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賃貸派だけど、マイホーム建てることにした

僕はずっと賃貸派でした。
理由はたくさんあるけれど、借金を払い続けなければいけない不動産は資産ではないし、何よりも持ち家はその土地に縛られることになるという2つが、特に大きな理由です。

けれど今、実家を建て替えて両親と一緒に住もうという計画を進めています。ローンも組みます。
そういう決断にいたった理由を、ダラダラ書いてみたいと思います。
長いので、お時間のある時にどうぞ。


1.10年くらい株式投資をして感じたこと

サブプライムローンが騒がれるようになる直前くらいから、株式投資を始めました。
リーマンショック、東日本大震災、アベノミクス、トランプ政権誕生などを経て、一通り景気のサイクルは経験してきました。

始めた動機は自己防衛で、金融資産を増やさないとこの先ヤバいと感じたからです。
けれどこの10年で、マイナス金利とか、国債や株を日銀が買いまくるなど、今までの常識では考えられないようなことがたくさん起こりました。
10年経った今、改めて感じることは、お金の価値が確実に低くなっていて、これ、単純に金融資産を増やすっていうだけじゃ、問題解決にならなくなってない? ということでした。

2.不動産賃貸やってみた

トランプ政権誕生で、株は暴落するってみんなが騒いでいたけれど、実際はグングン上がりました。いやあ、プロの言うことってあてにならないね。
そして僕の資産もそれなりに育ったので、勉強のつもりで賃貸物件買ってみた。
もちろん失敗するつもりは無いので、それなりに勉強しました。

そこでわかったのが、賃貸物件の住環境ってかなり悪い、ということでした。

どのビジネスもそうですが、やるからには黒字にならないといけません。
大家も同じです。貰う家賃で経費をまかなって利益をださないといけない。しかし現在は供給が完全に上回っているので、家賃は下がり続けています。その中で持続させるには、いかに物件にお金をかけないかしかありません。

そこでどこにお金をかけるかですが、最も優先されるのは、外見です。
汚かったり、みすぼらしい部分の上から、綺麗なモノをかぶせることが中心。
安いものの素材は大体化学物質です。もちろん化学物質だからダメということは無くて、人体に影響のあるものもあれば、無いものもありますし、今現在それがよくわからないモノもたくさんあります。

確実なのは、大家は、そこまで気にしていない、ということです。
もちろん悪意をもって悪い影響のある部屋づくりをしようとしている大家なんて限りなくゼロに近いと思います。そこまで意識していないし、むしろ良かれと思ってやっています。
当然です。借りる側が、できるだけ安くて、オシャレな住まいを望んでいるからです。

3.賃貸というか、日本の住宅全体がそうだった

環境を考えて家づくりをしようとすると、ハナヂでるほどお金がかかります。
というよりも、逆に売られている家が、安すぎる、と思います。
これも、買いたい側が、できるだけ安くて、オシャレな住まいを望んでいることが一因ではないでしょうか。

長期的にみて、最もお金がかからない家というのは、「出来る限り長く使い続けられる家」です。
それは、百年規模で考えていくこと。
それだけ長い時間使うとすれば、当然、住む家族構成も変わっていきます。

長く使うためには、その時どきの家族の状況に柔軟に対応できるように、間取りを変えられることが重要な条件になります。

でも、ローコストな住宅は、簡単に間取りを変えられません。
理由はいくつかありますが、一つ例を挙げます。梁の部材が短いことです。横に長い梁を一本の木で作ろうとすると、輸送にお金がかかります。なのでほとんどの住宅では、梁は何本かの短い木を運んで、現地で繋げて作ります。
そうするとつなぎ目の下の柱は、抜くことができません。
柱を抜けなければ、間取りを変えることが難しくなるのです。

一つ一つの建材も、その多くが、建てた直後が最高の状態で、あとは劣化していくのみ、だったりします。
「メンテナンスフリー」というのは、言葉通りの素材もありますが、実質「メンテナンスできない」という意味である場合もあるのです。

こういったことを考えると、今現在の家は、本当に「消耗品」なんだという印象です。

4.ライフプランの視点から住まいのこと

「ローン地獄」みたいな話がありますが、そりゃそうだよなあ、と思います。
入り口の値段が安くて、ずっと使い続けることが難しい、消耗品の家を何十年ものローンを組んで買っているから。
それも、最初にかかる値段が低くて、ローンも長期で借りられて金利も低いから、自分の人生の許容範囲を超えた家を選んでしまう。
なぜなら、それでも、月々の支払いが今住んでいる家賃と同じくらいだから。

で、あとからどんどんお金がかかります。それも、自分たちではできませんから、ほとんど業者さんにやってもらわざるをえません。

ひやか…ゲフンゲフン…勉強の一環で、ハウスメーカーのモデルルームを見学してた時期がありました。
どのメーカーも、独自の技術を持っていて、それを前面に勧めてきます。
そんな技術の家を建てるということは、ずっとそのメーカー任せで修繕しなければいけません。
ハウスメーカー側からすれば、それなら、最初安くして、あとからゆっくり回収すれば良いと考えると思いませんか?
持ち家が危険だという由来はここにあって、修繕が言い値で、ものすごくかかるからなんです。

今の世の中、人がどんどん生きづらくなっているのは、家だけでなく、いろんなことでこうやって型にはめられていってしまうからです。

5.だから家を建てる。

…ということが分かってきて、僕が決めたことが、家作ろうでした。

・とことん長期間使えるような自然な素材を(予算の範囲で)使い
・資産性ができるだけ落ちないように考えて作る
・できるだけシンプルな構造にして、どの業者でも修繕できる。自分でもできる部分を多くする。

今の時代に逆行するような家を作ってみたら面白いんじゃね?
これで一つの価値になったら素敵ですね。
という仮説が生まれてしまったから。

それと、住宅ローンって、長期的に低金利で借りられて、借金全体からみると、すごく条件の良い借金です。
お金の価値が落ちているなら、今のうちに使ってしまおう、という考え。

当然月々の支払いがかなり余裕あるような額しか借りません^^;

さらに、賃貸だと当然ながら住宅を自由に改造することができません。
DIYをしたり、太陽光発電を自作したりも考えていて、これらも戸建ての持ち家でないと難しいです。

この辺りは経済的に自立するためにはどうするかという問いに対する仮説の検証なのですが、こういった実験もどんどんやっていこうと考えています。

6.終わりに

一つの価値になったら素敵と書きましたが、具体的に挙げると「百年後も邪魔にならない」ということではないかと考えています。

今、持ち主も見つからず、簡単に解体することができなくて、しかも解体に莫大なお金がかかる空き物件がたくさんあります。
次の世代に邪魔がられる物件って、悲しい。なんのために生まれてきたのかと思います。
ハウスメーカーで独自技術を説明された時、「でもそれ解体するとなった時費用すごくかからない?」と質問したら「…かかりますねえ」とかえってきました。

僕が作りたいのは、末長く次の世代にも受け入れられるデザインにするのはもちろん、解体することになってしまった場合も、環境に負荷をかけずに無くしやすい家です。

新築の目的の一つは、両親に良い環境で余生を過ごしてもらいたいことが一つだけれど、死んでいなくなったあとは、住みびらきも面白いと思っていますし、住まいプラスαになれるようにいろいろ考えようとも思っています。

いろんな人に面白そうと楽しんでもらえるような家にしたいです。

僕は相変わらず賃貸派だけれども、以上のような理由で、家を建てることにしました。
住むことは目的の半分で、もう半分は仮説の検証といったところです。

これが正しいことなのかはよくわかりません。
わかるのは、何十年も先のこととなるでしょう。

賃貸か持ち家かは、1人1人違うとしか言えないと思います。
僕は賃貸派。だけど家、建てます。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
あなたのライフデザインの参考になれば幸いです。

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