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TRAINING FOR FRONT UP

今までオフロードライディングの基本となるフロントアップを何度か記事にして書いてきましたが、総集編としてまとめようと思います。シッティングからスタンディングでのフロントアップの仕方、更にフロントアップの応用テクニックまでより詳細に、動画と写真、イラストを交えて説明してきます。

TRAINING FOR ~シリーズとして今後、ステアケースや沢、ヒルクライムもアップ予定です(※なお、このシリーズに関しては有料コンテンツとなります)

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内容
・フロントアップの前に
・シッティングフロントアップ
・スタンディングフロントアップ
・応用テクニック

フロントアップの前に

まず、バイク自体のセットアップを行いましょう。キチンと調整されていない状態では上手く出来ないだけでなく、変な癖も付いてしまいますので。オフロード経験がある人は流す程度に見て頂いても構いません。過去のnoteの記事でもアップしていますのでそちらも確認して貰えれば幸いです。

【タイヤの空気圧を0.3程度まで下げる】
オフロードタイヤはトレッド面がブロック状の為、空気圧が高くてパンパンだと接地面積が少なくグリップしません。なので、スピードをあまり出さないハードエンデューロのレースなどでは0.3程度まで下げてタイヤの接地面を増やします。接地面積が増えればそれだけグリップしてフロントアップもしやすくなります。路面にもよりますが、トレールタイヤや固いモトクロスタイヤよりも柔らかいコンパウンドのガミータイヤやトライアルタイヤにすると滑りやすい路面でもグリップして楽に上げられます。

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【ハンドルバーを起こし気味にする】
トレールバイクだと特にですが、座った状態で丁度いいハンドルの寝かただとフロントアップした時に肘が下がってしまい具合が悪くなります。なので、ハンドルバーの固定ボルトを緩めて起こし気味にセットします。ハンドルバー自体が絞りや高さがあるものだと鬼ハン状態になって乗りづらいのでストレート気味なものに変更する事をお勧めします。

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【クラッチレバーの位置を調整する】

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クラッチレバーの操作は基本的に人差し指1本です。なので、軽いチカラで操作出来るように調整しましょう。

まず、レバーホルダー自体をハンドルの内側に出来るだけ寄せて、レバーの端側を握れるようにします。ホルダー自体を寄せるとスイッチボックスに干渉する場合はスイッチボックス自体も内側に寄せてください。ハンドルグリップのリブも当たって邪魔になるので前面の部分をカットします。

ワイヤー式なら遊びを増やして人差し指1本でフルに握った状態からほんの少し緩めたら繋がる状態にしてください。遊びが少なく遠い状態だと指がすぐに疲れてフロントアップが出来なくなります。油圧式ならレバー自体の位置調整ボルトで近づけてください。

レバー自体の長さですが、ショートに変更している人はノーマルの長さに戻す事をお勧めします。単純にテコの原理で長い方が軽いチカラで操作できる為です。

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【リアブレーキペダルを調整する】
今までオンロードメインでトレールバイクを乗っていた人はシッティングで丁度良い様にペダルの先端の位置がステップよりか下にあるかと思いますが、スタンディングが基本となるオフロードライディングに適したステップと同じ高さに調整しましょう。

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シッティングフロントアップ

【予備知識】
それではシッティングフロントアップの開始となりますが、その前にまず何故フロントが浮くのか?についてです。

アクセルを急に開ければと浮くとか、クラッチを急に繋ぐと上げられる、と考えている人もいるとかと思います。確かに「急」という部分がポイントで、ゆっくりとだとバイクは前に進みますが、急だと捲れようとします。ですが、それだけでは半分正解といった感じです。

グリップが悪い路面だとか下り斜面だとそれだけでは浮きません。そこでもう半分となるのが「リア荷重」です。前よりも後ろに重り(ここではライダー)があると前後の重量比でフロントが軽くなる為、バイクが捲れようとします。通常座る位置よりも思いっきり後ろに座って急にアクセルやクラッチ操作すれば上がるようになると思います。

また、上げる時に重要になってくるのが「姿勢」です。正しい姿勢としては膝と腰の曲がり角度は90度、腕は伸ばしたまま脱力した状態。目線は遠く地平線を見る感じで頭を下げない。アクセル、クラッチ以前にこの姿勢が崩れているとその後が上手くいきませんので注意を。

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後ろに座ったけどそれでもまだ荷重が足りずグリップしないならどうしたら良いか?それが「体重移動」です。一旦前にカラダを持っていってから後ろにカラダを引いてあげればよりリア荷重できます。ここで大事なのは動きは「大きく勢いよく」です。サスを縮めようと勢いは良いが動きが小さくなってしまう人がいますが、大きく動いた場合と比べて動きが小さいと加速度は同じであっても実際の速度は出てなく、運動エネルギーは質量と速さなので、思ったよりも荷重が出来ない事になります。サスを縮めて返ってくるという反発もフロントアップに作用しますがそれだけでは浮きません。大事なのは体重移動によるリア荷重となります。

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