覚めて欲しくない夢

季節は初夏。河原か鉄道の線路沿い。緑豊かに伸びた草で覆われた平原。砂利道。堤防。雲が流れる空。遠くには山並みが見える。高校の制服を着た相手と話をしながら歩いている。爽やかに吹いていた風が突然強くなり、向こうの草原では青草がちぎれ飛ぶほどになる。何かを予感して黙り込む二人。

「命にもまさりて惜しくあるものは見はてぬ夢の覚むるなりけり」(壬生忠岑)
(2023.2.21)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?