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No.011 眞壁 拓己 (特別養護老人ホーム/支援員)

【専門知識を持って人と直接関わる仕事がしたい】


1.どうして福祉の仕事を選びましたか。(法政現福に入学したきっかけは何ですか)

(現代福祉学部を選んだ理由)
中学生の頃に指を骨折したことがあり、その時のリハビリで作業療法士に出会いました。とても親身になってくれてリハビリを行ってくれたことが印象に残ってます。


専門知識もあり、憧れを持ちました。人と直接関わる仕事がしたいと思っていた私は、自分もこうなりたいと思いました。


当然、リハビリに興味を持ち、作業療法士という職種になろうと思いましたが、その時には付属校への入学が決まっていたので・・・笑

「親には後から専門学校もあるよ」と言われたけど、付属からと考えた時に、大学には現代福祉学部があるので、リハビリではないけど、福祉を学ぼうと思いました。


また、人と直接関わる仕事がしたいということと、自分にデスクワークは出来ないという考えもあり、現代福祉学部を第一希望で選びました。


(福祉の仕事を選んだ理由)

大学進学時点で福祉の仕事をしようと考えていました。やっぱり人と直接関わることが一番出来る仕事は福祉だと思ったからです。

ただ、分野は特に決めていなかったです。なぜなら、福祉の仕事ならどのような形でも人と直接関われると考えていたから。

実際に、在学中は児童系サークルでしたが、仕事は介護になりました。


介護を選んだのは、人生の先輩である高齢者の方々が、どんな生活をしてきたのか興味があったこと。

サークル活動も含めて子どもは比較的話す機会が多くあったけど、高齢者では自分の祖父母ぐらいしか関わったことがなかったので、自分の知らないことを知りたいと思ったから。

あとは就活時に、児童に関してはサークルで関わった子ども達への愛情が強すぎて、仕事として子ども達の事をきちんと見ることが出来ないと感じてしまったからです。


【リーダーとして利用者様の笑顔を引き出す仕組み作り】


2.あなたの仕事について教えてください。

特別養護老人ホームユニット型のユニットリーダーとして2年目になります。

利用者様の支援はもちろんのこと、支援員のフォロー、利用者様がより良い生活を送る為に必要な支援は何か、支援する立場としてどうすれば良いのか考えるキッカケを作ったり、毎月のユニット会議時の議題やレジュメの作成などを行っています。

ユニット会議時には、利用者様(ADL)の状態確認して、どう支援していくか方針を固め、さらにその方針を支援員全員にしっかりと周知することを意識して行っています。

ちなみに、私の法人では、介護職員のことを支援員と呼んでいます。私たちはあくまでも支援する立場であるから。この法人の方針と呼び方は素敵だと思っています。 


今は、こんな風に言えるけど、リーダーの話をもらった時は、「どうしよう」って思いました。自分に出来るかどうか不安でした。人の上に立って、物事を言えるのか。


それでも、利用者様や支援員のことを常に考えているユニットリーダーである先輩の姿を見て、「こんなに考えているんだ」と驚いたし、自分もやっていかないといけないと感じました。 


この仕事をしてて、日頃から利用者様とコミュニケーションを取っている時が一番楽しいです。直接話すことで笑顔が見られるし、次はどんな話をしようかなとかこんなこと聞きたいなとか。


認知症の方でも反応をしてもらえるし、笑顔も絶対に見せてくれる。とにかく笑顔に出会えることがうれしいです。


特に好きなコミュニケーションタイムは、勤務終了後です。仕事から解放され自由にお話出来るこの時間が好きです。(笑)

「良い支援とは、なんですか?」


良い接遇をすることだと思っています。しっかりと敬語(丁寧な言葉)を使い、接することです。

支援員には守って欲しいけどイライラすると乱暴な言葉に変わってしまうこともあります。そういときは、きちんと見直して欲しいと伝えます。

自分を見つめ、客観的に自分を見て欲しいと。自分が言われたらどう思うのか考えてもらう時もあります。


そこまで言うのは、私が率先して接遇を丁寧に行っていても、周りには伝わらないし、自分だけやっても意味がないと気づいたからです。支援員の皆さんはきちんと話を聞いてくれるので。

だから、毎月のユニット会議でも必ず接遇に関して取り上げて、伝えて、身につけていけるようにしています。


【自分や相手に向き合い、互いを受け入れる】


3.大学での学びが仕事で生きていると感じるのはどんなときですか。

一つは児童系サークルでの経験です。

サークルでは、毎週土曜日に児童養護施設へボランティア活動をしていました。

この時に関わったある男の子とケンカしたことがありました。ケンカと言っても、その子に無視され、こちらも積極的な関わりを持たなかったという、今思えば、本当にくだらない話です。笑


その時の原因としては、私が考えていたことと、その子の考えていたことに違いがあり、その子が納得のいく関わり方を私が出来なかったことです。

きちんと向き合えなかった自分が情けないと感じました。


そのケンカをきっかけに、その子(相手)が、どういうことを考えているのか、何をして欲しいのか、何を求められているのか、とても意識するようになりました。


今の仕事では、言葉では自分の思いをはっきりと伝えられない利用者様もいます。

言葉では言えないけど、その方の表情や生活習慣から、こうした方が良いのではないか、常に意識して考えるようになったのは、この経験があったからです。 


もう一つは、実習指導の授業で学んだ、自己覚知という言葉です。

自己覚知は、自分がどんな人間なのか、自分を客観的に見ることが出来ます。授業の時に、自分がどういう人間なのか文章に起こした時に、初めて自分がどういう人間なのか客観的に知ることが出来ました。

自分を知ることで、仕事の中で焦ったりイライラしたときに、自分を見つめ直すことが出来ますし、人と接していく際のツールにもなります。


チームで行う仕事なので、チームワークを保つ為、信頼性や協調性を保つ為には、自分や相手(周りの支援員)がどういう人間なのか知ることが大切になっていきます。

壁をつくっているようだけれども、私はこういう人、〇〇さんはこういう人、とお互いに知ることで、間違った先入観を持たずに接することが出来ます。

【いつまでも食べることを楽しんでほしい】

4.いま興味を持っていることやテーマは何ですか。

食事についてです。
やはり、食事は最後までおいしく食べてもらいたいと思います。

私自身も食べることが大好きなので。素材の味をしっかり感じながら、おいしい食事を食べてもらいたい。

その為には食形形態を常食で維持すること、なるべく常食に近い食事形態にしていくことが必要だと思っています。


食事の前にパタカラ体操(唾液の分泌を促す口腔体操)を行うなど、やれることは継続していきたいし、常に他職種とも連携しながら食事形態の維持・向上を目指していきたい。

実際に利用者様の食事形態をあげていますし、さらなる向上も目指しています。


あとは、施設管理(マネジメント)といった事にも興味があります。これは、利用者様に直結するサービスの質を保ちたいという想いからです。


【がむしゃらに専門性を磨いていきたい】

5.今後の目標を教えてください。

とにかくがむしゃらに、知識と技術を磨いていきたいです。まだまだ足りないと感じます。

具体的には、私の職場と同じユニット型特養はもちろんですが、その他の形態の施設を見ることで、どのような理念があるのか、どのようなケアを行っているのか知ることです。その中で得られるものを吸収していきたいです。

「相手の気持ちを考える上で意識していることは?」


たくさんたくさんコミュニケーションを取ってその人の情報をたくさん得ること。

その中の言葉一つ一つに、その人の想いをつかむヒントがあると思っています。

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