華氏119より・メディアについて

先日、映画「華氏119」を見てまいりました。
そこに出てきた話について、いくつかまとめていこうと思います。

まず初めに出てきたのが、メディアのトランプの扱いについて。

トランプ氏はもともとテレビ局に雇われていた身だったわけですが、
偽の大統領選出馬会見で差別発言を連発し、そのせいで解雇され、
しかし、それがきっかけで本当に出馬するようになったと。

トランプ氏の発言はかなり突飛なものであったので、
ネタとしてはもってこいなわけで、メディアはこぞって取り上げ、
「タダで」トランプ氏の起用に成功したわけです。

何が正しいかとか、差別はいけないとか、そういう観点ではなく、
おかしなことを言っているやつがいるから取り上げようと、
視聴率が取れるならそれで構わないだろうと。

しかし、結果的にはそれはトランプの主張を拡散することになって、
多くの支持を集める結果にもなったのでしょう。

日本でも泡まつ候補と呼ばれるような人はいますが、
彼らがメディアに取り上げられることはほとんどありません。

だからこそ、マック赤坂は突飛なことをやっているのです。
それは、彼を題材にした映画「立候補」でも語られています。

日本の場合は、選挙については「公平性」が求められるので、
各候補の主張はほとんど取り上げられることはなく、
政党の主張がNHKの討論で垣間見られるくらい。

だからこそ、政権与党の方が有利になるわけです。
彼らの動向は普通のニュースで取り上げられるわけで、
メディアの露出度は明らかに与党の方が多くなります。

野党が出てくるのは批判される時が多くて、
その結果、人々は野党のいいところには気づかなくて、
「文句しか行っていない野党」像が作られるわけですね。

次の「華氏119より・大企業優先の政治について」にも関係しますが、
結局は、大手メディアも有力な大企業ですからね。

権力のチェックをするだとか言っていますが、
所詮は、企業寄りの政策を取る政権寄りなわけです。

例えば、日本でも、消費増税に反対する論調が新聞では少なく、
なぜかといえば、軽減税率の対象に新聞を含めてもらいたいから。

その新聞とスクラムを組んでいるテレビも同じになるわけで、
何がジャーナリズムだ、と笑いたくなります。

過激なことはおかしいとなぜ言えなかったのか。
ただ笑うだけで、むしろその笑いを期待していたのは誰か。

トランプ大統領が誕生してしまった原因の1つはメディア自身にある。

先日、CNNの記者が入構証を取り上げられる事件がありましたが、
あれだって、ただCNNが目立ちたいだけでしょ。

そして、結局トランプを目立たせただけでしょ。
結局はグルなんじゃないですかね。