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そうだ、絵本作家になろう。

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絵本作家になるまでの道のりを振り返っています。
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記事一覧

そうだ、絵本作家になろう①何をして生きるのか

そうだ、絵本作家になろう①何をして生きるのか

2015年3月。

私はもうすぐ生後3ヶ月になろうかという赤子と一緒に
6畳の部屋に敷かれた布団の上でゴロゴロしていました。

その時ふと、「絵本てどうやったら出版できるのかなぁ〜?」と思い、スマホを手に取り「絵本 出版」というワードで検索したのを覚えています。

その頃、55㎡、2DKの賃貸住宅に住んでいて、
一部屋を夫が仕事部屋に使っていました。

私は産休を取っており、子育てってどんなものか

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そうだ、絵本作家になろう②絵本をやめて働くのだ

そうだ、絵本作家になろう②絵本をやめて働くのだ

(前回の記事はこちら→ そうだ、絵本作家になろう。①)

大学では油絵科を専攻していたのですが、デザインにも興味があり、教職をとればデザインの授業をとれると知ったので、教職の授業も受けていました。そこで、絵本を制作する機会があったのです。

まず原画を描き、それをスキャナーで取り込み、Macで文字を配置。印刷したものを手製本して、絵本を作りました。これが私が作った初めての絵本でした。

絵を本の

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そうだ、絵本作家になろう③妊娠中の入院で決めたこと

そうだ、絵本作家になろう③妊娠中の入院で決めたこと

(前回の記事はこちら→ そうだ、絵本作家になろう。②)

話は少し戻りますが、29歳になる年に、4年同棲した相手と破局しました。
私としては結婚を意識して付き合っていたのですが、ある時「別の相手との間に子供ができたので別れたい」というようなことを言われたのです。

4年の全てと私自身が全否定されたかと思う瞬間でした(笑)

今思えば、そういうことでもなければずるずる付き合っていただけの関係だった

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そうだ、絵本作家になろう④出産、それから

そうだ、絵本作家になろう④出産、それから

(前回の記事はこちら→ そうだ、絵本作家になろう。③)

初めての妊娠は、神秘的というか、不思議な体験でした。

私が私でないような感覚。お腹の中に別の生命がいる。私の中に心臓がふたつあって、もうひとつの心臓の主は、ぐにゃぐにゃ手足を動かしている。

でも、「いる」。確実にいる。お腹の中に、いる。

子宮の海の中で、新しい生命が育っているのだ。

いまの私の全てのエネルギーは、ここに集中している

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そうだ、絵本作家になろう⑤絵本の学校との出会い

そうだ、絵本作家になろう⑤絵本の学校との出会い

(前回の記事はこちら→ そうだ、絵本作家になろう。④)

私が見学に行くことにした「絵本の学校」は、正式名称は「ウーマンクリエイターズカレッジ 絵本の学校」といいます。

「ウーマン」を名前に冠しているとおり、女性に特化した絵本の学校なのでした。具体的には、受講生は女性のみ、講師も女性(※当時。現在は男性講師もいます)、受講料のママ割がありました。

3ヶ月の息子を夫に預けての初めての外出に、ドキ

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そうだ、絵本作家になろう⑥絵を描くのが好きなのか?問題

そうだ、絵本作家になろう⑥絵を描くのが好きなのか?問題

(前回の記事はこちら→ そうだ、絵本作家になろう⑤絵本の学校との出会い)

絵本の学校では、最終的には1冊の絵本を作りました。(ヘッダー画像はその絵本の中の1ページです)
その絵本は、企画から入稿用データ作成までを自分で行うのです。そして、印刷所に入稿し、ハードカバー製本してもらいました。

作りたいお話しを思いつくまでにはそんなに時間はかかりませんでした。でも、なかなか絵が描けない。

「絵が

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そうだ、絵本作家になろう⑦絵本作家じゃなくて画家なのかよ

そうだ、絵本作家になろう⑦絵本作家じゃなくて画家なのかよ

(前回の記事はこちら→ そうだ、絵本作家になろう⑥絵を描くのが好きなのか?問題)

絵本の学校を卒業した私は、これからの絵本作家人生をどうするか考えあぐねていました。

そこで、絵本の学校の先生にアドバイスを求めたところ、

「つぐみちゃんはさぁ、原画を売ることを考えたらいいよ」

と言われたのです。

「100号の絵、描いてみたら?」

絵本の学校の先生から、まさかの画家生活の提案。

しかし

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そうだ、絵本作家になろう⑧僕と遠野物語と神楽坂〜前編〜

そうだ、絵本作家になろう⑧僕と遠野物語と神楽坂〜前編〜

(前回の記事はこちら→そうだ、絵本作家になろう⑦絵本作家じゃなくて画家なのかよ)

初めての個展を開催した年の秋に、第二子を出産しました。

前後して、せっかくはじめた平面作品や絵本の制作を続けるにはどうしようかなと考えていたので、ZINEのグループ展に参加したり、翌年の個展開催の計画を立てたり、出版社にコンタクトをとったりしていました。

絵本を商業出版するなら、自分と世の中の接点を見つけなけれ

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そうだ、絵本作家になろう⑨僕と遠野物語と神楽坂〜後編〜

そうだ、絵本作家になろう⑨僕と遠野物語と神楽坂〜後編〜

(前回の記事はこちら→そうだ、絵本作家になろう⑧僕と遠野物語と神楽坂〜前編〜)

2018年5月に、アパレルショップの壁をお借りして、ミニ個展を開催しました。そのスペースの予約だけはしてあったのですが、作品にはなかなか取りかかれないでいました。

乳飲み子を抱えて家での制作は難しいと考えた私は、アトリエを借りることに。

住むわけではないのでお風呂はなくてもいいけれども、トイレだけはあるところにし

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そうだ、絵本作家になろう⑩【最終回】どうやって出版が決まったの?

そうだ、絵本作家になろう⑩【最終回】どうやって出版が決まったの?

(前回の記事はこちら→そうだ、絵本作家になろう⑨僕と遠野物語と神楽坂〜後編〜)

ところで、絵本作家になるためにはどういう道があるのか、みなさんはご存知でしょうか。
自主制作・自費出版なら自分で勝手にやれば良い話ですが、商業出版となるとそうはいきません。

以下は商業出版につながる道として考えられる方法、そして私がチャレンジしてみた方法を挙げてみました。

①様々な団体が主催する絵本のコンペ・公募

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そうだ、絵本作家になろう【番外編】矢印の方向へ。

そうだ、絵本作家になろう【番外編】矢印の方向へ。

私は、2015年3月にふと「絵本作家になろう」と思いたち、2018年11月に商業出版が決定、2019年初夏に絵本を発売することになりました。

字面だけ読むと、「なんか順調そうじゃない?!」と思ってしまいませんか?

確かに、4年後にそれが叶うとはつゆとも思ってはいませんでしたが、「4年もかかった」と言えなくもありません。

さらに、2015年以前から「絵本を出版する」というアイディアは持ち続けて

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