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TRAINING FOR HILL CLIMB

TRAINING FOR ~シリーズ第3弾。いよいよ、ヒルクライムについてです!

エンデューロにおいて難所でもあり、一番の楽しみでもあるヒルクライム。斜度や長さ、助走によっても難易度が違うし、路面もツルツルとした赤土系かそれともパサついた黒土系か、はたまた岩盤やガレ系なのか、単に1発直登系なのか。それともターンが入ったり、キャンバーを登るのか。ヒルクライムと一口に言ってもパターンはそれこそ無数にあり、どう攻略すれば良いのか経験が物を言う事でしょう。

とはいえ、ぶつかり稽古のように闇雲にヒルクライムを繰り返して失敗を重ねても、経験値が上がる前に怪我や故障のリスクばかり負ってしまいます。まずは理論や知識を得た上で練習する事こそ上達する近道なので、ヒルクライムの練習方法とパターン別の登り方を書いていきたいと思います。

ヒルクライムの基本的な登り方

ヒルクライムの登り方の基本ですが、過去のnoteにも何本か書いていますが、まず助走が一番大事で、「助走区間でしっかりとスピードを乗せる事」で斜面を登るだけのスピードと勢いを助走区間でつけます。しかし、スピードを出そうと雑なクラッチやアクセルワークでスタートで振られてしまっては斜面に入ってから開けられませんので、「丁寧なクラッチワークでスムーズに徐々にスピードを乗せていく」のがポイントです。

ただ、勘違いして欲しくないのはとにかくスピードが早ければ良いかといえばそうではなく、登り切るには勢い(モーメンタム)が大事なのであって、助走区間で吹け切ってしまって斜面に入ってから伸びないとか、進入スピードは速いけど開け続けられず閉じたりしたのでは勢いが死んでしまいます。助走区間から「サカに入る斜度が切り替わる部分が、前に行こうとするバイクが斜面にぶつかる事によってサスペンションが縮み、タイヤが押し付けられて一番トラクションする」ので加速すべき場所で、そこから更に中盤以降伸びていく事が大切です。助走でスピード出し過ぎて取っ散らかると、アクセルを戻さざるを得ないので必ず失敗します。

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助走区間では斜面に入ってから伸びるだけのスピードを手前で準備しておく区間と考え、「一秒でも早く、スタンディングに移行し、加速出来る姿勢を整える」かがポイントです。なので、スタートしてすぐにスタンディングに移行せずにずっとシッティングのままだとしっかりと加速出来ず、その距離分がロスとなる。「一瞬でも良いのでスタンディングしてからスタートするとカラダも遅れず、素早く加速する事が出来る」ので、短い助走区間であるほどスタンディングしてスタートします。どうしてもスタンディングでスタート出来ないのであれば、スタートする時はシッティングで「徐行程度のスピードで数十cm進ませて車体が安定させてからスタンディング、姿勢を整えてから加速」しましょう。シッティングで最初から加速しながらスタンディングに移行しようとしてもカラダが遅れるか、姿勢が安定するまでに前に進み過ぎてしまいます。まずは素早くスタンディングして姿勢を整える、その移行する間に進む移動距離を出来るだけ短くすると良いでしょう。

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