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『冒険王ビィト』の最新刊を読める喜びを叫びたい。

衝撃でした。本屋の新刊コーナーで『冒険王ビィト15』と背表紙に書かれたマンガを発見しました。「連載再開されていたのか!」「しかも、15巻まで続いているのか!」「読みたい!」と疑問と喜びが押し寄せました。


どうして、歓喜したのかというと、私は14年ぶりに新刊を読めたからです。


『冒険王ビィト』は2002年から月間少年ジャンプで連載されたマンガです。アニメ化もされました。2006年に作画の稲田先生がご病気ということで連載が止まってしまいます。単行本だと、12巻で止まったことになります。

1年、2年、と新刊発売を楽しみにしていましたが、一向に新刊が出る気配はなく、「もう、でないのかな」と思ったほどでした。

しかし!先日、15巻を発見し、読んでいなかった13巻、14巻と合わせて読むことができました!!私が最新刊を読めたのは、14年ぶりです!

調べてみると、「冒険王ビィト」は2016年に連載が10年ぶりに「ジャンプSQ.CROWN」で再開されました。その後、1年連載がとまりますが、2018年に「ジャンプSQ.RISE」で連載が再開されたということでした。知らなかった、、、

*

『冒険王ビィト』はキャラクターの個性がよく、あっと思わせる展開で進み、悪役も魅力的な王道のバトル漫画です。人類を恐怖に落とす魔人(ヴァンデル)を倒すべく、偉大な5人の戦士の意志を継ぎ、暗黒の世紀を終わらせる冒険に出るというストーリーです。

冒険王ビィトの魅力は
①王道ストーリーと設定
②悪役
③個性的な武器
にあると思います。

「①王道ストーリーと設定」
勧善懲悪というわかりやすい物語で、物語序盤以外は、強い魔人(ヴァンデル)しかでてきません。ヴァンデルにも、1~8までの階級(数字が上がるほど強い)があるのですが、15巻までに登場するヴァンデルは「7」が多いです。

駆け出しの主人公が強い敵をなんとか倒す。このストーリーが主人公の成長と、仲間の絆を感じさせてくれます。「7」のヴァンデルが主人公を襲いにくるという設定(詳しくは言いません。)がよいテンポ感を出しています

また、バトル漫画特有の攻撃・守備のエフェクトなどとてもきれいです。

②悪役
ヴァンデルの個性がはっきりとしていて、わかりやすいです。かなり人間味を感じるヴァンデルが登場します。例えば、どこまでも正々堂々と戦うことを好む「天空王バロン」、クールを装っているが激高すると破壊衝動が爆発する「新緑の知将グリニデ」、目的のために手段をいとわず情報通な「不動巨人ガロニュート」などが登場します。

魅力的なのは、登場の回数を追ううちに、裏の顔が描写されていることです。実はこんな一面もあった、という説明も丁寧にされて、多面的な人物像がわかります。

能力が個性的なところや、ヴァンデル界隈も一定の秩序があるあたりも好印象です。

③個性的な武器
主人公などのヴァンデルバスター側では、攻撃技に体形があります。火・水・風・雷・光の5属性を基本としていて、天撃という技を繰り出します。また、経験を積み、自身の天力が具現化すると、才牙(サイガ)という強力な武器を生成することができます。

バトル漫画では、「武器」に一番作者の工夫がでると思います。

勧善懲悪ものであることを考えると、主人公とヴィランを繋ぐキーアイテムであり、戦い方を制限し、戦う象徴になるからです。武器を手にするタイミングで、「主人公がなぜ、戦うのか」という理由が説明されます。また、好きな技ランキングなどが作成されるほど、ファンの注目度は高いです。

『ワンピース』では、主人公・ルフィは悪魔の実を食べることで、ゴム人間になりましたし、『ブリーチ』では、主人公・黒崎一護は、死神朽木ルキアから死神の力を受け継いで、死神代行になりました。


そう考えると、武器(戦い方)は世界観とも密接にかかわっています。


『鋼の錬金術師』では、錬金術は戦うことにも用いられますが、主人公エドとアルは母親を生き返らせようとする錬金術が失敗したことによって、腕と体をとられることになります。腕と体を取り返す旅にでることになります。

武器がストーリーの骨子なるだけではなく、錬金術が設定としてとても大事なキーワードになっています。この錬金術から派生して、「等価交換」という概念が登場しますね。

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14年ぶりに新刊を読めて、ここ数ヶ月のうちで一番衝撃でした。
次の16巻も気長に待ちます。。。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

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