今週の米国株価チャートをイッキ見する会 ~2019/3/2の週 徐々に新高値銘柄が増えてきた ~の巻~
今週も米国主要株価指数は200日移動平均線を上回って引けました。
デッドクロス(50日移動平均線が200日移動平均線を下回る)のあと崩れていた相場でしたが、節目まで一気に反発していた。
Source: Bloomberg
Bloombergの米ISM製造業景況指数データを補足し、より長期で見ると以下のような感じ。
Source: Caluculated Risk
ゴールドマン・サックスがISM60天井で投資リターンに要警戒と指摘した2017年10月から相場は上昇し、ようやく2018年にピークアウトしていたが、筆者はここからインサイト引き出せないのでとりあえず紹介止まり。
では、米国主要株価指数の週足を確認しましょう。
強いていうならS&P500の週足が十字きってるのと、年初来一番反発していたラッセル2000(米国小型株指数)がついに陰線になったのが気になる。あとは、紫の線ひいたラインを上に突き抜けるのかどうか注目している市場参加者がちらほらいたかな。
まぁこれ見て何か判断するわけでもなく、今こんな位置なのかーと確認する感じで。
Source: Fear & Greed Index
先週のFear & Greed Indexは69でしたね。投資家はガードをゆるめている様子。
プット・コールレシオ見ても暴落に備えてる感じはしない動き。
セクター別の週間パフォーマンスマップを見てみましょう。
医療保険株が次の選挙を見据えた駆け引きもあって動いていますかね。民主党議員がほぼ全ての民間医療保険の置き換えを意味する「メディケア・フォー・オール」(国民皆健康保険制度)の法案を提出したとのことで。
では、株価チャートをまとめてみていきましょう。
まずはモメンタムをはかる上で人気株から見ていこう
決済系強いですね。
スモールビジネスをエンパワーメントするSquareが決算でした。
Squareはサブスクリプション&サービス比率がもう売上高の2割を超えていて、これはWeb作成サービスのWeebly買収(店舗とオンラインショップのバーティカルを狙ったものだと思われる)やサンフランシスコのケータリング企業Zesty買収寄与もあります。
Zestly買収の前には2014年にキャビア(Caviar)というサンフランシスコに強いオンラインフードデリバリー(出前)を買収しており、サンフランシスコでドミナントしていくという感じですね。よく報道されているような"全米シェア"だけで見ているとオンラインフードデリバリー領域は見誤ります(今のところ)。
一時過熱感あったのでブーム化したあと、株価はどうなるかわかりませんが、とにかく学びが多い企業でウォッチしがいがありますね。アプリ内決済SDKに興味津々。
その他、成長著しいテック株をみてみましょう。
米国オンライン診療最大手のテラドックが決算でしたがガイダンスが弱かったですね。既存事業ベースだとすごい減速しているわけではないですが。
この領域、日本だとやはりエムスリーの動きが一番興味深いです。
サイバーセキュリティ大手のパロアルトネットワークスも決算をうけて上昇するも寄り天。この銘柄いつもこんな感じですよね。
セキュリティといえば後述するZscalerやセキュリティ方面でも存在感のあるマシンデータ+セキュリティオーケストレーションのスプランクも決算でした。これらは業績だけ先にまとめましたが、あとで企業単体でもカバーします。
ちなみにこの項目の中にいれて定点観測しようかなという感じの成長企業のEtsyも決算でした。
Etsyは世界最大のハンドメイドマーケットプレイス。うーむ。どれかをはずすかチャート定点観測の範囲を広げるか…トレードデスクを先週チャート定点観測組み入れた時にはずしていたNutanixはガイダンスがやたら弱くて大幅下落。
そうか、EC関連の定点観測項目を作ればいいのか。
左上からEtsy、Wayfair、メルカドリブレ(MELI)
スティッチフィックス、eBay、Sea(Shopee)
Amazon、Shopify、アリババ
JD.com、Netease、PinDuoDuo
Stitch FixはピュアECというかスタイリングサービスだけど自社ブランドまぜはじめているし、SeaもNeteaseもEC比率まだ低いからチャート定点観測するなら他にこっちの企業(米国市場上場企業)いれたほうがええで!というのがあったら筆者にお気軽にフィードバックください。
これらまとめた解説はそのうちするのでとりあえずチャートだけチェック。
その他テック株見てみましょう。
VMwareが決算。売上高成長率が加速しています。
SaaSの株価を見てみましょう。
SaaSの中でも時価総額が大きいワークデイの決算。
中小企業向けはBambooHRとかが伸びてるので、これからワークデイが中小企業向けにも動き出す場合どういう舵取りの仕方をするのか興味深い。
製薬企業向けバーティカルSaaSのヴィーヴァ・システムズの決算。
相変わらずSaaSとは思えない利益率の高さ。すでに大きい顧客はガッチリおさえており、いくらクロスセルやアップセルがあるとはいっても売上高成長率が加速していくタイプのフェーズではなくなっているように思いますが、マージンはさらに上昇する見込み(会社予想)です。
財務計画・分析プラットフォーム Anaplanの決算。
クラウドセキュリティで急成長中のZscalerの決算。
この2社とも売上高成長率が加速しているのが興味深いですね。ちなみに読者のノイズになりたくないので企業のバリュエーション云々は言及しません。シンプルにこの記事は株価チャートを楽しみつつ、たまに決算のハイライトだけお伝えするような内容です。
さて、生活必需品セクターを見てみましょう。
スパイス世界最大手のマコーミックが決算後あいた窓を埋めました。
食品企業の買収といえばクラフト・ハインツの減損があって印象悪い感じになってますが、マコーミックが買収したレッドホットソースの売れ行きは悪くないというカンファレンスコールでの発言だったので、今のところは大丈夫そうですかね。次の決算でもうちょい掘り下げたい。
どっかの新聞で子どもが魔剤におかされてる的な感じで日本でも報道されたエナジードリンクといえばレッドブルとMONSTERですが、MONSTERを手がけるモンスタービバレッジは決算をうけて上昇してますね。
小売セクターの様子
米国最大のスーパー Kroger 株価が下落したのはWSJがAmazonがホールフーズとはまた違う、安価なスーパーを2019年末までにオープンさせると報道したため。
ホールフーズにもやや廉価版の365 by Whole Foods Market ってのがありますが、どれくらい安いタイプなんですかね。興味深い。
ただでさえ競争が激しい領域に殴り込んでいくAmazon恐ろしい。でも将来的な競合状況をふまえるとやらざるを得ないでしょうね、食品領域は。
店舗は下手すりゃお荷物になりますが、いまだに強力な消費者とのタッチポイントでもあります。
製薬企業の株価の様子
買収される見込みのセルジーンが買収反対がどーとかで下がってました。
医療機器などその他ヘルスケアセクター
金融セクターの様子
半導体セクター
ザイリンクス(XLNX)強い。
防衛産業・関連株の様子
鉄道・トラック
航空会社
オイルメジャーの様子
公益事業セクターの様子
その他ダウ構成企業ざっくり
昨年オラクルに投資して結局すぐぶんなげたバフェットだったけど、一方でバフェットが最終的にぶんなげていたIBMはアフターバフェットでレッドハット買収して戦略的補強したりのびのびした動きで、年初来パフォーマンスはオラクルより高かったりする。
レストランセクターの様子
ドミノ・ピザの決算は既存店売上高が市場予想以下で下げた。ここ3年はスタバより高い既存店売上高でしたが、全体的には既存店売上高成長率は減速傾向。デリバリーのイメージのドミノだが、テイクアウト強化した改装をガンガン世界的にすすめてきた。
アパレル・ブランド
GAPはオールドネイビーをスピンオフするらしい。
中国ADR
ラッキン・コーヒーがIPOか。
暴れ馬
——— ✂ ——— おわり ——— ✂ ———
そういえばUberの競合LyftもIPO予定だそうです。
それではまた次回!
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