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【湖南市選挙解説①】湖南市に維新が!

 今朝の京都新聞に「維新公認候補新人1人追加 滋賀県議選」というベタ記事が掲載されました。

「候補は次の通り(敬称略)。湖南市=柴田栄一」

京都新聞 2023年3月17日

 これはさすがに衝撃でしょう。

 湖南市は立憲民主党の塚本茂樹県議が代表を務めた「Changeこなん」なる自民党の生田邦夫市長を支援する団体のみなさんが牛耳っていたはずなのです。

 これまで過去3回の県議選では、湖南市選挙区の2議席を自民党と旧民主党系で分け合い、無投票に持ち込むというなれ合いが続いてきました。

 その2議席が生田県議と塚本県議でしたが、塚本県議が「Changeこなん」代表として生田県議を市長に押し込んだ後、菅沼利紀市議が無投票で県議補選に当選しました。

 もともと「Changeこなん」はコロナ禍で市民のみなさんが大変なときに、当時湖南市長だった私を追い落とすために県議2人市議13人で結成されたものでした。

「Changeこなん」のみなさん 《前列左から4人目生田邦夫県議、5人目塚本茂樹県議、後列左端菅沼利紀市議、3人目藤川みゆき市議(いずれも当時)》

 なので今回も無投票かと言うと、そうは問屋が卸しません。待ったをかけたのは「Changeこなん」の一員だった藤川みゆき市議の夫の藤川人志樹氏でした。

 実は菅沼市議は、私が「Changeこなん」の動きの機先を制して不出馬を宣言して退職した後、同じ「Changeこなん」の加藤市議、小林市議と公明党の桑原田市議、細川市議で送別会を開いてくれました。

 そのため、生田市長は菅沼市議の動きが気にいらなかったのかもしれません。無投票を阻止すべく、しかも、塚本県議の地元・下田地区から藤川氏が出馬を表明しました。

 結果的に生田市長の思いは一石二鳥になったように見えます。菅沼県議をけん制しながら、自民党市長を支えた立憲民主党の塚本県議を落とせるのですから。

 しかし、菅沼県議は現職の自民党であり、無所属の藤川氏を推そうとすれば現職とぶつかることになるため、藤川市議は自民党会派を追い出されたようです。

 藤川市議が会派を出る原因となったのも「Changeこなん」の一員の市議の指摘からでしたし、その市議を唆したのも別の「Changeこなん」の一員の長老市議だと囁かれています。

 塚本県議は地元に地盤がなく、市議選でも最下位の一つ上で辛うじて当選していましたので、無投票で何とかやり過ごしてきた県議選が実戦になるとピンチなのです。

 何しろ、前任の県議が引退する際に「よそ者」が後任になるのを悲しんだ地元の長老たちの間を根回ししたのは私でしたので元々票がないのです。

 それが地元の下田地区から対立候補が出現したので、慌てて「チームしが」という県議会会派の街宣車で「塚本茂樹とともに~」と今朝も事前活動をしていました。

 連合滋賀の推薦はあるものの、もともと労働者というわけではなく経営者側の立場でしたので、傘下各単組の組合員のみなさんとの意思疎通には苦労しているように見えます。

 一方で、藤川氏も出身は市外ですので、地元と言っても藤川市議の親戚筋を中心に活動するわけで、下田地区以外への浸透が課題となっています。

 現職の菅沼県議は、祖父の代からの政治家一家であり、地縁血縁に加えて自民党公認も得ているので生田市長も応援せざるを得ず、多少有利な姿勢で選挙に臨むことになります。

 整理すると、現職県議は自民と立民ですが、自民と野合して自民市長を作った立民県議は自民市長に裏切られて困窮し、自民市長が当て馬として期待した候補も自民公認が取れずに自民市長の応援は貰えず苦慮するという構図です。

 こんなグダグダなところに降ってわいたのが、今朝の京都新聞が報じた日本維新の会の参入です。しかも公認で殴り込むというのだから力が入っています。

 湖南市は3分の2がいわゆる転入組の新住民ですので、地縁血縁ではなく人物や政策を見て投票する傾向があります。しかも、柴田栄一市議は1期目でしがらみがないのです。

 湖南市はこれまで旧民主党系の元代議士が水面下の圧力で支配してきたしがらみだらけの街でした。政治を立て直したいという志があっても芽が出る前に潰されてきたのです。

チームしがの塚本茂樹県議、新市長に無投票当選した自由民主党甲西支部長の生田邦夫前県議、影のピラミッドの頂点として湖南市を牛耳る奥村展三元民主党代議士(左から2、3、4人目)

 私が市長になれたのも、そういうしがらみがなく、言ってみれば水面下の圧力に引っかからずに、ポテンヒットのようなかたちで出塁できたことによります。

 柴田市議も「Changeこなん」体制ができた後に、この体制が湖南市の暗黒を形づくっていることに気づいて市議選に挑戦したという、いわばダークホースでした。

 しかも、市長の政治資金問題も追及せずに臭いものに蓋がされる「Changeこなん」市議会から、退路を断って飛び出した柴田市議には驚かされるばかりです。

 そういえば、京都新聞が「政治とカネ」の調査報道で報じ、NHKが後追いした生田市長の政治資金問題は、市長も塚本県議もだんまりを決め込んで、市議会もおとなしいですね。

京都新聞 2023年2月27日

 その他の報道機関も沈黙したままでよいのでしょうか。折から国政でも政権の過度な介入に忖度するジャーナリズムなき報道機関が問題にされています。

 私は市民党を標榜してきたので特定政党を応援するものではありませんが、柴田市議が参入したことで、俄然、湖南市選挙区は熱い戦いになりそうです。

 教訓。政界、一寸先は闇だよ。byおとぼけ正次郎

         (2023年3月17日記)


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