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【日記】ガラクタは月に隠れて金となる。

家から徒歩1分。
歩いてわずか100歩前後のところにBOOKOFFの買取カウンターができた。

できたと言ってもオープンしたのは3ヶ月も前の事だ。

特に売ったりする物が無いので
ーー”あぁ出来たんだー”
ぐらいにしか思っていなかった。

しかし、ここ最近の季節の変わり目で訪れる気温の変化に対応すべく、衣替えを行うことにしたら、ここ数年着ていない洋服が結構あった。

元洋服屋。
それなりに数は持っているが最近は流行病の影響で家にいることが多く、もっぱらスウェットでいることが多い。

ーー”BOOKOFFも近くにあるし、売ってみるかぁー”
と、今後間違いなく着ないであろう物を選び持っていくことにした。

内容は下記の通り。
Tシャツ ×1
SSオープンカラーシャツ ×2
ジップフーディ ×1
デニムパンツ ×1
ハイネックニット ×1
ヘビーウエイトニット ×1
ニットアウター ×1

ーー”まぁ、、、2000円行けばいいかなぁー。”
なんて思いながら自動ドアをくぐった。

「点数が多いので1時間後ご連絡します。」
との事だったので家で溜まってたYouTubeを見ることに。

ーー”あー溜まってたやつ全部見れたー!おもろかったー!!”

「…すぅー。あれ?連絡来てなくね?!」

既に3時間近く経っている。

「いやいや。さすがにかかりすぎでしょ!!」「凸です!」

そこは歩いて100歩。
電話するより言った方が早い。

ーー”大した金額行かないんだから待たせないでよー”
と思いながら自動ドアをくぐった。

「いらっしゃいませー」

「これーどんな感じかな?と思ってー」
と引き換え券を店員さんに渡す。

「どうぞ。おかけください。」
「これ、申し訳ないのですが引き取れなかったアイテムです。」

「…あぁ。はい。ありがとうございます。」
ーー”うぁー、1番値段が付くと思ってたヘビーウエイトニット返されたーこれはダメだー(´Д` )”

もうガッカリです。

加えて
ーー”あれ?遅くなって申し訳ございません!
的なやつはないのか?”
と若干、不安になりつつもさっさと買取の作業は進められていく。

「お待たせしましたー。今回の買取金額はこちらになります。」

1,200円。
いやー思ったより安かったなぁー

「これどれがどのくらいの金額ついたかって教えて頂けるんですか?」

「はい!もちろんです。後ほどお渡しするレシートに記載しております。」

ですよね。普通に考えてそうですよね。

まぁ洋服減ったし、1,200円になったし!
よかったわぁー!
って自分に言い聞かせて現金を金庫から出す作業を目で追っていた。

金庫に鍵をかけいよいよ、1,200円のお出まし。

「お待たせいたしました。12,000円です。」

「…え?」
ーー”あぁ間違えてるぞ。教えてあげなきゃ!”

「あれ?1,20…」

「いや、12,000円です。」

おそらく今日の皆既月食よりもゆっくりとしたまばたきだったであろう。
そして人類史上最も綺麗なまばたきだったはず。

そのまばたきの間に私のCPUはM2の処理速度を超えた。

妻への説明はどうするか。
何を買おうか。
文芸誌は2冊買おう。
黙っていようか。
本をここで買っていこうか。
今日は酒を解禁して祝杯をあげるか。
家にはあとどのくらい売れる服があるか。
黙っていようか。
クリーニングクローゼットにどれを預けてたか。
黙っていようか。
靴もイケるか?バッグもイケるか?
黙っていようか。
黙っていようか。

フルネームでサインをしてホクホクの頭と懐で家に向かい、やはり黙っているのはムリだな。と思い、何も言わずに12,000円を手渡した。

これで良いのだと。
まだ終わりではないと。

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