鯖球の夢

魚河岸のようなところで、穫れたばかりの鯖を検分している場面を夢で見ていた。
鯖とはいえ、鮪、いや、小型の鯨のように大きい魚体が解体されている作業の途中。
仲買人がほら、これ、と言って脂ののった切り身を両手のうえに載せて持ってくる。鯖肉の臭みが感じられない。

ハマチの血合いのような色の肉に、細かい網目模様の白い脂がたくさん入っている。
それを見て、まるで衛星高度から見た地球の雲のようですね、と感想を言ったとたん、目前に巨大な球体となった鯖肉が現れた。

淡い朱色と白のまだら模様に彩られたそれは、仄かに光りながら緩やかに回転し続けていた。(2022.9.1)

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