見出し画像

『Tennessee Waltz』Jazz Standard学びなおし


知ってるようで、実は知らないことも多い名曲たちについて、今改めて学び直していきましょう♪ 『Tennessee Waltz』
テネシーワルツ」Tennessee Waltz(The Tennessee Waltz)
1948年にリリースされたアメリカのカントリー・ポピュラーソングで、ジャズミュージシャン、ことさら日本ではよくジャズの現場で歌われている印象の強い曲です。


ざっくり生い立ち

1946年 Pee Wee King 作曲 (アメリカのカントリーソングライター)
Redd Stewart (アメリカのソングライター)作詞
Pee Wee Kingがバンドメンバー(Golden West Cawboy)と車で(しかもリムジンらしい)移動中に、ラジオから『Kentucky Waltz』が流れてきたのをきっかけに鼻唄で『No name Waltz』として歌い始め、Redd Stewartがその場でマッチ箱に(!)歌詞を書き留めたのだそう。 ドラマみたいな生い立ち。

個人的超意訳  なんと本家もサビ替えしてた

この曲、
「恋人とテネシーワルツを踊ってたら
昔の友達にばったり遭遇したので
恋人紹介しましたところ
その友達に恋人取られました」


という歌詞なのですが(辛・・・)

曲ができた時、最初はサビの部分が O the tennessee waltz~ O the tennessee waltz~ だったのだそう。
でも、曲ができた翌日に音楽出版事業者(フレッド・ローズという方だそうです)に聴かせたところ「I remember the night and the Tennessee Waltz 」に変更したのだそうで、ローズさん、グッジョブ。

だって
「恋人取られました お〜テネシーワルツ〜」
よりも、
「恋人取られました 今でも思い出すんだ。あの夜とテネシーワルツをね」
の方が深い。切なさがぐっと親身に感じられますものね。

それって大丈夫?なリリース

そんなこんなで
1947年にPee Wee King and the Golden West Cawboy がシカゴでレコーディングし、1948年1月にリリース。その直後にGolden West Cawboyの元ボーカリストのCawboy Copasが3月に今曲ヲレコーデイングリリースして、それぞれに大ヒットということなのですが、 Copasさん、それってだいじょうぶなのか? いや、この曲が思わずそうしたくなるくらい魅力的だったのでしょう。そうでしょう。

日本でも大人気

日本では1952年に和田壽三(音羽たかし)訳詞で 江利チエミが当時14歳の時デビュー曲として歌唱したものが40万枚を売り上げる大ヒットとなり、江利チエミの代表曲になってます。14歳(15歳という話も)とは思えぬ堂々として侘び寂びのある歌唱。綺麗な英語の発音。いかに素晴らしい歌手であるかが伺えます。

2種類ある歌詞の違い

さてさて、その後世界的ヒット曲となったTennessee Waltzですが、
サビ後の歌詞が2種類あります。
一つは
Now I know just how much I have lost 
今なら、私はどれほど(大事なもの)を失ったのかが分かる

もう一つは、
Only you know how much I have lost
あんただけが知ってるよ。わたしがどれだけのものを失ったかね。
というもの。
この「you」が 略奪した友人なのか、ノコノコついていっちゃった恋人なのか、はたまた自分自身なのか。
それによって意味が変わってきますね。
(個人的意訳としては略奪した友人に向けて 「あんたに分かるかこの気持ちが」くらいの解釈をしてます。生々しいわぁ。)

ざっとネットで調べたところではいずれも作詞がRedd Stewartになっています。Patti Pageは最初のもの、Sum Cooke、Holly Coleは後方のもので歌っています。どなたか、この違いについて情報をご存知でしたらご教授ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?