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保険問題

初めての交通事故に遭って狼狽した前回。
相手(加害者)から骨折をし、手術を
するかもしれないと言われ絶望的な気持ちになっていた。

この時の自分は正直な言うと憤っていた。
相手に吹っ掛けられているのではないかと
疑心暗鬼になっていたのだ。
前回の記事にも書いたように、こちらがひたすら謝罪を
述べても相手側は特に謝る様子もなく
なんだか濁す感じで、「お互いの保険会社を通して
今後はやりとりしましょう」と淡々と話し
こちらが「お医者さんは何と言ってましたか?」と
聞くと少し間があり、なんだか考えるような様子で
「骨折しているので手術になるかもしれませんと言われました」
と答えたので、つい悪いほうに勘ぐってしまったのだ。

全然血も出ていなかったし、こちらも擦り傷だし
お互いスピードもあまり出ていなくて衝撃音もそんなになく
倒れていただけなのに、重症になる??本当に??
そんな風に身勝手に考えていた。

それと同時に保険に入っていなかったので、このケガの費用や
働けない間の賃金にバイクの修理代、相手のこれらを自分は
どこまで負担せねばならないのか
また万が一訴えられたらどうすればいいのか
もしかしたら相手が悪い人でお金をむしりとられるかもしれない
それか本当に相手が重傷で、後遺症など残ってしまったら
一生をかけて償わねばならないのか・・・
考えれば考えるほど、不安になり気が動転していた。
人生終わった。そこまで正直思うほどだった。

自分は現在無職である。
昨年末に長く務めた会社を退職し、転職したのだが転職先では中々上手く
いかず、退職し再度転職活動をしているところだった。
内定はまだ出ていない。兆しはありそうなところまで来ているが
この先どうなるかわからない毎日を送っていた。
正直決まってもこの先の自分の収入に期待はできない状態だった。
端的に言うと、毎日絶望していたのだ。

そんな時にこの事故に遭い、もしかしたら一生賠償金を払うことに
なるのかもしれない・・そんな最悪な想像してはかなり参って
しまった。
なにせ初めての事故という事故。
車の免許もとったことがなく、保険という保険にも自ら入ったことが
ない人生をここまで送ってきたのだ。
何も、本当に何をすればいいのかわからず不安でおかしくなりそうだった。

一つだけ微かに希望が残っていたのは
遥か昔、まだ実家で暮らしていた頃に自転車事故が相次ぎニュースで
毎日それらに関する事故の情報が流れていた。
これからは自転車保険に入らないと大変なことになる。巷では
そのようなことが騒がれ、努力義務で自転車保険に入ることを推奨されて
いた。
その時自分は怖いなぁ・・他人ごとではなく入らないとな‥と調べたのを
覚えている。
しかし当時収入が乏しく、意外に自転車保険は高くてどうしようか
決めかねると中々入れないでいた。
そんな時、一緒に暮らしていた親が車の保険を変えたので、お前の自転車保険もこの保険の中に入っているから何かあっても大丈夫だぞと
言われたことを覚えていたのだ。
それがあったのであの時自分では自転車保険に入らなかったのだ。
その後実家を出てひとりで暮らしを始めたのだが、すっかり自転車保険のことなど忘れていた。

あの親の保険。もしあの保険が今も使えるのなら・・・
そう微かに希望を抱いたが、しかし既に実家を出てしまっている為
使えないかもしれなかった。
さらには自分の親はかなり気難しい性格で、やっかいな所があるため
今回の事故の件を伝え親の保険を使いたいなど話そうものなら
何を言われるかわからない状態だった。
むしろそちらの方が恐怖でもあり、なるべく言いたくなく、
それが憂鬱で仕方なかったのだった。

とりあえず、親の保険が使えるかもわからない。使えないので
あれば親には今回の件は話さず隠しておきたい。
そう思ったのでまずは保険会社に直接問い合わせてみることに
した。親の車の保険担当者は昔から付き合いのある人で、
自分が幼少の頃からお願いしているお抱えの代理店だった。
親子二代で保険代理店を経営しており、現在は娘さんが会社を
引き継ぎ我が家を担当してくれていた。

直接関わったことのない自分は担当者の連絡先を知らなかったので
姉に事情を説明すると、連絡先を教えてもらうことに。
後は明日朝一で連絡をしてみて、保険が使えるかを聞いてみようと
思うのだった。

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