土から離れる

ラピュタのヒロインであるシータは言う。「土から離れては生きられないのよ」と。

以前は強く共感していたが、自分でりんご園の管理をするようになってから、これが判らなくなってきた。

非衛生や理不尽な損害や暴力を受容して、地に伏して生きるというのがどれだけ辛いことかを無視した台詞ではないかと思うようになった。

「結局、土からは離れられないのよ」というのならそれは判るけど、好んでそこへ戻っていくというのは物語の中だけにして欲しい。

だいたい、「土から離れる」という言葉の内容が曖昧すぎる。
浮遊デバイスやその操作プログラムの未熟さを糾弾するとか、ムスカ大佐みたいな人をゴミ扱いするキャラクターの行為を断罪するのは当然だけど、それらの存在自体を否定して無いことにするのって何。

酸素呼吸生物が誕生したときに、これは将来生物環境に絶大な害を及ぼすから今のうちに滅ぼそう、と言うのと同じか?
(2024.3.12)

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