これまでのキーボードを振り返る②

青軸ッ…!


いろんな軸に触れてみたい

そんな気持ちが芽生えたころ、Keychron K5 SEの青軸から何か交換できないか検索していた。
知識は無いがキースイッチ交換はコンセントの抜き差しと同じ要領なので難しくはない。
あとは適合するスイッチを探すだけ…と検索を続けるが、ロープロファイルのスイッチが無い。あるにはあるが、種類が少なすぎた。
茶軸や赤軸は手に入るが、どうもしっくりこない。
少ない選択肢から選ぶことに抵抗感が芽生えていたのだ。

メカニカルキーボードの世界に足を踏み入れ、キークロンの種類の豊富さに感動してしまって以来、「これがベストだよね」という感覚が無くなってしまった。
リアルフォースを購入した時、もうこれがベストであり至高であると考えていたが、メカニカルキーボードの面白さに触れて以来、リアルフォースに触れる機会が無くなったからだ。
自分の狭い視野で少ない選択肢の中で至高を決める、というのは直感的に不正解だと感じ始めている。

へぇ…Keychron V6ねぇ…ふーん…

そんな矢先、V6を見つけてしまった。
ノブでボリュームコントロール、安定の日本語配列、VIAサポート、茶軸。

ボトムにシリコン詰めてどうすんの?って思っていた時期は僕にもありました。

茶軸は別にV6以外でも選べるが、ケースボトムにシリコンと基盤の上になんか敷いていて、なにこれ?と興味を持ってしまった。
静音効果が期待されるカスタムで効果が認められているらしい。
K5のようなフロートではなく、外見はオーソドックスなキーボードであるが静音に興味がある。「音?うるさい?で?」を突き通した青軸ユーザーは"静かなキーボード"を対比したくなった。
どう静かなのか?結局メンブレンキーボードでいいじゃんにならないか気になったのだ。メンブレンと同じとなるのであれば、ここまでコストをかけて採用はしないはず。きっと何かあるはずだ。感動してしまう何かがッ…!

期待を込めて星5です!

Gateron G proの茶軸搭載したV6をポチり、ますます抜けれない沼にいた。
別にK5でも必要十分であるが、どうしても茶軸を試したい。しかしロープロファイルのキースイッチの少なさ…と非合理的な合理化をしているうちに、期待がどんどん高まっているのが認知できた。

あ~これはイイね!

タクタイルとは触覚と訳すらしい。
スイッチを押したときに途中で引っ掛かりがある。車に乗っているときにロードハンプの上を通った時の感覚に近い。

ロードハンプという名前らしい

山を乗り越えるような感覚があり、触感とはその手ごたえを差しているのだろう。
青軸のようなリズム感は得られないが、いちいち反発してくる手ごたえは何か癖になる。一種の気持ちよさが感じられる。なるほど、これは人気出るわ…

Youは"Thock"

ボトムにシリコンやらフォームやらが敷き詰められていて"詰まっている"感がすごい。ビッシビシ。敷き詰められているから静音性が高まるという理屈なのは理解できたが、何より驚いたのは"コトコト"とした耳に心地いい音だ。
茶軸自体は青軸ほどではないがある程度音を発すると聞いていたが、コトコトとした音であればずっと聞いていたい。
打鍵感も良し、打鍵音もよしと文句のつけようがないキーボードに出会ってしまった。
ちなみにコトコトを英語では"Thock"と言うらしい。海外でも一定の人気があり、modでも静音化よりもThock化を目指している方をよく目にする。

青軸→茶軸→あか…?

ポケモンは最初に三体の中から一体を迎え入れるところからストーリーが始まる。筆者はあいにくオーキド博士しか知らないが、御三家と呼ばれるこのポケモンたちになぞらえるのであれば、軸の御三家は青、茶、赤である。
ならばコンプリートしたいと思うのがポケモン世代である。
V6はホットスワップ対応だし、軸だけ買えば良いのだが。
そう、軸だけ買えば良い。
しかしそれを許さないのが沼なのだ。カイジがビルごと傾けて攻略しないと倒せないモンスターである。

75%と赤軸と薄型

フルサイズに戻ったが相変わらず右肩の調子が悪い。モニターに対してどうしてもホームポジションが正面となるため、テンキー類はより右側に寄ってしまうからだ。
何も知らなかったころに60%キーボードで痛い目を見て以来、フルサイズか妥協してもテンキーレスしか買う気がしなかったが、発想を変えてみた。
テンキーを左手で使おう
経理経験が長い人は左手で電卓を使うという。右手はペンを握っているから、持ち替えずに作業できるメリットは大きい。
キーボードも文房具というのであれば、左手でテンキーを使うことも違和感がない、というよく分からない理屈で75%キーボードを購入することとした。
また今回は持ち運びを考慮して薄型とした。もちろん赤軸で。

こんにちは、6台目。

もう妻が宅配の梱包の不自然な長方形でキーボードが来たと分かるようになってしまった。まだ開封していないのに。


Keychron K3 pro日本語モデル。カーソルキーの不自然さがすごい

もうすっかりKeychron信者となってしまっていたが、リアルフォースとキークロンしかまともに知らないので信者というよりは「それしか知らんから好き」みたいな状態である。
K3 proの日本語配列はカーソルキーに統一感がなく、キークロンの日本語配列モデル全般に言えることだが、キー印字と配色にも統一感が取れていない。"む"と"ろ"はなぜshiftと同じ配色なのだろうか。
こういう不満もあって、初の英字配列を購入した。英字配列はもろもろが統一されて自然なのだ。

うつくしい…

この記事は軸の話をしたいのでキーボードの良し悪しは控えるが、いまだに満足度の高い買い物だった。コンパクトながらVIAサポートしているからカスタマイズ性は申し分なく、何よりF1からF12までが数字キーと同じカラムになっていて押しやすい。

う~ん、別に…リアルフォースかなぁ…

赤軸はいまいちピンとこなかった。ストンと落ち、底に触れる感覚が良いとは思う。が、別にリアルフォースでいいよねとなってしまった。
K3に関しては赤軸を選んだことが間違いであったのだ。またV6の方が圧倒的に打鍵音がいいし静か。軸で失敗した買い物であるが、K3の茶軸はコトコト感がなかっただろうし、なんだかんだ外で使うなら赤軸一択なので良しとした。

茶軸が好きというよりコトコト&タクタイルが好き

という結論に至った。
実は記事にはしていないが、そのほかにも黄軸やEverglideの1個100円もする高級軸も試した(大量には買えないのでテンキー分だけ)が、それぞれに特性があり、良さがある。ラーメンは何味が好き?程度の好みであり、どれが一番と論ずるのはナンセンスだとは思うが、筆者はコトコト感に大いにハマってしまった。一定のリズムでタイピングをすると、雨音を聞いているような気持ちよさが訪れるのだ。

軸だけの話にせずにキーボードも一緒に紹介したのは、同じ軸でも乗せるキーボードが違えば性格も変わる点を伝えたかった。
このわずかな変化がカスタマイズ性であり、試したくなる探求心をくすぐる。根底にあるのは好奇心であり、もうこのステージでは内包されたストレスなど感じない。
ベストなど存在しないように思える趣味こそ、至高の沼と言えよう。

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