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Uber Eatsの常連、パリで自炊する

11月のパリはよく雨が降っています。毎日どんよりしているし寒いし、最近まで風邪をひいてダウンしていた。数ヶ月前は夜10時まで明るかったのに、最近は陽が出ている時間がどんどん短くなってきて、ヨーロッパの冬の訪れを感じている。

普段は賑わうテラス席にも座れない

先日のnoteで、フランスの人たちは外食をたっぷり時間をかけて丁寧に楽しむという話を書いたのですが、今回は自炊について書いてみます。

パリに来てからの食生活の変化

まず、私は料理があまり好きではない。レパートリーがないから何を作るか毎日考えるのがきついし、料理中はラジオや映画を流しながらでないと退屈(?)してしまう。幸運にも夫が料理好きなことに甘えて、東京で共働きしていた頃は夫がお料理担当。ひとりで食べる時や、忙しい時はUber Eatsかテイクアウトを使いまくっていた。

パリに来てから状況が一変。Uber Eatsは届かないか遅延がデフォらしいし、置き配という概念はない。海外で知らない人と玄関でご対面はちょっと怖い。ドライバーを装った強盗の話も聞く。東京と違って頼めるメニューの選択肢も少ないので、食べたいものがない。
(一度だけマックを頼んでみたが、その時はなんの問題もなかったので心配しすぎかもしれない🍟)

お料理上手な夫は平日朝から晩まで学校に行っている。自炊するしかない!ということで最近の奮闘記をご覧あれ🥹🍚🔥

まず覚えたこと

鍋でごはんを炊く

炊飯器がないので、鍋でごはんを炊く方法を覚えた。以下の手順でル・クルーゼの鍋を使うと、ツヤツヤふっくらなごはんが炊きあがる。丁寧な手順書きが本当にありがたい。
ちなみに炊飯に使う水はボトルのミネラルウォーター(できれば硬度が低いもの)がよいとヨーロッパに住んでいた同僚が教えてくれて、私もそうしてる。調べるほど硬水はデメリットしかない😮‍💨

日本食スーパー発掘

パリにいてもやっぱり和食が食べたい。野菜や肉や魚はフランスのスーパーで買えるが、米や味噌は手に入らないので、アジア系スーパーに行く必要がある。今は世界的に日本食がブームなので、パリでも食材は見つけやすい。

試行錯誤の結果、今はこんな感じでスーパーを使い分けています。(ニッチな情報だけど誰かのお役に立てれば笑)

🍚味噌、調味料、茅乃舎だし→IRASSHAI
🌾お米(あきたこまちorこしいぶき)→KIOKO Opera
🥓薄切り豚肉→ACE MART LOUVRE

IRASSHAIは日本食だけにフォーカスしたお店で、2023年夏にオープンしたばかり。とにかく商品ラインナップが素晴らしい!

フランスならではの食材を楽しむ

🍄Champignon(マッシュルーム)

パリに来てすぐの頃に食べて、おいしさに感動したのがマッシュルーム!ざくざく切ってバターで軽くソテーして食べる。変なクセはないのにきのこの風味がしっかり感じられて、一年中おいしい。日本にいた頃はあんまり好きじゃなかったのに、こっちではしょっちゅう食べています。

🍄Girolle(ジロール/アンズダケ)

9月の終わりごろ、突如スーパーに現れた黄色いキノコ。日本のスーパーでは見たことがない。地元民っぽいマダムがごっそり買っていたのできっとおいしいんだなと、真似して買ってみた。
食べてみたらびっくり。マッシュルームよりも香りと味が甘くて、すごくおいしい!!甘酸っぱいソースに絡めてステーキといっしょに食べるのがお気に入り。リゾットに入れてもホイル焼きにしてもおいしかった。
旬は短いけど、全力でおすすめしたいパリの秋の味覚。

🍆Aubergine(ナス)

オーベルジーヌときくとカレーを思い出してしまうのですが、フランス語でナスのこと。スーパーで年中買える。日本との一番の違いは大きさ!こちらのナスは基本的に15~20cmくらいあって、初めて見た時は「おばけナス」と呼んでしまった。
フレンチだとナスたっぷりのラザニアが有名だけど、我が家ではナスと鶏肉をごま油で炒めてポン酢で味付けしたり、お味噌汁に入れたり煮浸しにしたり、和食が食べたい時の定番。でかいから何日かに分けて食べられてコスパもいい。

🥕Panais(白ニンジン)

寒くなると出回る野菜。見た目はニンジンにそっくり。普通のニンジンと何が違うのかなと、カレーに使ってみた。食感はじゃがいもっぽいけど、もっと繊維っぽい。煮崩れないのは利点だけど、残念ながら普通のニンジンの方が好きだったので、リピはしていない。

🥩CHARALのステーキ

パリの大きめのスーパーに行くと、とにかくたくさん肉が売っている。牛鶏豚羊鴨などレパートリーが豊富な上に、部位ごとにも色々ある。「さっと焼いてわさび醤油で食べたいな」と思っても、最適な肉を見つけるのに時間がかかるし、厳選して買ってもフランスのステーキは硬くて噛み切りにくいものが多い。

ある日発見したフランスの食肉メーカーCHARALのお肉は私のお気に入り。薄いSTEAK FILETかONGLETという種類が特にいい。肉汁たっぷりで比較的やわらかく、わさび醤油にも合うのでよく食べます。(この前は風邪気味だった時にも食べた)

🐚ムール貝

農業大国フランスは海鮮もおいしい。モンサンミッシェル産のムール貝の大きなパックが12€くらいで買えちゃうので、鍋いっぱいにムール貝の白ワイン蒸しを作る。途中でパスタに味変したりして楽しむと、ヨーロッパに住んでいるんだなあと実感できる。お客さんがおうちに来た時にも出せそう。

🧀チーズいろいろ

夫婦揃ってアルコールに弱いので晩酌ではないけど、ジュースや紅茶と一緒にチーズを食べる機会が増えた。とくにモッツァレラチーズが衝撃的においしい。今まで食べてたものはなんだったのかと思う。MONOPRIX Gourmetのパック入りのものをよく買ってますが、特別なときはフロマージュリー(チーズ専門店)で買うとさらに新鮮でおいしい!オリーブオイルと胡椒をさっとかけて、チーズそのままの味を楽しむのが好き。

🧂お気に入り調味料

唐辛子やハーブ入りのオリーブオイルは、ピリッと辛いのでペペロンチーノにぴったり。蒸した野菜にちょこっとかけたり、アボカドのタルタルに入れてもアクセントになっておいしい。

献立を考えるのが面倒なときは、おかずと汁物を一緒にできるポトフやスープを作る。そこで活躍するチキンブイヨン(左)は野菜だけのスープにコクを出してくれるし、コンソメキューブ(右)は味がしっかりしてて、味を整える必要があまりないくらいおいしいと思う。

結論:パリでの自炊、楽しい

という感じで、東京にいた頃とは比べものにならないほど自炊をしている。

先日、同じく海外で暮らす友人と話す機会があり「海外で試行錯誤しながら日本食つくってみるの楽しいよね」という話をしたんだけど、まさに毎日小さな挑戦をしてるような感じ。これおいしそう!と思ったものがイマイチだったり、直感で選んだものが当たりだったり、家でごはんを食べるたびに発見がある。「今日はこれに挑戦した」というちょっとした自己肯定と、あたらしい発見が楽しい。

今年のクリスマスはうちでホームパーティーをする予定なので、毎日修行して海外のゲストが喜ぶ食卓をプロデュースするつもり🎄

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