2020-12-22の日記

晴れ。あいかわらず寒い。

給湯器のスイッチを押してからお湯が出るまではタイムラグがある。スイッチを押して皿を洗い始めたのだが、なかなか熱くならない。あと少しで熱くなる、あと少しで熱くなる、と念じながら冷水で皿を洗う。手がかじかみ、身体が拷問をやめろと脳に迫るが、脳は「あと少しすれば水はお湯になる」と繰り返す。

ところがいっこうに熱くならない。凍る直前のような、切り裂くような冷水が続く。そこで気づいたが、そもそもスイッチを押していなかった。お湯が出るはずもない。待つことに意味はない。もう少しでよくなるという祈りにも意味がない。

人生の寓話すぎてキッチンで一人笑った。手はまだ震えていた。

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