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好きな人が好きなもの

「人がいるところに面白いものがあるのにね」

隣にいた素敵な人が、そうつぶやいた。

「だから、私は人混みが好き」

人混みを避けて生きてきた私には、
通り過ぎたことのない考え方で
目からウロコだった。

私は人混みが苦手だ。
その理由のひとつに
人と同じことをしたくない
というのがある。

人混みにいる人たちは
とりあえず周りがやっていることを
やっているだけのように見える。

その光景が
自分の意志はないゾンビのように
思えてしまって、自分がそうなることへの
恐怖心みたいなものがあるのだと思う。

好きな人がキラキラした目で
人混みが好きだと話してくれる様子を
眺めていると、
人混みに漂うのもいい気がしてくる。

もはや人混みは、
素敵な場所へ誘導してくれる川のようで、
そこにいる一人ひとりが
水面にきらめく光のように感じられる。

あれだけ人混みを嫌悪していたのに
不思議だ。

好きな人の好きなものって
好きになっちゃう。

好きな人がいると
見える景色が変わるよね。

好きが増える感覚って、とっても豊かだ。

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