規模がパねェ。中国の温泉 @2カ国目世界八十八湯温泉めぐり

世界の温泉をめぐる温泉道の旅。2カ国目は中国。

■中国への行き方

日本からは飛行機で。ちなみに、僕は韓国のインチョン港からフェリーで天津へ渡りました。

■中国国内の移動

中国国内の移動は鉄道が楽しいっす。北京から上海など、主要都市は和諧号という新幹線みたいな高速鉄道が走っていて快適。そのほか上海から西安、西安から成都へは寝台列車でのんびり移動。携帯は鳴り響くは、夜中もゲームの電子音がやかましいわで、やや騒がしい感じもしますが。それも楽しみようかと。荷物がなくなるとか、そういう置き引きみたいなことの危険はほとんど感じませんでした。面白いなとおもったのは列車の中でも自由にお湯がつかえること。中国の人々とって、お茶は超重要。そのお茶を飲むためには、いつでもどこでも熱いお湯がほしい。とにかく、中国では、キレイなトイレを探すのには苦労しても、お湯だけには全く困りませんでした。

ちなみに、年に数回ある国慶節とか、日本で言うGWとか正月みたいな時期は要注意。成都から昆明に移動しようとしたとき、この時期にぶつかり、7日まっても寝台列車のチケットが取れないという自体に。予約が解禁される毎朝8時くらいにすぐに駅に予約をとりにいくも、すでに埋まっているという謎が続きました。結局、硬座(文字通り堅い椅子)で18時間かけて移動、あれはしんどかった。笑

また、もうひとつ中国国内の移動で面白かったのは、成都から九寨溝へのむかったときのこと。成都の宿で車をチャーターして移動してたんですが、途中四川山中の川沿いの道で、がけ崩れ現場に遭遇。

がけ崩れの現場を起点に登りも下りも、それぞれ一キロくらいは車が並んでいました。ドライバーさんが「がけ崩れが片付くまでは動けない」ということで、のんびり側をみながら3時間位まったあとで、急に前の車が動き出してあわてて、みんな車に駆け込みました。ところが、20mくらいすすんだとこでまた止まる。そのまま動かなくなりました。「なんだこれは?」とおもって、ドライバーと一緒にがけ崩れ現場へ。すると、がけ崩れは片付いてるのに、そこに上下の車がワーッと互いに次から次に押し寄せ、それに後ろからもドンドンつっこんできたもんだから、もう、互いに身動き取れなくなってる。「え~、そりゃ、なにやってんの?笑」結局、ふたたび、ダレもが動けない状態になり、それぞれまた何かを待つ。「いや、これ待ってても、どうにもなんないでしょ?」みたいな現場に遭遇しました。結局、僕らは4駆の機動性を活かして川の浅瀬を越えて脱出。さきに進んだんですが、あの現場がその後どうやって解消されたのかがいまだに不明です。

■中国の温泉と入浴施設

さて、中国の温泉といっても、さすがに広大なので、一言では語れません。それでも、あえて僕が中国の温泉をひとことで語るとしたら「歴史がパネぇ」とお伝えします。あとよくもわるくも「清潔感」というのは、国や文化によって違うのねということも体験できるのが面白い。

ざっくり、3つのタイプの温泉についてお伝えしましょう。

①都市部のリラックススペース

大都会、天津の市街地にあった温泉施設(たぶん、地下水を組み上げて沸かしているっぽい)ここは、スーパー銭湯というかサウナみたいな感じ。温泉施設としての魅力は高くないですが、面白いなと感じたのは、大きな浴室のなかで、なぜかダレも浴槽に浸からないこと。風呂には浸からず、浴槽のフチに腰を掛けてタバコを吸いながらテレビをずっとみてる。「こ、これはいったいなんだ?」

あとはこういう家族向けの温泉プールみたいなものも。とにかく、みんな楽しそう。別府でいう杉の井ホテルのアクアビート的なものでしょうか。やや驚いたのは、お父さんお母さんが、プールのすぐ脇の溝で子どもたちに用を足させていたこと。「そ、それはさすがに、ここじゃなくてもいいんじゃない?」

②規模がパネェ温泉

規模がパネェという意味ではここ。西安からバスで30キロくらいのとこにある、華清池。

パネェポイント①747年に周の玄宗皇帝によってつくられた。

パネェポイント②世界三大美女の一人、楊貴妃と玄宗皇帝がいちゃついた。

歴史が深い温泉施設という意味では、後で紹介するトルコのパムッカレの古代遺跡風呂とか、イギリス、バスのローマン風呂とか、そのあたりと引けをとりません。

この時点で、有名な観光地でもあるらしく国内からの観光客もニコンかキャノンで、バシバシ写真とってらっしゃいました。

③内陸火山地帯の極上温泉

中国内陸部にも温泉があり、泉質良いモノが出てきます。たとえば、チベット自治区への起点、康定(カンディン)には、明礬温泉にも引けを取らない<白濁した濃厚なお湯が楽しめます。

ひとつひとつに、面白いヒトや出来事がてんこ盛りなんですが、興味ある方は、まぁ、そのうち、飲みながらでも語りましょう。笑

■湯めぐりのお宿

バックパッカーとして中国国内を旅して回るなら、バックパッカーむけのホステルをおすすめします。僕が各地で利用していた宿はたいていユースホステルに加盟もしていました。施設もキレイだし、スタッフは英語つかえるし、いろんな国の人とも会えるし、治安や価格面もふくめて、中国国内では宿にこまることはなかったですね。蘇州の古民家をリノベーションした宿とか、成都のシムズとあ、むしろ、また泊まりに行きたい宿がたくさんあります!

■湯めぐり、この一皿!

食事はいわずもがな中華です。美味しいです。油(量と質が、、、)と、水(硬水だからか?)に多少なれるまではお腹が下りました。が、慣れてしまえば、こちらのもの。美味しいものを挙げればキリがないですが、もう一度食べにいきたい、美味しいものだけをあげるとすれば、天津の屋台でたべたラム肉の串焼きや、上海の焼き小籠包(生煎)、蘇州の水晶麺とか。あぁ、行きたいですね。中国。ちなみに、このあと世界を巡る中で、米のない国々では、都度、中国料理店に救われました。本当、華僑のみなさんありがとう。

■中国ならではの湯巡りの楽しみ方

さて、世界の温泉を楽しむ泉人らしく、中国の湯めぐりの楽しみ方法を考えてみます。う~ん、温泉それぞれも面白いんですが、僕としてはあえて「中国では公園へいこう」をあげたい。とにかく、中国の公園は面白いんです。

朝の公園では太極拳やってるとかは、まぁザラですね。

昼の公園では、二胡の調べとともに、みんなが合掌したり、これもザラですね。おじいちゃん、おばあちゃんが、孫をつれて公園に来てる姿とかもよくみられたのが、印象にのこってます。健康器具とかもいたるところにあるしね。

夕方から夜になると、社交ダンスやら、エアロビやら、チャチャやら、もう公園中、そこら中で、老若男女がつどい、みんなが思い思いに歌い踊ってます。もう、一日いても、本当にあきません。

みんな医療や行政の施設に頼らず、公園で勝手に繫がって、勝手に健康になって、勝手に楽しんでる。提供される娯楽や設備が十分でないことで、逆に中国の人たちは、暇の楽しみ方がすごくうまい!これには、学べることたくさんある気がしてます。^_^

■おなじような体験ができる(はずの)べっぷの温泉

さて、中国の湯めぐりの特徴、規模がパネェは、もちろん、ふるさと、べっぷでも体験できます!広さ、デカさという意味では杉乃井ホテルさんの棚湯などが、あげられますが、ひとつ個人的なおすすめをあげるとしたら、「竹瓦温泉」です。

(写真は、別府市役所HPよりhttps://www.city.beppu.oita.jp/sisetu/shieionsen/detail4.html)

ここは、別府八湯温泉道をはじめた自分にとっては聖地というか、そういう場所でもあります。建物の外観だけでも、十分に歴史を感じられます。屋内の木造独特の雰囲気は、ここでしか味わえません。とくに、浴室にはぜひはいってもらいたい。別府は扇状地形でして、坂がつづくマチ。山側や坂の途中はお湯が自然と湧き出たりもしますが、海沿いの平坦な場所だと、お湯は地下に潜っているので、土をほって湯脈をみつけます。なので、別府の海沿いの公共温泉では、大抵の場合、脱衣所がある地上階よりも浴室が一段低い。とくに竹瓦温泉はこの高低差がおおきく、浴槽から見上げる天井が驚くほど高いんです。これはもう、玄宗皇帝と楊貴妃がはいっていたお風呂に勝るとも劣らない空間設計(なはず)ぜひ、体験してみてください!ちなみに、竹瓦温泉の風呂上がりには、向かいのTAKEYAさんで生ビールとカレーパンをいただき、塔子さんにマッサージをしていただく、というのがツウな楽しみ方です。

■まとめに

中国の湯めぐりは、文化や価値観の違いにむきあいながら、自分の「温泉観」を変えてくれる意義深いものでした。別府でも中国からきてくれてる人がたくさんいると思います。彼らとの違いを、ぜひ、僕らの世界を広げるチャンスにかえていけると楽しいだろうなと思います。

■中国、たとえば華清池温泉のデータ

・日本からのアクセス、(例)上海から西安へ鉄道で一泊、その後西安から現地のローカルバスで移動。たしか2時間位でつきます。ま、日本からなら西安に直接飛んだほうが早いのかも。笑
・湯ノ質、良
・設備、普通、個室で毎回、お湯は張り替えるカタチなので清潔。
・人情、普通
・料金、そもそも入場料がかかる。そのうえで、浴室のクラスによって値段違う。高いもので一回880元(1万5千円)、僕は個室たしか200元くらい(3000円)だったと思います。なんか値段はガンガン変わるみたいなんで、最新情報は調べていくといいと思う。笑

・営業時間、あんまり当てになんないのですが、観光地なので、それに合わせた日中の適切な時間で運営されてます。笑

■竹瓦温泉のデータ
・別府駅からの行き方、駅前を海に向かい、商店街を抜ける。徒歩10分。
・水質 良、毎日入りたいお湯。熱湯(あつゆ)好きにはたまりません。
・設備 良、シャワーとかありません。がこれこそ別府の湯。
・人情 極上、おっちゃんタチがとにかく気さくです。なお、たまにお湯の温度戦争がおこることも。これも楽しみましょう。

・料金 入湯料:100円 もう鼻血が出そうなくらいですが、この質で、この値段で、驚きっすよね。砂湯:1030円、ここ、屋内に砂湯の施設があるんです。「え?砂湯?どゆこと?」と思ったアナタ、行けばわかりますよ。笑
・営業時間 普通浴6:30~22:30 砂湯8:00~22:30(最終受付21:30) 


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