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AION Networkを深掘りするシリーズその3。POW⇒POI⇒DPOSという多彩な承認形式について。

今日の資料は下記画像のリンクからどうぞ。

これも2018年5月に行われた、AION-EXというイベントの、YaoというEngineer director(エンジニアのリーダー)のプレゼンからです。

Youtubeはこちら。

まず最初に、AIONの3つの柱として、Private & Public, Scalability(スケーラビリティ), Interoperability(相互運用性)を上げています。

Private & Publicを実現するために、オフチェーンのプライバシーを提供するEnigmaと2017年12月に提携しています。これが公式ブログのリンクです。

また、AIONは既にメインネットのキリマンジャロを2018年4月にローンチしています。

キリマンジャロでは、AION Event Hubを中心として各機能にメッセージ(命令)を飛ばしています。この中のAION Equihash2109を見てみましょう。

まずEquihashというのは、POW(Proof of work)というブロックチェーンの承認形式のためのアルゴリズムで、元々はZCashに使われ始めました。日本語での詳しい解説はこちらのリンクからどうぞ。また、もっと詳しく知りたい人は、このリンクの論文スライドが参考になります。

EquihashはGPU(普通のPCにも搭載されている、グラフィック処理に特化した処理装置です。)でマイニングできるため、ASIC(マイニングに特化したCPUです)によるマイナーの独占が防げるため、POWの課題の51%攻撃も起きにくくなります。

またAIONは、同じトロントのePICというマイニング研究企業と提携し、FGPA(Field Programmable Gate Arrayの略)をハードウェア言語でプログラミングして、GPUを10倍効率的にし、より安全で分散的でスケーラブルなネットワークを目指しています。

実はWindowsやiphoneのような普通のOSって、ユーザーフレンドリーにするためにパワーを使っているので、計算効率は落ちてしまいます。それをハードウェア言語を使い、計算のみをフルパワーでやる事で、POWの計算を10倍効率的にしようというわけですね。

このPOWを、ロードマップ中ではAION-Denaliというステップで、2018年中にPOI(Proof of Intelligence)にアップデートする予定です。POIとはPOWを改善したもので、AIのしくみを使ってハッシュ値の入力と出力を学習させ、承認を最適化しようというものです。

バリデーター(承認者)は、ニューラルネットワークからパラメータをロードして、例えばNブロック前のハッシュ値をインプットすると、承認の出力結果を得ることができます。

またAIONはSingularityNETと2017年12月に提携しています。提携の詳細はこちら。SingularityNETは誰でもAIを作成、共有、収益化する事を目指しているサービスです。この提携をPOIの推進にも使う予定です。

最後のEverestというステップで、ファイナリティを得る目的でHybrid dPOSを導入します。

これが2018年5月時点でのロードマップです。

今回はこの辺で。次回も引き続きAIONを掘り下げていきます。

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