音楽を聴かない私が考える音楽の可能性
今回は少し、仕事に関わる内容で書いていこうと思います。
改めてとなりますが、私は今年の5月から障がい者福祉事業所で勤務しています。
障がい者施設というのは、いくつか住み分けがあるのですが、まずは簡単に障がい者施設の説明をします。
そして、少しずつ水面に浮上しつつある障がい者の社会進出にかかる課題に触れ、タイトルにある「音楽」というテーマについて考えて行こうと思います。
現代では「生まれつきの障害」に加え、「社会的活動によって引き起こされた障害」が社会問題になっています。
つまり「精神障がい者」という枠組みに位置するメンタル不調者のことです。
noteでも、そのような勇気あるカミングアウトをされている方も散見しますが、誰もがその勇気を持ち合わせているワケではありません。
そういった方々の心の支援は専門家でなくとも、音楽が救いとなることも大いにあります。
「私には障がい者の話なんて関係ない」
そう思う方も、最後までお付き合いいただけると幸いです。
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それでは、障がい者施設についての説明ですが、実は「障害者総合支援法」で定められている障がい者のための福祉施設というのは20種類以上存在します。
すべてを説明すると、それだけで5,000文字を超えそうなので、社会進出への支援に該当する一部だけを紹介します。
以下の説明は下記の厚生労働省の資料より抜粋していますので、参照してください。
【就労移行支援】
通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者に対して、
①生産活動、職場体験等の活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練、
②求職活動に関する支援、
③その適性に応じた職場の開拓、
④就職後における職場への定着のために必要な相談等の支援を行う。
(標準利用期間:2年)
「通常の事業所」とは一般的な企業を指しますが、採用に関しては「一般枠」と「障がい者枠」のどちらを選択してもいいとされています。
もっとも、企業側から提示されることもありますし、どちらの雇用形態でもメリット・デメリットがあります。
【就労定着支援】
就労移行支援、就労継続支援、生活介護、自立訓練の利用を経て、通常の事
業所に新たに雇用され、就労移行支援等の職場定着の義務・努力義務である
6月を経過した者に対して、就労の継続を図るために、障害者を雇用した事
業所、障害福祉サービス事業者、医療機関等との連絡調整、障害者が雇用さ
れることに伴い生じる日常生活又は社会生活を営む上での各般の問題に関する相談、指導及び助言その他の必要な支援を行う。
(利用期間:3年)
一般就労者でも「3年目の壁」や「7・5・3離職」といった言葉があるように、障がいをお持ちの方も何らかの理由で就労が困難になるケースがあります。
せっかく就職できたのに一時的な感情で退職してしまうのは、本人にとっても雇用した企業にとっても大きな損失となります。
一般就労者以上にデリケートな職場定着の支援をする機関ですが、課題も多くある事業です。
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【就労継続支援A型事業】
通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して、雇用契約の締結等による就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等の支援を行う。
(利用期間:制限なし)
後ほど「B型事業」も登場しますが、大きな違いは「雇用契約の有無」です。
A型事業では、働く能力はあるものの一般企業での就労が困難な方が就労訓練を受けます。
【就労継続支援B型事業】
通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が困難
である者に対して、就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援を行う。
(利用期間:制限なし)
雇用契約を結ばないので、最低賃金の保障という概念がありません。
その代わり「工賃」というカタチで労働に対する対価が支払われますが、令和元年の全国平均工賃は月額16,118円です。
「(;゚Д゚)…そんなん生活できないじゃん‼」と思った方は、ぜひとも福祉制度を検索してみてください。
…以上で簡単ではありますが、障がいをお持ちの方の就労支援に関わる福祉施設の説明となります。
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さて、いきなり大量の情報を書き込んだので、きっとこのあたりでスキを推されて他の記事を読みに向かう方もいるかもしれません(笑)。
それはそれで、全く問題ありません(*´ω`*)。
時間は有限ですから。
…そう、有限なのです(;´・ω・)。
このまま書くと4,000文字を余裕で超えそうなので、概観のみできる限り伝わるように心掛けたいと思います。
障がい者を社会へ送り出す福祉のシステムは、それなりに手厚く、そして機能していると思います。
しかし例えば、ある日突然、あなたが上司に呼ばれ「明日から我が社も障がい者を雇用することになった。検討を重ねた結果、キミに障がい者の指導を任せたい」…と言われた場合、戸惑いませんか?
障がい者雇用というのは、一歩間違えば、福祉と行政が企業に障がい者雇用を強要することに繋がりかねません。
また、一定以上の障がいをお持ちの方は、自分の給料をご家族が管理することがあります。
悲しいことですが、がんばって働いた給料のほとんどを搾取されるケースもあります。
…他にも、企業側、福祉側、行政、ご家族、ご本人といったさまざまなステークホルダーがいることで、数多くの課題が山積みのまま放置されている状況です。
これらを改善する手段を講じることも、私の職務であり向き合うべき課題となります。
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ここでようやく「音楽」の話となりますが、障がいをお持ちの方で聴覚障害出ない方は、比較的、自分の好きな音楽というものがあります。
個人的な見解ですが、知的障害をお持ちの方は、テレビのコマーシャルなどの耳に残りやすいメロディを好む方が多いように感じます。
私たちも、好きな音楽を聴いていると、気分が高揚したり落ち着いたりすると思いますが、それは障がいをお持ちの方も同じです。
毎日を楽しく過ごしたいのは、誰だって一緒なのです。
言葉で作業を促すよりも、音楽で集中される方もいますから、ある意味で音楽は言語以上に共有できる文化なのだと私は考えています。
冒頭で述べたように、今後は、ますますメンタル不調から精神障がい者となってしまう方は増えることでしょう。
うつなどを発症した場合は、カウンセリングなどの処置を施す必要があると思いますが、音楽にはメンタル不調を未然に防ぐ効果があると思っています。
好きな音楽がある。
これが、今後の社会的課題である精神障がい者の増加を防ぐ手立てになると私は感じています。
自閉傾向が強く、言葉を発することのない障がいをお持ちの方でも、好きな音楽を聴いているときは、穏やかな笑顔を見せてくれることがあります。
その顔をみながら、笑顔で地域社会に溶け込んでくれるきっかけとなるような支援がしたいと感じます。
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少し長文となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の投稿は以上です。
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