濱口竜介「悪は存在しない」の感想
昨日公開された濱口竜介監督の最新作「悪は存在しない」をル・シネマ渋谷宮下で観た。
さまよい歩く少女・花の視点を石橋英子による印象的なサウンドとともに森を見上げるロングショットでとらえる極めて印象的な冒頭から、父・巧に抱きかかえられた花の暗い視界へと還っていきそう長くはないうちにその命とともにこと切れるラストに至るこの映画には「悪は存在しない」なるタイトルが付与されているのであってみれば、では何であれば存在すると主張されているのか。さしあたっては、それを「構造」と呼んでおこう