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改善の着眼点ECRSを手に入れよう

今回は4つの改善パターンを押さえます。
ご存知の方も多と思いますが、改善の4原則です。

Eliminate 排除 「排除できないか」
Combine   結合 「結合したらどうなるか」
Rearrange 入替え「入れ替えたらどうなるか」
Simplify  簡素化「簡素化できないか」

ECRSとも呼ばれ、製造部門だけではなく、開発や設計などでも多く使われています。

E排除 手紙が電子メールに替わったことで、便箋・切手・封筒・のり・配達・仕分け・回収・投函などの多くが排除され、物品と手間が不要になり、発信から受信迄の時間も大幅に短縮されました。

C結合 スマホには通話以外の様々な機能が結合されています。インターネット、書籍、目覚まし時計、カメラにお財布まで1台に結合されたことで、取り置きや運搬の手間が減り、人々は日々利便性を感じています。

R入替え 配達経路を入れ替えることで、宅配の距離と時間が短縮され、同じ時間内で、より多くの対応が可能になります。また作業順を入れ替えたことで、コピー機の印刷中の待ち時間内に事務作業をし、大きな時短ができます。

S簡素化 スーパーの会計は、値段を打ち込む作業がバーコードで“ピッ”と簡素化され、更に最近では、買物カゴに商品を入れたまま会計が終わるなど飛躍的に簡素化が進み、顧客と社員の省手間に結び付いています。

ここ迄で、改善の4原則をご理解頂けたでしょうか。

皆さんが実際に行った業務改善、及び実在する身の周りの商品をECRSと結び付けることで、更に理解を深めてください。

最後に皆さんのお役に立つであろう、大事なことを記します。

ECRSの「E排除」が最初に在るのは、最も改善効果が大きいことを意味しているので、ここは押さえておいて下さい。

その理由を、工作機械のプログラム入力のために電卓作業を例にして説明します。

改善案1 速く計算できるように電卓の腕を磨く。
改善案2 電卓を使わなくても必要な値が出るようにする。

(実現するための手段は別の機会に説明するとして)この2つの案で効果が大きいのは案2であることは明白です。

案1では、電卓のキーを叩く時間だけではなく、検算や再計算などが行われ、結構な手間が掛かっているのが実情です。

しかし、案2ならば、一度で正解が得られ、案1に比べて著しい時短が期待できます。しかも、いつ、だれがやっても時間のバラツキはほとんどありません。

このように「E排除」は、CRSに比べて改善効果が大きいことから、改善案を出す時の着眼点として持っていると大きな利益が得られます。

「E排除」は「~レス」として押さえておきましょう。

「~レス」は、キャッシュレス、チケットレス、印鑑レスのように使われ、現金、入場券、印鑑などが排除され、私たちの生活に大きな変化をもたらしています。

但し、「~レス」の効果の大きさだけに目をくらませることなく、仕事の優先順はSEQDC(20231208版を参照)であることを忘れずに改善を進めて下さい。

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