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OTC医薬品

OTC医薬品という医薬品は、医師に処方してもらう「医療用医薬品」ではなく、薬局やドラッグストアなどで自分で選んで買える医薬品のことです。一般用医薬品と要指導医薬品があり、一般的には市販薬とも呼ばれています。英語の「Over The Counter=オーバー・ザ・カウンター」の略称で、カウンター越しに薬を販売する、という意味です。OTC医薬品の分類と購入時の注意点についてご紹介します。セルフメディケーションにぜひ役立ててください。

【OTC医薬品の分類の基準と販売方法】

OTC医薬品には、4種類あり、「要指導医薬品」と、副作用の程度による第1類~第3類に分けられます。

「要指導医薬品」とは、OTC医薬品として初めて市場に出てきた薬のことです。販売に慎重を期する必要のため、薬剤師が必ず対面で購入者から要望などを聞きます。書面などを使い、医薬品の使用方法や副作用、飲みあわせなどの説明が義務づけられています。

「一般用医薬品」の第1類~3類医薬品は、次のような分類です。

〔第1類医薬品〕
一般用医薬品としての使用実績が浅く、安全上、特に注意が必要な成分を含んでいる医薬品です。1~3類の中でリスクが最も高く、要指導医薬品と同じように、薬剤師が対面で書面による説明が必要な医薬品です。

〔第2類医薬品〕
まれに、入院程度の健康被害が起こる可能性があるとされる医薬品です。安全性に注意が必要なため、薬剤師などによる情報提供は努力義務とされています。

〔第3類医薬品〕
日常生活に支障が出るほどのリスクはないとされていますが、身体の変調や不調が起こる可能性がある医薬品です。説明は特に必要とされていません。

以上のように、要指導医薬品と第1類医薬品はリスク回避のため、対面での説明が必要です。第2類医薬品や第3類医薬品は深刻なリスクはほとんどないと考えられています。第2類医薬品の一部や第3類医薬品はインターネット上でも購入できるようになっています。

【OTC医薬品購入時の注意点】

OTC医薬品は処方せんが必要ないため、自分で選び自由に購入することが可能です。セルフメディケーションに活用しやすいというメリットがある反面、一方では副作用などのリスクを避けにくいのです。薬でのリスクを避けるために、取扱説明書に記載されている用法や用量を、記載どおりに守ることが重要です。

また、アレルギー体質の人や過去に重い副作用を経験した人、腎機能や肝機能が低下している人、他の薬を飲んでいる人、妊娠している人などはOTC医薬品であっても注意が必要です。これらの人がOTC医薬品を購入する時は、必ず医師や薬剤師に相談してください。

【OTC医薬品はリスクで分類】

OTC医薬品は、副作用など薬のリスク程度によって分類されています。医薬品に対面販売が必須なものやインターネットでも購入可能なものがあるのは、そのような背景があります。対面販売が必要な要指導医薬品や第1類医薬品は副作用などのリスクが高いとされる薬です。ネットで買えないからといって他人から譲り受けた薬を使うことは絶対に避けましょう。

また、体質や持病によっては、分類に関わらず、医師や薬剤師の指導を受け使用しなければいけない場合もあります。医薬品は必ず用量・用法を守り、正しく使いましょう。

【薬の専門家】

〔薬剤師〕

国家資格を持つ薬の専門家です。医療用医薬品、要指導医薬品、第1類医薬品を含めた、すべての医薬品を取り扱うことができます。

〔登録販売者〕

都道府県知事が資格認定した、薬の専門家です。第1類医薬品を除く一般用医薬品を取り扱うことができます。

ドラッグストアなどで、カウンターの後ろなど、すぐには手の届かない場所に陳列されている要指導医薬品と第1類医薬品は、薬剤師のみが取り扱うことができる医薬品です。医薬品登録販売者(登録販売者)や一般店員さんがは、販売したり相談を受けたりできません。販売可能時間が掲示されているお店もあります。要指導医薬品、第1類医薬品を購入したいときは、薬剤師の名札をつけた薬剤師さんに相談するようにしてください。購入したい薬の医薬品分類を、薬のパッケージや、企業のホームページで確認しておきましょう。また、要指導医薬品は薬機法により、使用者のみにしか販売できないルールとされています。

【薬を買う前に】

薬剤師や医薬品登録販売者(登録販売者)は、購入する方に薬を安全に使用してもらうため、必要に応じて症状などを聞き、薬の説明を行い、理解できたか、質問がないかを確認し販売します。特に要指導医薬品と第1類医薬品は、副作用、飲み合わせなどに注意が要るため、販売時、薬剤師が以下を確認することが法令で定められています。

・薬を使用するご本人かどうか(要指導医薬品の場合)
・年齢、性別
・妊娠、授乳の有無など
・以前同じ薬を使ったことがあるか
・他の薬の使用状況
・症状、病院受診の有無
・副作用の経験の有無 など


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