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『ブルーマウンテン』 第一週 《はじまりは、雨だった…》vol.1

【登場人物】
谷崎 涼真(25) 
カフェでバイトをしている。
いつか、自分で店をオープンするために修行中。
        
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涼真:
雨の日曜日…

どんよりくもっていて薄暗いし、なんとなく寂しい感じがするけど、俺は昔から、この雰囲気が好きだ。
バイト先のカフェでの仕事が終わり、帰ろうと外に出た途端、雨が降り出した。

『お〜、今日も天気予報、しっかり当たったな』

俺は毎朝、テレビでその日の天気を確認するのが習慣となっている。
だから、今日もしっかり、傘を持って来ていた。
   
『さて、それじゃあ、帰りますか…』


この街に来て、早や5年…

引っ越して来たその日。
無性に珈琲が飲みたくなり、近くに好みのカフェがないかブラブラ探していたところ、この店を見つけた。
 
オープンしてから、そんなに年数が経っている感じではないが、この街並みにしっくり溶け込んでいる雰囲気が、俺好み、だった。
店内も、派手過ぎず地味過ぎず。
オーナーの趣味の良さが感じられる、素敵な内装だった。

『ブルーマウンテン、お願いします。』
    
珈琲といえば、いつも、必ず、ブルーマウンテンを注文する。
   
俺が10歳の時、家を出て行った母さんが、好きだった銘柄だ…



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