コーポレートITという仕事(自らの志向編)

前回の記事ではだいたいどんな感じのスキルを以って、どんな感じの業務を受け持ち、それが必要とされる背景は何か、といった一般的なコーポレートITについてご紹介しました。

それを踏まえて、僕がこの仕事をどういう意識でやっている(つもり)か、ということを今回はお話したいと思います。

コストセンターになりたくない

経営学の分野に「コストセンター」というタームがあります。あえて身も蓋もない言い方をすると、金だけ食って利益を産まない部門、という意味を持つ言葉です。

かつて僕が所属していた会社にて、総務・経理・情シスがいる部屋にウォーターサーバが欲しい、と経理部長が社長に申し出たことがありました。プロダクトを開発するエンジニアのオフィスには既に設置されており、費用を考えても福利厚生としてはさほど贅沢なものではないという見立てがあってのお願いでした。

しかし社長からはこのように申し渡されました。

「所詮君たち管理系は1円も利益を産まないコストセンターなんだから、これ以上投資するつもりはない。ウォーターサーバが欲しければ自分たちのポケットマネーで入れなさい。」

うん、これはひどい。当時もひどいと思いましたが、文字にするとひどさが際立ちますね。もう君らはチームの一員ではないとでも言いたいようです。

ただし理屈として、直接利益を産まないコーポレートITがコストセンターであるというのも分からなくはありませんでした。確かに何も製品を作っていないし、何も外に売っていないし。

その上セキュリティやルールを盾にあれやるなこれやるなと言い、然るべき承認は得たのかその証跡はどこにあるんだなどと小うるさいことをネチネチネチネチ言ってくるような、かなりウザい存在にもなりかねません。

しかし、ウザさを自認していても仕方ありません。上の社長氏の認識はおそらく今後変わることはないでしょうが、コストセンターに見られないために、どう振舞うべきかを考えることには意味があるはずです。そのとりあえずの答えが、僕のスタンスの一つとなります。

ポイントは、ビルドアップに参加しているかどうか

「ビルドアップ」というサッカー用語をご存知でしょうか。

ビルドアップとはざっくり言うと、ゴールキーパーから前線までボールを運んでいくプロセスのことを指します。

この概念を企業活動に当てはめると、会社の口座からお金を引っ張り出してから顧客に売り物を届けるまでの一連のプロセスということになります。その過程にきちんとコーポレートITの立場で参加しよう、というのがここで言わんとすることです。

端的に言うと「自分の仕事がお金儲けにどう寄与しているのか」ということに意識的になろうぜということです。

そのために、

社内のアカウント管理や備品調達を一手に引き取るのは、それぞれのメンバーの本来業務に集中してもらうことで会社全体のパフォーマンスを極大化するため

とか、

エンジニアに最新のMacbookを貸与するのは、エンジニアのモチベーションを維持すると共に、採用活動上のアドバンテージも得て企業ブランド向上の一助とするため

とか、取り組む仕事とその結果を常に言語化しておきます。

できれば、言葉を厳密に定義(「極大化」とか「アドバンテージ」とか、曖昧ですよね)した上で、定量的な指標を入れてより説得力を持たせる形でやりたいところ。きちんと磨いたそれはそのまま、社内を口説き落とすための強力なツールとなっていきます。

またゴール(ユーザ)が遠いゆえ、視座が迷子になりがちなコーポレートITの心強い道しるべともなってくれるでしょう。お金儲けを意識してきちんと言語化することは、結局、僕自身のメンタルヘルスのためでもあるということです。

コーポレートIT「エンジニア」でありたい

結局のところ、コーポレートITは企業の環境を作る仕事です。端末を用意して手元を整えるのも、色々な業務を引き取るのも、セキュリティをルール面から整備するのも全ては「人が動く場を作るため」と言えます。

そこで、そうした場を作る以上はきちんとエンジニアとして作り上げたいな、と思っています。

エンジニア。語義的な意味では「工学的なアプローチを以って物を作る人」のことですが、その本質は「物事をハック(Hack)する」ことだと思っています。

そして物事をハックするために一番必要なのは、おそらく「美意識」ではないでしょうか。非効率や部分最適に陥っている仕組みを「ダサい」と思える、そして全体最適化されていてスマートな仕組みを「かっこいい」と思える感性。たぶん、僕がデザインやアートに興味を示す理由はここにあるんだろうな、と思います。

コーポレートIT含めバックオフィスはどうしても日々の業務を回すことに追われがちで、「作る」という視点を蔑ろにしがちです。しかし僕自身がエンジニアを自負していく以上は、常にハックしてやろうという気概を持って仕事をしなきゃな、と思っています。

(「立場が人を作る」という言葉もあるし、名刺の肩書きを"Corporate IT Engineer"とかにすればよかったかな、と今更後悔、、)

まとめ

今回も長くなってしまいましたが、僕がどういうつもりでコーポレートITの仕事に取り組んでいるのか、ということを書きました。いわば、所信表明パート2といったところでしょうか。

コーポレートITの分野は経理や人事労務領域と比べて、まだまだ体系化されたアプローチがありません。縛られる法規もないし、先の記事に書いた通り組織によって認識が異なる上、片手間でやっていたりしているので集積知も形成されにくいのです。公認会計士や社労士のようにその道の公的なプロも存在しません。

しかしそんな中でも、クックパッドの中野氏のようなスーパースターも生まれているので、存在が世間一般に認知されるのももう一息なのかな、という気もしています。(中野さんのお話はこちらのnoteに詳しく書いていらっしゃる方がいます!)

そうした社会的認知や体系化の一助となればいいな、という思いも込めて、今日もnoteをやっている会社の人がnoteで発信します。本当に長い記事でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。次回はもうちょっとライトなネタを書こうと思います!(何書くかは決めてない。。)

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