験して初めて気付く。生きているってこういうことかって真に感じられる。 日常でも僕は比

勇気の曲「Aurora」を読み解く【BUMP OF CHICKEN】

ロックバンドBUMP OF CHICKENによる「Aurora」は、勇気の曲だ。 劣等感と孤独感もし、言葉にするのも憚られるようなネガティブな感情をあえて単語として表現するなら、「劣等感」「孤独感」といった形になると思う。孤独感は「寂しさ」と言ってもいい。 ウルトラマンでも、戦隊ものでも、勧善懲悪の世界ではいつでも正義の味方が現れて、ピンチを救ってくれる。でも、救われる主人公を自分に投影することができないし、ヒーローが悪役をやっつけても気分は晴れない。 理由は明白。それは

ロッキン2022 BUMP OF CHICKENレポ~バンプは今日もバンプだった

初の夏フェス参戦、Rock in Japan Fes 2022。 お目当ては8/11夜のBUMP OF CHICKEN。 出演発表後の第3次抽選先行受付で運よくチケットが取れて、さらに運よく前方エリアも当選。ひとつ前のライブ「Silver Jubilee」は抽選がことごとく外れてチケットを取れなかったので、そこで次の運を貯めていたのかも。 この夏、最高の時間を過ごすことができた。2019年の「Aurora Ark」以来、3年ぶりのライブ。バンプはどこまでもバンプだったし、セト

ロッキン2022参加レポ

千葉県の蘇我スポーツ公園で開催された3年ぶりの Rock in Japan Fes. 2022。 感染症の影響で、ステージエリアはマスク必須とされ、歓声やコール&レスポンスも禁止されたものの、「音楽を止めない。フェスを止めない。」という運営、アーティスト、そして参加者の強い意思で開催された。 運営には本当に感謝しかない。 BUMP OF CHICKENレポについては別記事に書きました。 総じてスムーズな運営僕自身は初めての参加なので、例年との比較はできないが、電子チケット

「なないろ」は虹色ではない世界の話

2021年7月号の「MUSICA」と「CUT」に、立て続けにBUMP OF CHICKENの藤原基央氏(以下「藤くん」)のインタビュー記事が掲載された。 これを読んで感じたことと、新曲「なないろ」を聴いて感じたことや自分なりの解釈を書いていきたい。 それぞれがそれぞれでしかないっていう事実藤くんが書く歌詞は、一見何を指していっているのか分からなかったり、理解しづらいことがよくある。それが今回のインタビューを読んで、はっと腑に落ちたのは、 という言葉。前後の文脈もあるので、

チャマ活動再開で見えたバンプの覚悟

2020年9月から9カ月間に渡って活動を休止していたBUMP OF CHICKENの直井由文氏(以下「チャマ」)が、復帰して活動を再開するという。まずは、純粋に活動再開できてよかったね、という気持ち。 不祥事とメンバーの活動休止という難局にありつつも、僕が一貫して感じてきたのは、バンドのフロントマンである藤原基央氏(以下「藤くん」)の覚悟だ。 復帰のタイミングに早いも遅いもない2020年9月18日付の文春オンラインにて、チャマの不倫報道が明るみに出た。これを受けて、メンバ

BUMP OF CHICKEN aurora arkツアー映像化に寄せて

ツアー映像を視聴し、aurora arkツアーはついに1年越しで完結した。 「BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark TOKYO DOME」のDVDがリリース。11月4日からNetflixで配信されるので、あと1日待てばわざわざ買いに行くことなく観られるのに、先行予約して発売予定日前の入荷情報を得て、新宿のタワーレコードまで足を運ぶ。一刻も早く映像を観て、あの感動をもう一度味わいたい。それほど強い衝撃を得たライブだった。 2019年のaur

BUMP OF CHICKEN藤原基央氏インタビューに思うこと

2020年11月号「ROCKIN'ON JAPAN」のBUMP OF CHICKENインタビューを読み終えた。 「『aurora ark』ツアーから最新曲の誕生まで、1年間のすべてを藤原基央が語る」とのサブタイトルで、2019年のツアーから最新の「アカシア」「Gravity」までを、BUMP OF CHICKENのボーカル担当でかつ全楽曲の作詞作曲を手掛ける藤原基央氏(以下「藤くん」)が語り尽くすという、リスナーにとって相当贅沢な内容になっている。 ここしかないタイミングイ