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オリジナル曲「EMOTIONAL VELOCITY」について


構想・歌詞

ストックしていた中で特に気に入っていたメロディから急にAメロBメロサビまで一気に思いついたので、そこから作り始めました。

メロディを思いつく瞬間として、寝起き、仕事中、散歩中、風呂の時なんかが多いですが、どれもすぐには記録出来ないので一度思いついたら覚えておくのに必死です。
仕事帰りにスーパーなんかに寄った日には店内BGMで脳内のメロディがかき消されるので真っ直ぐ帰ります。

編曲について、ユーロビートを作ってみたい!というのを前から思っていたので色々調べてみましたがインスト曲の作り方ばっかりなので、知っている曲をリファレンスにしようと思いました。

beatmania IIDX(弐寺)という音ゲーをプレイしているのですが、その中でユーロビート系の曲が結構あるので色々聴いてみた結果、弐寺12の「月光」という曲がイメージにピッタリだったのでこれを参考にすることにしました。
哀愁系ユーロビートでジャンルがJ-EUROBEATなのでコレだ!ってなりました。

コード進行を耳コピしてみるとAメロBメロサビ全部違うキーで、転調しまくってる曲なんだなというのが分かり、これを取り入れてサビで短3度転調する曲にすることにしました。

粗方形になったところで曲名もストックしていたものにピッタリのがあったので後は歌詞だけになったのですが、コレっていうテーマやイメージがなかなか浮かびませんでした。

ユーロビートなら車や公道レースってイメージだし、そうなるとレーシングラグーンでも題材にするかガハハ!と半ば冗談のつもりでレーシングラグーンのプレイ動画で序盤のストーリーを振り返ったのですが、
独特の台詞回しがピッタリハマるフレーズが思いつきまくったので、冗談じゃねえ……と思いながらこの方向性で行くことにしました。

歌詞はレーシングラグーン序盤のストーリーをなぞって原作の台詞やキーワードをパズルのようにはめ込んでいく、という感じで作れて非常に楽しかったです。
「そうさ……遅い奴にはドラマは追えない」は特に気に入っている部分です。
やたら入ってくる英語はボカロの打ち込みでも出来るだけ英語っぽく発音するようにしました。

コード進行

キーはイントロ・間奏・アウトロとサビがBメジャー、AメロBメロはG#メジャーで、最初に全部同じキーでメロディを作ってからボカロの音域に合わせて短3度差をつけて調整しました。

イントロは64534143で、リファレンス曲の進行を丸々流用しています。
最後の3をD#でメジャーコードにすることでG#メジャーの5に見立てて転調してAメロに入る、という感じになっています。

Aメロは6543・6526、Bメロは1451・51435です。
サビ前のD#7がBメジャーの3にあたり、それが平行調のG#マイナーの5にあたってサビがG#から始まるので元のBメジャーに転調出来る、という文字で書くとややこしい感じの進行になっていますが、
要は5にあたるコードを介して色々なキーを行ったり来たり出来るという考え方です。

サビは62514143を2ループの後に2-5-5#dim-6-4-5-6Sus4-6となっていて、要は6251の小室進行亜種なので、哀愁を感じるイイ感じの入りになっていると思います。

おっ今回はBメロでパッシングディミニッシュが無いなと思ったらサビに結局入っています。
トゥーファイブからのパッシングディミニッシュに非常にエモを感じますがやり過ぎて演歌みたいになってないか?と少し思いました。

音源・プラグイン

ボーカルは今回音域が広くて特にサビの音階が高いので、高音でも滑舌の良い初音ミクSolidにしました。
図らずもこれで初音ミクV4Xのライブラリを一通り使うことが出来ました。

プラグインはいつものNectar3と、今回からサチュレーターをWAVESのBB Tubesにしており、プリセットをYoad Nevo - Vocals - Voc1にして使っており、更にEQで5000~を+1dBくらいシェルビングしています。
初音ミクは高音域をブーストしてなんぼという感じがあります。

また、音量差を抑えるためにWAVESのVocal Riderを使用しており、下記のサイトが参考になりました。

空間系の設定は前作と同じです。

ドラムはいつもの4つ打ちですが、今回ハイハットをL85くらいに置き、VEC4のHihat Percussion Loopsの102がシェイカーなのでR85に置いています。
ハイハットとシェイカーは~1000でガッツリローカットしています。

イントロ・間奏・アウトロのアルペジオリードはNexus4の「Super Saw」とSpireの「LD Exhale As」とNexus4のPluckの「Feelin Deep」をレイヤーしています。
プラグインは「月は東に日は西に」の時と同じです。
アルペジオはトランスでよくある打ち込み方で、以下の動画を参考にしました。

Aメロでうっすら鳴っているシンセのシーケンスはSpireの「SQ In My Mind V」で、ルート音を鳴らしています。

ベルは今回Nexus4の「Fantasy」を使っていて、AメロBメロでは要所で鳴らし、サビではボーカルと同じメロディを鳴らしています。
~500でローカットして、5000と8000くらいがキンキンするので-3dBくらい削っています。

サビで鳴っているシンセブラスはSYNTHMASTER ONEの「BRA 80s Synth Brass XS」です。
OTTやEQやリバーブの設定はスパソと同じで、Ozone Imagerで中音域を広げ、WAVES CenterのMS処理でMidを-1dBくらい下げています。
音像をイメージャーでむやみに広げるのは定位が崩れるので、正直SYNTHMASTER ONE側のWIDTHをちょっと上げるだけで良かったのでは?と思います。

2番サビ前半で鳴っているキラキラ…というウィンドチャイムはXpand!2のものを使用しています。

ベース、シンセパッド、ギター、オケヒは「月は東に日は西に」と同じです。
ベースはルート音をオクターブ奏法で鳴らし、サブベースにサイドチェインを軽く入れていて、他のローカットも念入りにしたおかげで今までの曲よりキックが聴き取りやすくなっていると思います。

イントロやサビの前に入っているドドタァン!というFXはキックでドドッと鳴らした後にVEC4のInpactsの11と12をレイヤーしています。

マスタリングについてはOzone10を使用していますが、今回はリファレンス曲をターゲットにしています。
OzoneのEQはターゲットに近いミックスが出来ているかどうかの指標として使っていますが、今回はほとんど手が入らなかったので上手く行って嬉しいです。
マキシマイザーについてはYoutubeに合わせて-14LUFSになるようにしています。

動画化

ジャケット絵はレザージャケット、余裕そうな表情、車、夜の街をイメージして作りました。
余談ですが、AIモデルの癖なのか隙あらば肌の露出が多かったりえっちな感じになったりするので、ネガティブプロンプトにそれらを抑えるための文言を入れるのが必須です。
プロンプトは以下のとおりです。

プロンプト
(masterpiece,best quality:1.2), hatsune miku, leather jacket, supercar, (night), arrogance smile, She keeps her mouth shut

ネガティブプロンプト
(Skin Exposure), negative_hand-neg, (worst quality), (low quality), (normal quality), (multiple arms), (multiple legs), text, monochrome, missing arms, mutated hands, malformation, lowres, bad anatomy, bad hands, error, missing fingers, extra digit, fewer digits, cropped, watermark, username, blurry, artist name

最後に

今回の曲はレーラグ民に結構刺さったようで、ニコニコ動画では今のところ一番いいねがついているので嬉しいです。
元ネタへの最大限の「R」……Respectは大事だなと改めて思いました。


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