人情 de ほっこり@韓国  世界八十八湯温泉めぐり

世界の温泉をめぐる温泉道の旅。一カ国目は韓国でした。

■韓国への行き方

日本からはソウルに飛行機で飛ぶとか、福岡からのフェリーをつかうと便利だと思います。ちなみに、僕はあえて鳥取の境港から韓国のトンヘ(東海)にフェリーで渡りました。なぜか?その方がバックパッカーっぽくって、カッコいいかなと思ったからです。このフェリー、ロシアのウラジオストクとトンヘと境港を結ぶというマニアックなものです。韓国のおばちゃんたちとともに船にゆられて一泊。日本海をわたるのも、なかなかに乙かと。笑http://www.pref.tottori.lg.jp/116802.htm

■韓国国内の移動

韓国国内の移動は鉄道とバスが充実していますので、ご安心を。自分は高速バスを乗り継いで移動しました。ただし、地方のバスターミナルなどでは時刻や行き先の表記がハングルばかりといったことも。くわえて、日本と同様に、窓口のオバちゃんたちには、英語が通じない。慣れてないとプチパニックっす。なので、韓国語の指差し会話帳とかはもっておくといいかもね。

ちなみに、こちらは移動中バス車窓からみた景色。ふるさと九州の田舎と似てるなと。やはりお隣さんなんだなと思いました。ただ一点、日本の風景と違ったはロードサイドの看板たち。赤や黄色といった強烈な原色のなかにはっきりと書かれたハングルがやたら目に入ります。

■韓国の温泉と入浴施設

まず、僕が韓国の温泉をひとことで語るとしたら「清潔で、湯の質が高い」とお伝えします。「体をキレイにして、整える場所」という役割がはっきりしているなと感じました。

温泉地の町中でよくみかける施設の外観やつくり自体は、別府のしなびた公共浴場とはちがい、いわゆる、スーパー銭湯みたいな感じ。

ビルの1Fに浴場があることも珍しくないです。中に入ってみると、脱衣所が広々としている。

驚かされるのは、その脱衣所に、大抵の場合、散髪屋が併設してたこと。場所によっては、靴磨きどころがある施設もあります。さらに、浴室内には韓国名物のアカスリのおっちゃんも待機。そういう意味で「心身を徹底的にキレイにする」場所としては、もうフルセットが揃ってます。

さらに、もひとつ驚いたのが、湯にカルキとか混ぜものをあんまりしてないこと。日本ではスーパー銭湯とか、ホテルのお風呂だと、どうしても衛生上の問題から、カルキ消毒しとかないといけない。法律が違ったりもするんだろうけれど、あの、浴室内のカルキ臭がない。これは温泉好きにはポイント高いっすよね。僕としては、そんなところから「あぁ、韓国の人たちは心から温泉を愛しちょんのやな~」と感じずにはいられませんでした。

■湯めぐりのお宿

バックパッカーとして地方の温泉地をめぐる場合は、モーテルが便利。モーテルといってもやらしい感じなし。僕がとまった施設は、どこも室内が、おばあちゃんち感があるところが多かったです。嬉しいのは、室内にオンドル(床下に湯の熱を通した暖房)があったこと。冬はいいかも。宿は特段予約などせずとも、駅やバスターミナルについたら、近くの観光案内所で聞いて探せました。

■湯めぐり、この一皿!

食事はいわずもがな美味しいです。僕のおすすめはキンパブ(韓国風のりまき)です。何を食べても、たいてい美味しいので、あとは食べる場所。せっかくだからキレイなレストランもいいけど、上記のような市場屋台とかで、おっちゃんおばちゃんに混じってご飯をいただくと楽しいっす。みんな優しいし。

■韓国ならではの湯巡りの楽しみ方

さて、韓国の湯めぐりで特筆すべきは、ズバリ人情です。もう、世界40カ国の温泉をめぐるなかでも、韓国の方々の人情というか、人懐っこさというかには、脱帽しました。

たとえば、水安保温泉という、ひなびた山間の温泉地にいったときのこと。

高速バスをおりて、とりあえず宿を探しに入った小さな観光案内所で、笑顔が素敵なキムさん(二十歳くらい)の女性に出逢いました。彼女は「ニホンゴチョットダケ」といいながら、親切に宿とか紹介してくれました。その日はそれでお別れ。彼女にすすめられた宿を拠点に2つ温泉に入って一泊。

翌朝、次の街へ移動するため、ふたたびバスターミナルに向かう途中でお昼をたべにいくキムちゃんに偶然再会。すると「いまからお昼一緒にたべましょう」といって、食堂つれてってくれます。

すすめられるがままに食べたのは温麺みたいなもの。素朴で、やさしい味。食事をすませて、会計をすまそうとすると。「ゴチソウサセテクダサイ、セッカク、キテクレタンダカラ」とご馳走してくれた。一緒にいた時間は合計でも30分かそこら。そんんあ「袖触れ合った」旅人にも、気楽にご飯おごってくれるこの子はなんだ?と思って感動しちゃいました。

と思ったら、その後ソウルにいっても、初めてあった僕らにごちそうしてくれる韓国の人々が、次々に出現。下の写真もカウチサーフィン経由で合うことになった英語教師の方と出逢って2時間後、ご馳走になった食事の写真。https://www.couchsurfing.com/

え?こんなに?出逢って間もないし、二度と会うかもわかんない旅人になんで、ここまで?と、最初はとまどっていましたが、会う人会う人、そういうおもてなしをしてくれる。相手へのシンプルな思いやりを、素直に示せる韓国の人たちがすっかり好きになってしまいました。

ということで、韓国の湯めぐりでは、ぜひ、いろんな人に話しかけたりしてみてください。あっという間にチング(友達)になれると思います。笑


■おなじような体験ができる(はずの)べっぷの温泉

さて、韓国の湯めぐりの特徴、ほっこり人情は、もちろん、ふるさと、べっぷでも体験できます!別府駅周辺の公共温泉ならば、あなたの勇気次第で、いろんなオバちゃんおじちゃんと絡めます。が、ひとつおすすめをするとしたら、たとえば「紙屋温泉」とか。

(写真は、イケてる別府WEB「温泉ハイスタンダード極楽地獄別府」さんより http://www.gokuraku-jigoku-beppu.com/entries/kamiya-onsen

大学時代、まだ別府八十八湯温泉道の初心者だった自分は、石鹸などお風呂に入るに十分な装備を身に着けていませんでした。

そんななかで、別府駅から徒歩で路地裏を散策するついでに、ぶらっとお邪魔したのが、この紙屋温泉。

メガネを外し、浴室に入り、とりあえずキョロキョロしながら、かけ湯をしていると、となりのおっちゃんが、「兄ちゃん石鹸つかうか?」といって、声かけてくれました。「あ、ども、ありがとうございます。」と受け取って、身体を洗って、いざ入浴。

で、さっきのおっちゃんをよく見ると、背中には大変、ご立派なスミがはいってるじゃないすか。笑 どんなひとでも、相手が誰であれ、湯船での一期一会をあたたかくもてなす。それが別府の温泉の懐の深さでもあります。

■まとめに

韓国の湯めぐりをへて、いろんな人に親切にされて思ったこと。報道では政治的な対立が煽られていたりもするけれど、湯船で気づいたのは、日本と韓国の人たちほど、温泉を愛している人たちもなかなかいないと思います。お隣さん同士、もっともっと仲良くやれるはず。つーことで、まずはAPUで仲良くなった韓国出身の友達がいれば、一緒の温泉いってみて!^_^


■韓国、水安保温泉のデータ
・日本からのアクセス、(例)鳥取境港からフェリー一泊で、韓国トンヘ(東海)へ、そこから高速バスで3時間位走るとつきます。多分ソウルから行ったほうが早いはず。笑
・湯ノ質、良
・設備、良、便利で清潔。風情があるかといえば別。
・人情、極上
・料金、庶民の入浴施設3000~6000ウォン(300~600円)くらい
・営業時間、朝ははよから、夜は健全な時間まで           

■紙屋温泉のデータ
・別府駅からのアクセス、浜脇方面にむかって歩いて10分位。
・水質 良、良質ながら毎日入るのに適切なシンプルな湯。
・設備 良、毎日ちゃんと掃除されてる感じ
・人情 極上                        

・料金 入湯料:100円 洗髪料:40円(小学生以下無料) 東京に暮らすようになって信じられない破格。
・営業時間 13:00~23:00  定休日なし、意外と夜型です。




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