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荻窪Titleへ

雨と雷の荒天の日、人出の少ないチャンスを見計らって、荻窪Titleへ向かう。案の定、電車は座れるほど空いていた。

広すぎず狭すぎない店内と、書棚のラインナップが好み、というより、毎日TitleのTwitterを見ていて、本のセレクトに多大な影響を受けている。1年に1度ないしは2度訪問なのに、自宅にある本の多くが並んでいて、最新刊も見覚えのある本で既視感があり、むしろ不思議……?に思うのだった。

2階のギャラリーではちょうど、「書物のメタモルフォーゼ展」と題した文化人類学者の今福龍太の企画展がやっていた。ジョン・ケージやナボコフ、ロラン・バルトらをイメージした、本にまつわるオブジェが数点と、今福氏の全集や、私家版エッセイ、選書が並ぶ。

企画展パンフレットには、十二星座に合わせた"SCOPE BOOKS LIST"が掲載されている。重厚なラインナップで圧倒される。自分の星座を見ると、この星座の性格の"冒険"にちなんだ、アフリカやアラブ、砂漠が舞台の小説や歴史書が挙げられていた。自分の若い時分からよく知られた著者の本が多く、懐かしさがこみあげるとともに、これらの本を読む新規読者は、今いるのだろうかと、不安にも思う。
ツヴァイクの『人類の星の時間』に手を伸ばしかけたが、その前にこの展示の種本の今福氏の著作を求めることにした。

【買った本】
- 今福 龍太 『書物変身譚』
- 木村 衣有子 『しるもの時代』



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