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かなめさんのお誕生日に寄せて

    本日はかなめ(涼風真世)さんのお誕生日。
今年もこの日を迎え、かなめさんをお祝いできることがとても嬉しい。

かなめさん、お誕生日おめでとうございます!

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    時は1970年代、日本ではアイドル、ポピュラーやロックなどの洋楽が世の中を席巻していた時代で、周囲には宝塚を知る友人など皆無だったが、『ベルばら』ブームの到来で、宝塚が世間に知れ渡るようになった。私もその頃、"男装の麗人”に憧れ、古き良き昭和の宝塚歌劇に浸り、青春時代を過ごした。
その後、贔屓のジェンヌさんの退団とともに宝塚とは疎遠になってしまったが、平成の時代になり、偶然出会ったのが退団直後のかなめさんだった。
退団特集番組で、宝塚での思い出を語る飾り気のない笑顔に出逢った。そして「銀の狼」を視聴した時、理想のジェンヌさんに出逢えたことを直感した。
その時の感動、喜びは、今も鮮明に覚えている。
そして、それまで忘れかけていた宝塚への郷愁がよみがえってきた。

    奇しくも、私はかなめさんと同い年。同じ時代に宝塚と出会い、同じようにファンとして過ごしていたことを知った。
『男役 涼風真世』に会えるのは映像の中、という現実は口惜しい思いだったが、タイムスリップしたかのようなその時間は、かなめさんの歴史を紐解くような、心躍る時間だった。
新人時代から常に注目され、トップスターとして開花していくまでのかなめさんの足跡、人物像を無我夢中で辿っていった。
かなめさんの人柄が語られた、スタッフや仲間たちのエピソードもグラフや歌劇誌などで様々目にした。自分に厳しく、周囲に優しいかなめさん、家族のように仲間を大切にするかなめさん、という評価が紙面にあふれていた。
『涼風真世は孤高のスターである』
私がとても印象に残っている言葉だ。
唯一無二の美しい声色、恵まれた容姿…。
その抜きん出た天賦の才能が、他の追随を許さないスターであると。
そして、作者にインスピレーションを与える役者であり、自分の立ち位置、役柄を掴むのが早く、そこから試行錯誤が始まる役者だ、という評価も印象的だった。
それは優れた感性と集中力、それに甘んじないかなめさんの並々ならぬ努力の賜物なのだろう。
人知れず、稽古場の片隅で黙々と稽古に打ち込む姿、影で血の滲むような努力をされているかなめさんの姿が私にはひしひしと伝わってきた。
冷静に自己分析し、男役の美学を追求する姿、命がけで舞台に打ち込むかなめさんに、私は欠点というものが見つからなかった。

    退団後しばらくは、かなめさんはどんなお仕事にも挑戦され、試行錯誤の連続であったと思う。
舞台人としての道に照準を定めながらも、あらゆる可能性にチャレンジする、その飽くなき探究心には本当に驚かされた。
オフはシャイで、あまり多くを語らないかなめさんだが、ステージに立つと瞬時に、全く違う世界、全く別次元のキャラクターに鮮やかに変身を遂げる。そのギャップに驚嘆し、魅了され、未知の世界に引き込まれる。
かなめさんの歌唱は、言葉の一つ一つを大切に、明瞭に正しく発声し、日本語の美しさに気付かされる。その何とも言えず深く甘い歌声は、時には繊細に、時には力強く心に訴えかける。
そして、どこにいても際立つ美しい面影。
”デリカシィ"(✻参照)、やはりかなめさんの魅力はこの言葉にあてはまる。
しかしそれだけではない、どんな文字にしても形容し尽くせない、それががかなめさんの魅力なのである。
(✻)印象的な公演「銀の狼」1991年https://note.com/kerorinkao/n/n13e4f1cb1100  

そして最後に…
かなめさんが今日まで、自身の原点でもある『男役 涼風真世』を美しい記憶のまま守り続けてくださっていることに感謝し、ここに記しておきたい。
退団後30年以上、時を経た今も変わることなく、演じられた全ての役の人物が宝物のように輝き続けている。どんなに時が経とうとも、『男役 涼風真世』の記憶は私の中で色褪せることはない。
    日本のミュージカル界も若いスターの台頭で様変わりし、目まぐるしい変化の中にあって、かなめさんは大御所と称えられる時代になった。
そんな中にも泰然自若として常に我が道を往くかなめさんに、最大のエールを送り続けたい。
かなめさんは私にとって理想の女性像であり、恩人であるのだから。
これからも、かなめさんの前途に幸多かれと祈っている。

この佳き日に、万感の想いを胸に
感謝を込めてー
2023年9月11日

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