akaneと2020の秋

・もうあけましたね
新年。
明けている実感が本当にないんですが…あっ明けましておめでとうございます…ケントです…

・Orca-Lucaは昨年12/23に
2020年の秋を閉じ込めたe.p.「akane」をデジタルリリースしました。

そもそも夏のe.p.の製作段階ですでにキッツキツなスケジュール感で進めていたので、「いや秋音源こそはゆったり進行で計画的に進めようね、本当にね…頑張ろうね…」とかあむあむ宣っていたらこのザマです。
リリースが割と冬ど真ん中の、旧天皇誕生日、クリスマスイブイブのタイミングになるという、非常に事件性を帯びた音源となりました。

ま、まあ今回の音源については「2020年のOrca-Lucaの秋をリアルタイムで真空パックした一作」という名目で聴いていただけるといいんじゃあないでしょうか…本当にごめんなさい(陳謝1)
というわけで、改めて今回の新譜「akane」のセルフライナーノーツ的な、作者のお小言みたいな物をツラツラ書いてみようかなと思います。
ぜひ音源聴きながら読んでみてくださいね。

Orca-Luca New e.p「akane」視聴はこちらから

・茜

すっかりおなじみ後藤マサヒロ作曲のインスト楽曲から。
今回のインストは明確な物語がしっかり表現されているらしく、
「好きだった女の子が暫くして他の男と結婚することになり、その結婚式に呼ばれて行ってみたが、やはりどうしても心に込み上げるものが来てしまい、披露宴の喧騒から外に出て、落ち葉を踏み歩きながら煙草を吸い、ふーっと煙を吐き出した時に教会のベルが鳴る」
という一連のシーンが全て音のみで表現されているという傑作です。後藤マサヒロ劇場。

自分が同じ立場に立たされたとしたら、とてもじゃないけど正気でいられる自信ないですね〜。というかまず結婚式に行かないですね〜。
この曲は出来上がりの時点ですでに完成形だったので僕は細かくディレクションしなかったですが、通して聴いてみると絶妙にemoを醸し出してくれている曲だと思います。ごっつんはセンスすごい。

・maple

でました!maple!うちのメンバーみんな大好きな曲。
曲の種みたいなものはすでに昨年の5、6月くらいには存在していて、そこからじっくり時間をかけて形になっていったような曲でした。
いわゆる「シャッフル」と呼ばれるハネたビート感が特徴的で、こういうリズムにギターロック、オルタナ的解釈のギターを合わせるって今までにないんじゃないかな?と試行錯誤しながら作ってました。
個人的にはこの曲は「グルーヴエモ」とジャンル付けしたいと思っている。

歌詞は例によってすっごく悩みました。
もともと「mapleって曲名の曲を作りたい」という発送が軸になってたので、それを踏まえつつこのリズムとメロの動きにハマる表現をする、というのが既に狭き門すぎてひたすらコーヒー飲みながらウガウガ言いながら作詞してた記憶があります。
風に乗った楓の葉のように、あの子はひらひら心変わるんだ。
アルバム中で一番秋の雰囲気を感じさせる曲なのではないかなと

・Distance War

今回のアッパー枠、ギターリフでぶった斬っていくオフェンス系の楽曲です。この曲は早かった〜!思いついてから3日くらいでデモ出来上がりましたね。

この曲を作っている前後でちょうどアメリカのラッパーMachine Gun Kellyの新譜を聴きまくっていて、「あーーポップパンク良いな!やっぱポップパンクだよな!」というマインドに完全に仕上がっていたため、そっち寄りなアレンジメントをしています。ギターも歪んでて音でかいです。最高

ポップパンクと言いつつも、メインのギターフレーズはめっちゃRage Against The Machineリスペクトだし、Aメロで久々にパワーコードじゃかじゃかやってるのもNirvana直系のグランジリスペクトだし、ギーソロのくだりなんてもう皆分かるでしょ!みたいな。結局好きなもの全部乗せしたお子様ランチみたいな最高の曲です。

歌詞については、もう本当にこのご時世だからこそ出てきてくれた言葉を、沢山書くことができました。
“我々の感情は試されている”、ホントその通りだよ。
配信でも、客有りイベントでも、しっかり然るべき対策して、お家でもお外でも健康でいて、あなたと私の、エモーショナルディスタンスを密にしていこう、今はそのための戦争中なんだよ、という曲。

・Headphone Dancer

なんだかんだOrca-Lucaで初めてトライしたのでは?という16ビートの踊れるグルーブな楽曲です。
もう本当に制作の期日がやばい中、追い込まれ追い込まれて必死こいて作りました。
“ミニプラグの向こう きらめき始めた 誰もいないフロアのミラーボール”
これはまさに2020の秋時期の音楽界そのものを象徴しているフレーズだなと思って、めちゃくちゃ気に入っている一節です。

人が、踊ったり歌ったりするのは、楽しいから、上機嫌だからだけが理由じゃないんだよ。
歌わざるを得ない、踊らざるを得ないくらいに感情を消耗している夜は、実際誰にだって起こりうることで、
そんな時にヘッドフォンを被って、大好きな曲を流しながら祈りのように、救いのように踊るでたらめなダンスがあって良いよね。という曲です。

・まほろばtrip

Dr担当マエダミホがメインボーカルを務める楽曲が出来上がりました。出来上がってしまいましたよ(あいつ歌上手いな…)
秋の音源の目玉の1つとしてどうしても前ちゃんにはリードボーカルを取って欲しいと思い、おそらく僕が音楽活動をしていてはじめて、自分以外のメンバーが歌うことを前提に作った楽曲です。
当日はとにかく色気全開でまえちゃんには歌って欲しかったので、
「人生で一番エロい気分で歌ってください」とかディレクションしてました。本当にごめんなさい(陳謝2)
まあでもおかげで普段はピースフルな笑顔の素敵な前ちゃんの意外な一面を見せることができたのではないかなぁと思っています。
録音ブースの中で緊張でぶるぶる震えながらも頑張って歌い上げてくれました、最高のボーカルよ。

ありふれた日常のな中で、これで良かったんだろうかと、どうあがいても考えてしまうような、あなたと一緒にいるこの日常が、ずっと続いていく保証は、果たしてどこにあるのだろうかと気づいてしまうような。そんな曲です。

・あとがき

ここまで長文に長々付き合ってくれてありがとうございます!
今回の秋音源は、春夏の音源と比べて、コロナ禍という今の状況の中じゃないと作れなかった、「リアル」が間違いなく詰まった作品になってると思います。
どうしてそんな作風になってったのかは俺も意識してなかった部分なのでさっぱりわからないですが、少なくとも悪い変化では絶対にないと信じていますし、これが現行のOrca-Lucaで今表現したいことなんだと自信を持って言えます。

Orca-Luca新譜akaneは絶賛サブスク配信やDL販売でデジタルリリース中なのでみんな1日2億回聞いてくれよな!

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