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非帰国子女の私が半年でGRE325点をとるまでの記録

はじめまして、2024年夏よりINSEAD MBA留学予定のKanaです。
私は帰国子女ではなく、大学時代にオーストラリアで1年間留学をしていた以外は長期の海外経験はありません。

ここでは私が海外MBA受験のため、半年でGRE325点(Verbal 155、Math 170:GMAT 700−710点換算)を取るまでにやったことを書いていきます。
USトップ校出願にはさらに点数が必要かもしれませんが、欧州校の受験であればGRE325点はどのスクールでも十分戦える点数だと思います。

限られた時間の中で行うGREの勉強は、正直本当に辛かったです・・・何回か受ける中で、「あんなに勉強したのに点数が下がるなんて・・・」という絶望も経験しました。
当日の運に左右されるテストでもあるので、上がったり下がったりしても気を落とさず、地道に勉強するのが吉だと思います。
この記事がスコアメイクで苦しんでいる方の一助となれば幸いです!


そもそもGREとGMATどっちがいいの?

海外MBA受験を決めると、かなり初期にぶつかるこの疑問。
まずは「一旦GMAT、GRE両方の模擬試験を丸腰で受けてみて、点数がいい方を選ぶのが良い」という話を聞いて両方試してみたのですが、結果どちらも絶妙な点数でした。

とても迷ったので、「餅は餅屋」と思いGMAT/GREの専門予備校の無料セミナーにいくつか足を運びどちらがおすすめか質問してみました。
自分の場合、下記のような感じでしたので、おそらくGREが合うかも?というアドバイスをいただきGREに。

  • 国立文系

  • 文章を読むのが苦にならない、速読が得意(英語も含め)

  • 暗記が得意

  • 英語の文法が苦手

  • 数学はあまり得意ではない

ただ、ちょうど旧形式から新形式に切り替わる間のタイミングというでしたので、新形式になって選び方はいくつか変更点があるかもしれません。

正直GREを選んで正解だったかはわかりませんが、GMATよりも地道に勉強した分がプラスに跳ね返る試験のような気はします。
GREはシンプルに英語の語彙力が問われる問題が出るので、単語を一つ一つ覚えていけば点数を積み重ねることができます。一方で、私はGMATのCritical Reasoningが苦手あまり対策をする気になれませんでした。

少し気をつけておいたほうが良かったと思うのは、GREのMathが意外と手強いことです。
GMATより問題自体は簡単なのですが、少しのミスが命取りになります。そのため、Mathで満点を狙うのであれば、ほぼミスなしで仕上げる必要があります。
GMATの場合は正答率が7-8割でもそこそこ高得点が狙えるのに比べ、GREだと高得点を取るにはほぼ満点を狙う必要があるという点は心に留めておいた方が良いでしょう。「数学が苦手だから、GREにしよう」というのはあまり得策ではなさそうです。(特に私は注意力散漫でケアレスミスが多いタイプのため、非常に苦戦しました・・・)

また、周りの受験生の話を聞いたり、過去の合格者実績を見たりしていると700点よりも上を目指すのであればGMATの方が高得点を出しやすい印象を受けました。
GREの方が「大きく点数が下振れしないが大きく上振れもしないテスト」という印象です。

GREスコアの推移と勉強時間

私はGREを4回受けましたが、スコア推移は下記の通りでした。(ちなみにAWAはほぼ対策せずに受けたのでかなりスコア低め・・・)

GREスコアの推移

4月:1ヶ月くらい対策、付け焼き刃の勉強で318点(Verbal:154、Math:164)
6月:3か月ほどしっかりめに勉強して321点(Verbal:151、Math:170)
10月頭:7月エッセイ集中のためスコアメイク休止し、8-9月また勉強して319点(Verbal:157、Math:162)
10月末(新形式):もう一踏ん張り勉強して325点(Verbal: 155、Math:170)


結論、VerbalもMathもあまり安定しませんでした・・・
エッセイに集中した7月以外、平日は2-3時間、休日は4-5時間はコンスタントに学習時間を確保していたので、点数はテスト当日の運にも左右されている気がします。
半年の間そのような生活を続けていたので、合計すると500時間程度GREに投下した計算になります。

私の場合はかなり学習時間をとって10月頭に受けたタイミングで一度スコアが落ち、猛ショックで1週間落ち込みました・・・
6月に受けた時Mathで満点を取れたので、「Mathはあまり対策しなくてもいけるだろう」と高を括ってVerbal中心に対策を進めていたら、10月頭の試験でまさかの162まで急降下。基本、対策はVerbal・Mathバランスよく進めたほうがいいかもしれません。

また、一度エッセイに注力するためにGRE対策から離れた時期がありましたが、効率が悪いので全くおすすめしません。GREで自信を持って出願できるスコアを取得してからエッセイやインタビュー対策に移行することが理想的かと思います。

ちなみに私はRound1で出願したので、一旦途中経過の321点でスコアを提出し、10月末に改めて325点を取得した旨をアドミに連絡しました。

利用した参考書とサービス(ざっくりおすすめ順)

①The Official Guide to the GRE General Test

GRE対策の鉄板、OG(Official Guide)。こちらは模擬試験がいくつか収録されているので、実力試しにはちょうどいいです。
ただ、若干本番よりもこちらの参考書の方が簡単だったような気がします。

②Affinity英語学院の「GRE Verbal 戦略クラス」

「Verbalは自力だとかなりきつい、時間がかかる」と諸先輩方から聞いていたので、一旦学習塾でVerbalの解き方・コツを習うことにしました。

私はAffinity英語学院にお世話になり、4回 × 3時間のコースで解法の基礎を理解しました。この4回だけで実践まで身につけるのは難しいですが、最低限の型を理解して問題を解いていく上では非常に役立ちました。
Verbalは一度解き方・コツをどこかで習って自分の中に叩き込むのがおすすめです。

③GRE POWERPREP

POWERPREPは、GRE運営元のETSが出している公式の模擬試験です。
こちらもオンラインで購入して数回分解きました。

提供されている模擬テスト数が多いわけではないので、初期に使い切ってしまうのは少しもったいないかもしれません。ある程度勉強して対策した上で、腕試しという位置付けで活用するのがおすすめです。

ただ、本番よりも簡単だと思って点数は参考程度に捉えておいた方が良いかと思います。私の場合はPOWERPREPだと最高で332点まで出ましたが、実際の試験ではこんなにスコア良くなかったです・・・

④マスアカ(インターナショナルマスアカデミー)

私はMath対策として、マスアカの2022年度版をメルカリで購入して利用していました。GMAT対策の参考書ですが、GREにも使えます。
GREでも意外と難しい問題が出ることがあるので、マスアカを何周かして対策しました。
マスアカの問題が全て解けるようになれば、GREは十分満点を取れると思います。
私は利用したことがないのでわかりませんが、ジェイマスもおすすめと耳にしたことがあります。

⑤500 Advanced Words: GRE Vocabulary Flashcards (Manhattan Prep GRE Prep)

GREのVerbal試験では、IELTSで見たこともないような難解な単語がゴロゴロ出てきます。私は単語は基本こちらのフラッシュカードで対策しました。
こちらを利用し始めてから意味不明だった単語が段々とわかるようになってきたので、非常におすすめです。
GREで問われる単語に絞って学習が進められるので効率的です。

⑥Gre: Practicing to Take the General Test : Big Book (GRE PRACTICING TO TAKE THE GENERAL TEST: BIG BOOK)

私はOG(Official Guidebook)とPOWERPREPだけではこなす問題量が心もとなかったので、こちらのBig Bookも利用しました。
できるだけ独学で対策を進めたい、練習量をこなしたいという方にはおすすめです。
とは言いつつ、1995年発行のかなり古い本で、現在はAmazonでも販売されていないため中古本を探すしかないのですが・・・

⑦Magoosh

GREの対策教材としては、Magooshもよく耳にするかと思います。
私にとっては、正直微妙でした。

安価で問題量をこなせるという点においては非常に優れているのですが、特にVerbalは問題の傾向が本番と若干違う気がします
初めはMagooshの問題をたくさん解いていましたが、途中からBig book中心の対策に切り替えました。

 GRE対策の参考書・サービス選びについて:まとめ

私は節約のため基本できるだけ独学でスコアメイクに取り組みましたが、適切な対策方法と参考書選びに少し時間がかかってしまいました。
ある程度お金をかけられるのであれば、GRE対策に精通している予備校で提供される問題を解き、復習するというサイクルを繰り返すのが一番の近道な気がしています。

各セクションごとの対策方法

Verbal対策

GREのVerbalは、大きく分けて語彙力を問う問題(Sentence Equivalence:適語選択問題 + Text Completion:文章穴埋め問題)と読解力を問う問題(Reading Comprehension:長文読解)の2セクションに分かれます。

語彙力を問う問題はまずある程度単語が頭に入っていないと太刀打ちができないので、フラッシュカードなどで地道に暗記をしていくことが重要かと思います。
ある程度単語が頭に入った状態で実践問題を解き、繰り返し復習をしていくことで徐々に点数が上がっていきました。POWERPREPなどでやった問題がそのまま本番出題されることもちらほらありましたので、一度解いたものはきちんと復習しておくと良さそうです。

一方で、読解力を問う問題の方は解法の型を身につけないまま問題量をこなしても、暖簾に腕押しという感覚になります。そこで、私はAffinityで習った解法の型を繰り返し参照しながら復習を行うことを意識しました
「なぜこの回答が正解になるのか?なぜ他の回答は間違いなのか?」をクリアに説明できるようになるまではきちんと思考を深めて、理解できない場合は質問をした方が良いと思います。

この観点でMagooshのRCはあまり良くありませんでした。
GRE公式の問題と若干傾向が異なっており、ひっかけポイントが的外れなことがあったからです。
初期は「とにかく問題量をこなそう」とひたすらMagooshを解きまくっていましたが、今思えばかなり回り道をしていたように感じます。

過去に戻ってやり直せるのであれば、基本は予備校で提供される問題 + POWERPREP/OG + Bigbook以外には手を出さないと思います。

Math対策

GREのMathは、簡単なようで意外と手強いです。
私はGREで325点(GMAT換算700点)を取るために、Verbalが難しい分、Mathでは168-170点のほぼ満点を目指していました。
この点数を狙うとなると、ミスは1問から多くても3問程度に抑えないと厳しいです。

ところが、GREのMathは時折意外と難しい問題が出ることもあり、油断をしているとポロポロと点数を落としてしまいます。
私は初めOG(Official Guide)を解いて「簡単だなー」と思っていましたが、本番の試験後半で難しい問題に当たって焦り、ミスを繰り返すということが発生しました。

そのため、私はマスアカを何周かして難しめの問題を取りこぼしなく解けるように徹底的に対策しました

また、ケアレスミスがかなり多かったため、自分のミスをパターン化してノートにまとめ、必ず最後にミスがないか確認する時間をとるようにしました。

Mathは独学で対策ができたので、予備校に通うことはしませんでした。GREで出る可能性がある難しめの問題をしっかり押さええつつ、ケアレスミスを極限まで減らすことができればMathは満点を狙えると思います。

非帰国子女の私が半年でGRE325点をとるまでの記録まとめ

この記事では、私が半年間勉強してGRE325点(GMAT 700−710点換算)をとるまでの記録についてまとめました。
仕事をしながらの勉強は本当に大変で心が折れそうになることもありましたが、ところどころ息抜きをしながら1日30分でも学習を継続することが吉です。
GREはコツコツ勉強を続けると学習量に比例してスコアが伸びてくるテストだと思います。(ジェットコースターのようにスコアが上下するGMATに比べると)もちろん問題との相性やコンディションによって前回より点数が下がることもありますが、あまり気負いすぎず、何回かテストを受けてみることで理想のスコアに近づく可能性が高まります。

スコアメイクは本当に大変ですが、無理しすぎず、体を大切に頑張ってください!(私は後半戦、スコアメイクとエッセイとインタビュー対策が重なり毎月39度の熱を出していました・・・体は大事!!)


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