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今年の桜は撮りにくい

気候の変動が年々大きくなっていて、今年は暖冬だったために早く咲くかと思われた桜は、ご存知の通り今週に入って開花から満開に向けて激変する形で咲き乱れた感がある。
 
そんな状況を記録しようと出かけたが、目的は山下公園の「枝垂れ桜」と「横浜緋桜」。週末は間違いなく観光客でいっぱいになるので、ウィークデイの午前中に訪れてみた。

EOS R5 RF70-200mm F2.8L IS USM
ISO250 f/6.3 1/250s 200mm

山下公園から見た横浜中華街の朝陽門。
東と春を守る門として2003年に完成している。
地下鉄「元町・中華街駅」から続く地下道を出るとまず目に入る門なのでご存知の方も多いと思うが、山下公園から望遠で撮ると圧縮した空間が切り取れて面白い。
 
そして山下公園の入口にはこんなロゴオブジェが設置されている。
これは「ガーデンネックレス横浜2024」の開催に合わせて設置され、マスコットキャラクターと共にフォトポイントとして人気を集めていた。

EOS R5 RF15-35mm F2.8L IS USM
ISO100 f/6.3 1/250s 21mm

とは言えコレは、私にとってはクレジットの様な1枚。
撮影で動く場合、何処へ行ったかわかりやすいカットを必ず1枚は撮るのだが、その時の状況を入れ込む事を考えつつ、絵葉書的に撮るようにしている。
 
1972年に作られ1985年に品種登録されたこの桜は、横浜市在住の園芸家によって作られ特徴的な緋色の花をつける事から「横浜緋桜」と名付けられている。
「ソメイヨシノ」より早く咲くので撮れると思っていたら、予測通り満開でこんな1枚が撮れた。

EOS R5 RF15-35mm F2.8L IS USM
ISO100 f/3.5 1/1000s 21mm

桜を撮る場合は、青空が出ていると色が補色関係になるのでコントラストが出て、綺麗に写る。
だが、今年は綺麗な青空が出ないうちに葉桜になってしまいそうなので、ちょっとだけ晴れ間が出た日に訪れたのだけど、もう一つの目的「枝垂れ桜」は「ソメイヨシノ」より早く咲くのだけど、まだ満開にはなっていなかった。

EOS R5 RF70-200mm F2.8L IS USM
ISO100 f/4 1/1000s 153mm

この桜は撮りにくい。
距離が取りにくいのと撮影者が多い事で、アングルに制限がかかるのと映りこみが避けにくいからだ。
なので、敢えてマクロレンズを使って、花のみを撮ってしまう事もやってみたりする。

EOS R5 EF100mm F2.8L MACRO IS USM
ISO125 f/3.5 1/320s 100mm

EF100mmのLレンズは手持ちでもマクロ撮影ができるレンズとして話題になり、その優秀な性能はRF版にも引き継がれているが、そもそもマクロ撮影をあまりしない自分としてはRFを買い足す予定は無く、EFにアダプターを付けて使っている。
 
マクロレンズの良いところはボケの美しさで、フワッとした画質の中にちゃんとピントがある感じは、他のレンズでは作りにくい。
この1枚は少しコントラストを調整して後ボケを見やすくしているが、撮ったままだともっと淡くなって、着物の柄を見るような感じで撮れていた。
 
同じ場所を広角レンズで狙うとまた面白い1枚になるのだが、後ろに立つ建物が建築中で無粋なバリケードが写ってしまうので、夜桜になるタイミングで撮ってみる。

EOS R5 RF15-35mm F2.8L IS USM
ISO3200 f/3.5 1/4s 19mm

RF15-35mmはIS(スタビライザー)が付いているので、1/4秒というスローシャッターでも手持ちでも安心して撮れる。
とは言え、そもそも私は三脚を使うのが嫌いなので仕事で撮る場合以外は基本手持ちで撮影していて、機材も手持ち撮影に向くものを揃えるのがスタイルになっているので、こういった撮影に慣れているってのも大きいのだろう。
 
EFの広角ズームにはISが付いていなかったが、24〜30メガ程度の画素数であればスローシャッターを切っても、あまり影響が出ないので問題は無かったが、R5になってセンサーが45メガになると、さすがに影響は出てきてしまう。
慣れている人でも手ブレが起きやすいのなら、一般的な撮影者にとってはボディ内ISの装備は必須だったのだろうと邪推する。
そういう意味では、R6MarkⅡは理想的なパッケージングなのだろう。
あれで30メガセンサーが付いてたらR5は買わなかったと思うけど、高画素機の画像に慣れると、戻れそうにない気もするのが悩ましい。

EOS R5 RF15-35mm F2.8L IS USM
ISO3200 f/2.8 1/15s 15mm

同じ日、逆方向から撮ったカット。
同じ場所で三脚を使った人が4名いたが、なかなかベストポジションを空けてくれなくて、仕方無く後ろから手持ちで撮影した。
 
三脚使用で、低感度設定にしてスローシャッターを切るのは高画質な画像を得るのに有効な手段だが、こういったベストポジションを30分間とか占有するのは考え物。
ひょっとしたら動画を撮っていたのかも知れないが、誰もが撮りたい角度は撮ったらすぐ空けるのがマナーだと思う。写真を趣味にして楽しむ人はある意味同好の人なので、仲間意識を持って一緒に楽しんで欲しいと思うのだけど。
 
だから自分は、誰もが狙わない1枚を日常の中で探して切り取るのが好きになったのだと確認する。
それにしても、観光地での撮影は疲れるのだとも感じる1日だった。

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