2022春のセンバツ総本塁打について 突如、書きなぐりキビナグリ

優勝した大阪桐蔭の図抜けた力量が目立ち過ぎるほどに目立った2022年の第94回選抜高等学校野球大会。
実は、3回戦までで大会総本塁打がたったの3本しか記録されないという、極めて本塁打の少ない状況だった。
これまで二桁はあたりまえという感覚だったのが、昨年の前大会で一桁の9本にとどまり、今年もその傾向を引きずっていると思われた。

「これも新型コロナウィルスまん延による練習不足の影響なのか?」

そう考えた人もいたことだろう。

だがしかし。
準々決勝以降、進出したチームにより……いや、ぶっちゃけ大阪桐蔭(と浦和学院)の本塁打量産により、少なくとも数字上はその懸念が払拭された格好になった。

しかし、すごいよ? この極端な偏りぶり。
下の表をみて欲しい。

即席で作ったので見にくくて恐縮なのと、一応、2度ほど見直しチェックをしたが、もし手落ちで集計にミステイクがあったら申し訳ないのだが、仮に1,2箇所間違いがあったとしても、この極端な偏り加減については変わりないと思う。

とにかく、3回戦までの大会総本塁打がたった3本という少なさであること(しかも、そのうち2本が浦和学院)。
そして、準々決勝以降に事態が急転したこと。
大阪桐蔭は準々決勝で1試合6本塁打の大会タイ記録を樹立し、あっという間に大会総本塁打数を二桁に乗せると、準決勝で1本、本日の決勝で4本という乱れ打ちで大会記録となる11本とした。

浦和学院も準々決勝で1本追加して通算4本と奮闘したが、とにかく大阪桐蔭がすごすぎる。大会総本塁打は最終的に18本となり、大阪桐蔭だけでその6割超を占める結果となった。

大阪桐蔭と浦和学院の2校を除くと、本塁打を打ったチームは星稜、近江、国学院久我山がそれぞれ1本ずつの計3本。

コロナの影響により、練習試合などの実戦練習があまりできなかったのか?
春先で各チームの打撃の仕上がりが今ひとつだったのか?
あるいは、大会序盤は各チームの投手が好投して本塁打を防げたものが、試合が進むにつれて疲労の蓄積で球威や精度が落ちたところを確実にバットの芯でとらえられたという見方もある。特に準々決勝以降の大阪桐蔭戦は、相手の主戦投手が打たれたあと、救援した控え投手も歯止めをかけられぬ展開が続いた。

全体的にハイレベルでしのぎを削るようになったことで、ひとたびその練度が維持できなくなると、大人と子どもの試合のような展開になる。プロ野球でも近年頻出していると思われるこの傾向がモロに出たのではないだろうか?

とはいえ、ことごとく柵越えにしてしまった大阪桐蔭の主力選手たちのスイングスピードの突出ぶりと、仕留め率の高さはすごい。
すべてが良い流れだったからこその結果かもしれないが、それを差し引いても度肝を抜かれた。

しかし、恐らく夏はこうはならないだろうと予測する。
コロナ感染のまん延については、まだ余談を許さないものがあり、練習の制限がまたいつかかるともいえない不安はあるが、基本的に夏に向けて打撃は全般的に春よりも格段に伸びてくるのが高校野球である。
そして、夏の暑さは、投手のスタミナを蝕む一番の敵と化す。

きっと、大阪桐蔭にも見劣りしない打撃が看板のチームが現れるはずだ。
そんな期待をいだきつつ、明日からは早速夏に向けた展開に注視していきたい。

取り急ぎ、あまりに特殊な大会総本塁打だったので、書きなぐっておいた。
お粗末さんでございます。。。

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