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映画「鹿の王 ユナと約束の旅」を見タ

映画「鹿の王 ユナと約束の旅」を見た。

原作は未読。
悪くはないけど、あと少しという感覚。

miletのアルバムの「visions」が好きで聞く日々を過ごしており、エンディングで「One Reason」が流れたときには驚いた。音楽配信のサブスクリプションでアルバムを見つけて聞いていたので、何の曲がタイアップ曲になっているのか知らずに聞いていたのである。予告編で流れていたと思うけど、何も考えずにボーっと見ていたことが分かる。このボーっとしていたおかげで、エンディングで流れたときに驚かせてもらった。しかも、曲がイラストの感じに合っていて感激した。ストーリーで腑に落ちない部分があったがエンディングのおかげで、そこそこ吹き飛んだ。そこそこね…。

中盤の三人パーティーの構成は好きだな。それぞれの大義のせいで三すくみ状態だけど、チームとしては前進を続ける。前進しているうちに大義とは違う個人の内面が出てきて、少しずつ協力関係を築いていく。あの雰囲気が「羅小黒戦記」のシャオヘイとムゲンの二人旅に重なって見えた。でも、三人のうち二人が口数の少ないキャラだから自ら説明しないし、深く関わろうとしない。もっと三人の話を厚くしてくれたら、後半の感動に繋がるのになと思う。

この説明の足りなさが全体的にあり惜しさを感じる。原作を圧縮したせいだとは思う。

冒頭で、この世界の状況を説明するのだが文字だけが流れ、そこで初めて見る単語が出てくる。「あれは何?」と思っているうちに次の説明に入っている。見ている人の字を読むスピードにもよるけど、私には速度が速かった気がする。ゆっくり想像させてくれる余地が欲しかった。世界観を構築できずに話が始まる。小説であれば各自の速さで読み進めるので、しっかり世界観を構築し没入できたはず。この世界観を構築できないまま、アカファ王国の構成の複雑さを突っ込まれる。ツオル帝国に従属しているという既に複雑な立場のアカファ王国に「アカファ王」と「山犬の王」の二つの王が出てきちゃった…。あれだけの説明では相関図を書けない!
だから公式サイトで相関図を載せているんだ。公式サイトを見てから、映画館へ行けということでしょうか?先に映画館で見たよ…。

「もののけ姫」みたいという声を聞くが、中盤のヴァンとユナの親子関係や三すくみパーティーを描いていたので別物のようにも思えた。でも、ジブリに関わった人が集結し、人間と自然を描くと似たようなものになっちゃうよね。逆に言うと、見慣れたアニメを見られるというポジティブな方向にも考えられる。

ヴァン役の堤真一さんの声が良すぎる。堤真一さんのファンには最高のASMRになるだろう。客席に年齢が高めの女性が多かったのは「堤真一ASMR」が目的だったのかもしれない。

今作の説明の足りなさが気になったので原作を読んでみようと思う。多くの本屋でプッシュされていたのをスルーしていたので、これを機に読みます。

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