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3caratと2022の残像

はじめに

・あけました
ケントです。よろしく2023

※なんと、1月ももうすぐ終わります
※自分でもビックリするくらい完全に、長い文章の書き方を忘れています

・3caratという新譜が
出ました。

2022年の年始にOrca-Lucaが掲げたいくつかのマニフェストの一つだった、
「メンバーが一曲ずつ曲を作って、それを新譜としてリリースする」という
命題に則り、そこから2022年のほとんど1年間をかけて作られたこの作品。

前年までで「四季に合わせてEPを4枚作るぞ」なんていう無謀をなんとか乗り越えた僕の頭は、完全に乾ききったスポンジのようになり、
何のアウトプットもできない状態となっていました。

そんな最中、ベース後藤マサヒロの正式加入を記念した自主企画「U-bugoe vol.2」が開催される2022年3月よりももっと前、2022年の年始から、
この音源の製作は秘密裏に行われていました。

high life

ここからは、新譜「3carat」の曲たちを完成した順で1曲ずつ
その残像を振り返っていこうと思うのですが
なんと、一番最初に出来上がったのがマエダミホ作の「high life」でした。

今回のコンセプトで作品を作り上げるにあたり、一番重要視したのが
「メンバーそれぞれの“色”をしっかり出す」ことと
「作曲経験0の前ちゃんを徹底的にサポートする」ということでした。
とにかく前ちゃんの製作を最初に時間をかけてやっていこうと決め打ちし、右も左も分からない前ちゃんを俺の音楽製作ノウハウでバッキバキに支えていこうと(個人的に)意気込んで最初のデモ製作を依頼したところ、
恥ずかしがりながらも送ってきてくれたボイスメモがウクレレの弾き語りでした。

見てください、この楽しそうな表情を

曰く、「弾き語りできる楽器がウクレレしかなかった」とのこと。
じゃあしょうがねえわな!となぜか逆に俺の好奇心にブーストがかかり、
彼女のラララで歌われたデモを元にして
どんな歌詞世界にしたいのか、歌いたいテーマは何なのかを
二人でたくさんディスカッションしながら、
前ちゃんの書いてくれた歌詞に、さらに少しずつ言葉を探して、付け替えて作り上げていきました。
この曲はスタンダードに弾き語りのデモから曲の骨子を決め、
アレンジはバンドでメンバーみんなで組む。という流れだったはず。

曲の大筋が完成してから「この曲はドリームポップにしていきたい」という発想が芽生えて、今やオルカの製作には欠かせないダチ公、stargaze shelterのgaze//he's me氏に大量の参考音源を送ってもらい、アレンジとサウンドメイクの外殻を作っていきました。
途中でテンポと曲調がガラッと変わっていくのもとある曲(某国民的ギターロックバンドの某曲)から影響を受けてアイデアを練っていきました。わかる人いたらすごい

前ちゃんのはじめての作曲は、見事に夕暮れ色をした淡い日常の風景を描くメロディになってくれましたとさ。
先生はなまるあげちゃいます。

LOVELESS

次に行われたのが、Orca-Luca随一のジャックナイフ、後藤マサヒロの楽曲制作でした。
後藤くんの中でも、Orca-Lucaの中でやってみたい事がいくつかあって、その中でもとびきりメタルなリフをアイデアの起源として曲作りを進行。

彼はとにかく、自分を取り巻く世界に対して思っている事が(皆の想像してる以上に)沢山あり、そういう溢れそうになる感情をTwitterの下書きに書き溜めていました。
なのでそのTwitterの下書きの中でも特に殺傷能力の高いものを見せてもらい、それを参照しながら俺がリリックを書いていく、というかつてない制作体制が敷かれました。
他人の気持ちを自分の言葉に変えていく工程は本当に新鮮で、何回も「こういうことで合ってる?」というすり合わせをしながら歌詞を書き進めて、
その流れの中でぽろっと出てきた「愛がない」というワードから、LOVELESSという曲名が生まれました。

曲を最後まで聴いてもらえればきっと分かってもらえると思いますが、後藤くんほど愛に溢れた男はいませんよ。

愛に溢れてるんですって…ほんとに…

LOVELESSは歌詞も曲もほとんどスタジオの中で作り上げていった記憶がありますね。
純粋にセッションを何回も重ねて、次の展開どうしようか〜とか
このヴァースのサイズは何小節がいいかな〜とかを頭から順番に作っていきました。
個人的にはすげえいいサビメロが作れたんじゃないかと自負しております。

途中、後藤くんが「ここはブレイクダウンにします」と言い始めたので、
言われた通り大真面目にブレイクダウンのパートも作りました。
(※ブレイクダウンとは:こういうのとかこういうの)
ライブで本当に大真面目にやってるのでぜひ見てみてください。

Orca-Lucaの楽曲の中でおそらく最も攻撃力の高い曲になったんじゃなかろうか。
後藤くんの魂の叫びを、一曲を通してがっつり体感してもらえるはずです。

ダイヤモンドソング

そうです。言い出しっぺが一番時間かかってやがったんです。
俺の曲が、今作一番ギリギリまで時間を使って出来上がりました。
過去、類を見ないレベルの難産でした。
2022年どころか、遡ると2021年くらいから構想を温めていた気がする。

きっかけは、自分が普段言葉を書き溜めるメモ帳に「ダイヤモンドソング」という単語だけが始めに存在してて
すごく気持ちのいい、突き抜ける感覚がある言葉だなと感じ、
どうにかして曲を作りたいけど、これはどういう歌なんだろう?
と空想し始めたところがはじまりでした。

仏像彫刻家が、一つの四角くでかい木材から
精巧な仏像を彫刻して作り出す事を
「お地蔵様を木の中から救い出す感覚」と表現したように
この曲も、しかるべき完成形(ゴール)が多分最初から存在していて、
漠然とした音の靄から、その在るべき形に段々とたどり着いていくような、そんな工程でした。

マインドマップみたいなものも書いてた
ほんとにトライandエラーの繰り返しで歌詞を書いた

ダイヤモンドソング、というタイトルと
イントロの印象的なメロディのギターリフ以外全く何も形にできない状況が多分5ヶ月くらい続いて
その間に他メンバーの曲が出来上がっていって焦り狂い
いろんな諸々の作業と並行しながら、それでも地道に地道に
思考を回転させる事を止めずにいました。

俺にとってのダイヤモンドは、Orca-Lucaというバンドと、
マエダミホと後藤マサヒロです。
この歌は、最初「メンバーに向けた歌だ」と決心し書いていましたが
それをどうすれば内輪みたいな話ではなく、聴いてくれるみんなにハッキリと刺さるようなスケールに落とし込めるだろう?と考え続けて、
言葉を編み、メロディを紐づけていきました。

最終的に、俺にとってのダイヤモンドは
Orca-Lucaというバンドと、マエダミホと後藤マサヒロと
この時代を何とかサバイブしているみんなだな、という結論に達し、
そこでやっと、壊れた時計の針がまた動き出したみたいに
一気に歌詞が定まってきたのを今でも覚えています。
なので、個人的な話にはなってしまいますが、
すごくここ最近作った曲の中で思い入れの深い一曲にはなっています。
生まれるのにだいぶ時間がかかったというのもあるけどね

最後に

そんなこんなで、3曲だけと言ってしまえば単純な話ですけど
そこに内包する想いやドラマみたいなものは、
相当込めたつもりではあります。3carat

Orca-Lucaってこんなやつらがやってるバンドなんだよ〜、というのが
一発聴いただけでわかってしまうような、
それくらいメンバー個々の「我」が出ている音源を作りたくて
実際その通りに作り上げられたんじゃないかなと思います。

そんな自信作である3caratのデジタルリリース記念企画が
もうすぐ、もうすぐ横浜で開催されるのです


Orca-Luca新譜、3carat

1/27(金)BuzzFront YOKOHAMA

Orca-Luca presents
「3carat e.p.」Release Party
“Angels”

OPEN18:00/START18:30
前売¥3,000(ドリンク代別)
出演:
Orca-Luca
あるゆえ
MUSHS
EOW
kageori


絶対来てくれ!
マジで!!!!

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