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日本語を「みがく」という動詞

森田良行さんの『日本語をみがく小事典』は大変役に立つ。サンキュータツオさんが「事件です!名著が復刊しました」と叫ぶのもよくわかる。なにか物事を考えたり話したりするときに、その道具となる言葉をわれわれはそもそも理解しているのだろうか。前提となることば。日本人の場合ならそれは日本語であることが多いだろう。国語と日本語はすこし違う。日本語の方が自由度が高いのだ。ただ、それだけに日々更新されていく。流動性をもつ生き物のような存在。すくうのも切り取るのだって難しい。だからこそ、この小事典はありがたい。日本語の動詞は約五千語ほど。そのうち「歩く、話す、起きる、送る」といった単純動詞は45%程度。残りは「引き出す、置き換える、組み合す、押し上げる」といった複合動詞だ。「みがく」という動詞は単純動詞。対象はモノであったが、最近ではコトやヒトにも用いられる。コミュニケーションを磨くために本質をつかんでおきたい。

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