KESIKI

人や社会や地球に愛されるモノやコト、そしてそれを生み出す企業をデザインするクリエイティ…

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人や社会や地球に愛されるモノやコト、そしてそれを生み出す企業をデザインするクリエイティブ・ファームです。http://kesiki.jp

マガジン

  • Designing Culture

    KESIKIの手掛けたプロジェクトから、「カルチャーデザイン」にとって大切な要素を考える、ケーススタディ集。

  • Designing a kind economy

    「KIND ECONOMY」やさしさがめぐる経済に向けた、KESIKIメンバーの思考実験

  • Re:

    無垢の家具ブランドWYLCのデザインアプローチ型事業承継の軌跡をレポート。組織やものづくり、人と自然の関係性の再構築=リ・デザインを考える。

  • Design-Driven Management

    中小企業のデザイン経営にまつわる対談企画

最近の記事

さよなら、さよなら、デザイン思考

こんにちは、KESIKIの石川 俊祐です。 今年の10月にIDEOのレイオフのニュースが出ました。驚いた方も多かったのではないでしょうか。 このニュースによって、「デザイン思考はもう終わりなのでは?」という意見を耳にします。アメリカの経済メディアFast Companyも「Design giant Ideo cuts a third of staff and closes offices as the era of design thinking ends(意訳:デザイン

    • デザインを拡げる

      少し前のnote記事「Designing culture 10 グッドデザインの未来」で特集した、公益財団法人・日本デザイン振興会(通称:JDP)の新パーパス。 KESIKIが伴走しながら、「デザインを、一人ひとりの力に。」というパーパスを軸に、JDPの事業方針や行動指針などを定めました。 その発表を記念して、11月「デザインの可能性を拡げつづけるために、日本デザイン振興会ができること」と題したイベントが開催されました。 デザインの可能性を拡げるために、これからどんな行

      • 梁をのこして、再構築。

        無垢材家具ブランドWOOD YOU LIKE COMPANY(WYLC)とKESIKIによる「長く愛される会社・ブランド」をつくる過程を追う連載シリーズ「Re:」。 第二回は、WYLCのコーポレート・アイデンティティを一緒につくっていった、デザインディレクターの丸山新さん(&Form)とWYLC代表・KESIKI 代表/CDO石川俊祐の対談形式でお届けします。 長年使われてきた企業・ブランドのシンボルを変えることは、決して簡単なことではありません。しかし、そのストーリーや

        • 二人目のデザイン

          これは、アメリカの起業家デレク・シヴァーズのTEDトークの動画です。 タイトルは「社会運動はどうやって起こすか」。 社会運動を起こすには、一人目の熱量を受け継ぐ、二人目、三人目の仲間が大切という話です。しかし、社会運動に限らず、ともに行動してくれる仲間を見つけるのは難しく、踊り続けるのも大変なことです。 創業129周年を迎えた北海道旭川市の建設会社、荒井建設も一緒に踊る仲間づくりに悩んでいました。同社の悩みは、2020年から始めたデザイン経営の浸透方法です。まずは、社内メ

        さよなら、さよなら、デザイン思考

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        • Designing Culture
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        記事

          グッドデザインの未来

          「デザインを、一人ひとりの力に。」 2023年10月、日本のデザイン業界を率いてきた公益財団法人・日本デザイン振興会(通称:JDP)が、初めて組織としてのパーパスを掲げました。 JDPは、日本を代表するデザインアワードである「グッドデザイン賞」を、運営してきた団体です。そのルーツは、60年以上前の戦後の時代にまで遡り、デザインによって日本の経済産業を振興してきたところにあります。そこから、社会の変化と共にデザインの役割は大きく変化してきました。 では、現在の日本における

          グッドデザインの未来

          意志のデザイン

          どうすれば、「らしさ」と「経済性」が共存する事業を作れるのだろう。 どうすれば、新しく立ち上げたチームに、「意志をともにする仲間」が集まるのだろう。 KESIKIは、この4年間、「やさしさがめぐる経済」を目指し、多くのクライアントとともにそうした問いに取り組んできました。 2023年7月。新オフィスの竣工に合わせ、これまでワンチームとなってきたクライアントの方をお呼びし、感謝を伝えるオープニングパーティを開催。 パーティでは、クライアントも交えた二つのセッション

          意志のデザイン

          問いから始める新規事業

          こんにちは。KESIKIの石川俊祐です。 ぼくはこれまで、インフラ企業から金融、医療機器、コンシューマーグッズやサービス業まで、幅広く新規事業づくりに関わってきました。 イギリスのデザインファームPDDへて、IDEOの日本法人立ち上げ、BCG Digital Venturesに勤めたのち、KESIKIを立ち上げたのは2019年。 そこからはチームが創造的に働くためのオンラインワークスペース「NeWork」やサステナブルを自分ごと化するライフスタイルブランド「O0u」をは

          問いから始める新規事業

          人にやさしい政策

          引っ越し、納税、年金、補助金の申請、 まちづくりの方針、ダイバーシティやサステナビリティに関する政策。 行政手続きをする時や政策と接点を持った時、一度はこんなことを思ったことがあるかもしれません。 どうしてこんなに分かりにくいのだろう…。 もっと国民の声を聞いたら良くなりそうなのに…。 もうちょっと自分の悩みに寄り添ってもらいたい…。 すべての政策は、省庁が社会にある課題を解決したいと考えたり、より良い未来を創りたいという想いを持って、公正・公平に考え、仕組みを設計し、

          人にやさしい政策

          インサイトのデザイン

          「こんなものが欲しかった!」 「どうして、今までなかったんだろう」 「そうそう、これこれ!」 そんなふうに思わずにいられないサービスや事業には、「新しいインサイトの発掘」が必ずあります。 インサイトとは何か。 これを掘り下げるだけでかなりのボリュームをとってしまいそうなので、ここでは簡単に。人の言動や起きている事象を観察し、その裏に隠れている欲求や、奥底にある本質を見つけること、と定義します。 世の中には、たくさんのインサイト発掘にまつわるナレッジやメソッドがあります

          インサイトのデザイン

          かわる、つづく、めぐる。

          「景色」 割れてしまった器を金継ぎして直した跡のことを、日本人は「景色」と呼んで愛でてきた。 これがKESIKIの社名の由来です。 KESIKIが目指すのは、デザインの力で、すでにある良いモノやサービス、ブランド、会社などの、綻んでしまった部分を継ぎ直すことで、新しい景色を生み、長く愛され続けるという状態をつくっていくこと。 そんなKESIKIが注力しているのは、 ①Create:中小企業のデザインアプローチ型事業承継 ②Change:企業や官公庁のカルチャーデザイン

          かわる、つづく、めぐる。

          ワクワクのデザイン

          KESIKIは「やさしさがめぐる経済」の実現を目指し、この3年半、走り続けてきました。ありがたいことに、日本を代表する大手企業や行政の方とともにプロジェクトを進める機会も多くなりました。 また、人類学者や環境省の国家公務員をはじめ、これまでKESIKIのメンバーにはいなかったバックグラウンドを持つメンバーも参加し、より多様なアプローチができるようになってきています。 なぜ「やさしさがめぐる経済」を目指すのか。 KESIKIと関わる人や企業が増える中で、そう問われる機会も

          ワクワクのデザイン

          まちをデザインする

          こんにちは。KESIKIの石川俊祐です。 この4月、北海道・旭川市のCDP(Chief Design Producer)に任命されました。デザインの力で旭川をより魅力的なまちにするチャレンジを、僕とKESIKIの仲間たちで始めます。(日本初のCDPということで気を引き締めて頑張ります) というわけで、今回のタイトルは「まちをデザインする」。これからやるぞという覚悟を込めて、あえておこがましいタイトルをつけてみました。 言葉にするとあっけないほどシンプル。でも、これは途方も

          まちをデザインする

          人類学とデザイン。

          今秋から、デザインとその他の分野のセッションを即興的に垣間見る、実験的トークイベント「KESIKI jam」がスタート。 “jam”とは、音楽アーティストたちが集まって楽譜や準備なしで即興演奏する「ジャムセッション」のこと。ジャズクラブのような場所では、毎日のようにジャムセッションが繰り広げられ、楽器を持って飛び入り参加なんかも歓迎。KESIKI jamは、そんなジャム・セッションのように、筋書きなし、対話への飛び入り参加歓迎なイベントです。 多様な視点で社会やビジネス、

          人類学とデザイン。

          カルチャーデザイン 08 言葉を文化に

          省庁の中でも、「ペーパーレス」、「デザイン経営宣言」などの先駆的な取り組みを進めてきた経済産業省・特許庁。2021年6月、ミッション・ビジョン・バリューズ(MVV)を公式に制定しました。 トップダウンで統制される組織を「官僚組織」と呼ぶように、省庁などの行政組織では権威や規則に従って官僚たちが規律的に働いているイメージがあります。 しかし、先行きが不透明な時代。省庁のような大きな組織においても、 未来の姿を描き、一人ひとりがその意義を理解した上で、ときに柔軟に対応すること

          カルチャーデザイン 08 言葉を文化に

          いいデザイナー?

          KESIKIでは現在、デザイナーとしてジョインしていただける方を探しています。ただ、KESIKIでの「デザイナー」の仕事は、デザイン会社やウェブ制作などでいうデザイナーとは違って、一言では表しづらいものがあります。 そこで、来週10月22日(金)20:00より、ウェビナーにて「KESIKIデザイナー座談会」を開催予定です。 IDEOやBCGデジタルベンチャーズ(以下BCG DV)でデザイン部門のトップを務めたKESIKIパートナーの石川と、グラフィックデザイナーとして正統

          いいデザイナー?

          カルチャーデザイン 07 みんなのサステナブル

          「サステナビリティ」は、ビジネスシーンではもう何に関してもついてくる言葉になりました。しかし、一般の生活者として、サステナビリティを自分ごとに捉えている人はまだ多くはありません。 特に日本では、どこか高尚なものだとイメージされていたり、自分が何かアクションを起こすなんて無理だと思われがちです。また、「サステナビリティ」という言葉の裏にある問題の範囲が非常に広いにも関わらず、全てを混同して語られており、課題を曖昧にしてしまっています。 ただ、気候変動危機は加速度的に迫ってお

          カルチャーデザイン 07 みんなのサステナブル